【レポート】

チャーハンのみの超人気店、仕込みに3日間かけたこだわりの逸品のお味は?

 

チャーハンのみで直球勝負

東京・新橋の駅前ビル地下街に立地。駅前とはいえ地下、目立たない立地

日本人が大好きな中華料理の1つ、チャーハン。たいていの中華料理店にはチャーハンのメニューがあるが、「この店のチャーハン、絶品!! 」という珠玉の一品ってなかなかないのではないだろうか。

そんなチャーハンにこだわりまくって、「メニューはチャーハンのみ」という専門店が東京・新橋にある。その名もズバリ「チャーハン王」。連日行列ができるというこの店の人気の秘密をレポートしよう。

東京・新橋の駅前ビル地下街に、2012年7月17日オープンした「チャーハン王」。基本メニューは「チャーハン」(700円)と鶏ガラスープを付けた「チャー王セット」(880円)のみと直球勝負だ(2013年1月より「黒毛和牛テールスープあんかけチャーハン」(880円)を追加、18時以降20食限定で提供している)。あとは、トッピングアイテムとして「特製ラー油」(20円)、「辛子高菜」(100円)、「ピリ辛もやし」(100円)、「酢モツ」(270円)がある程度。実にすっきりしたメニュー構成だ。

看板メニューの「チャー王セット」(880円)。米一粒一粒の味わいがはっきりしていて、食感もしっかりめ。ごはんは1人前250g使用し、1皿の総量は約300g。結構なボリュームだが、女性でもぺろりと食べていくという

あれ?? 意外にシンプルなチャーハン……

トッピングアイテム4種。手前から「酢モツ」(270円)、「ピリ辛もやし」(100円)、「辛子高菜」(100円)、「特製ラー油」(20円)

どんなチャーハンが出てくるのだろうと期待していると、実際に出てきたチャーハンは驚くほどシンプル。見たところ、具材も玉子とネギくらい。正直、期待値が高かっただけにちょっと拍子抜け感がある。しかしそんな気持ちは一口食べた時点で吹っ飛んだ。

実際にいただいてみると、他店のチャーハンより米の食感がしっかりしていて、米一粒一粒がしっかりと味を含んでいる。噛むほどにコクのある味わいが染み出てきて、味わい深い。よく見てみると、かまぼこ風の練り物も入っている。そして食べ進めていくうちに気づくのが、「脂っこくない」ということだ。

チャーハンを食べていると、口の周りがギトギトになることも珍しくない。だが、このチャーハンはあっさり。でも奥深い味わいので食べ飽きない。さらに、「半分ぐらい食べてからお好みでかけてください」とすすめられる卓上の酢醤油は、さっぱりしつつやや甘めで旨みがあり、少量をチャーハンにたらすと程よい酸味でさらに食欲が増す。

女性1人でも入りやすい、明るく清潔感のある店舗

卓上の酢醤油も外せないアイテム。九州産醤油を使ったオリジナルで、チャーハンを半分ほど食べたところで加えるとガラリと味が変わり、最後まで食べ飽きない

また、「チャー王セット」に付いてくるスープは、鶏ガラをじっくり2日間煮込んだもので、ポタージュスープのように濃厚でとろみがついている。これがまたチャーハンとの相性が抜群。スープがセットで880円。実際、食べる前は「ちょっと高めだな……」と思っていたが、食べてみてのこの満足感、「その価値あり」という気持ちに変わった。さすが、多くのリピーターを抱え、連日150食を売り切るという人気商品だけのことはある。

「チャーハン王」のオーナーである株式会社SRD代表取締役・黒瀧将史さんは、飲食畑を渡り歩いてきた人ではない。リクルート出身で、企業再生支援を主とする戦略コンサルティング会社を経て起業。その知識をいかしながら、飲食業として全国チェーン展開できる可能性を持ったメニューを探していたときに着目したのがチャーハンだった。

もともと、福岡・天神の人気焼肉店「たんか」の経営者と付き合いがあり、そこで多くのお客が締めに注文するという名物チャーハンの存在を知る。黒瀧さん自身が食べてみてそのおいしさに驚き、「たんか」のチャーハンを売り物にした店を展開しようと決意した。

「これまでのチャーハンは、炒めごはんに具を混ぜた丼のようなもの。たくさんの油を使う事で、一見するとパラリと見える状態に仕上げ、米の味…というより具材の味がメイン。私の店のチャーハンは、米の味を味わってもらうようにつくっています」。

シンプルな分、素材にはこだわりを

非常にシンプルなチャーハンだが、そのこだわりには驚く。米は長野県産コシヒカリを使ったオリジナルのブレンド米。温かい状態でもほぐれて味付けしやすいように、洗米方法や浸水時間等も細かく規定する。味付けには、野菜類、そしてなんと黒毛和牛を合わせてペースト状にしたものを使っている。注文ごとにこのペーストと米、卵を一気に炒める。このペーストが米をコーティングしてくれるので、少量の油でも焦げにくく、パラッと仕上がるのだ。

超豪華具材が入っているわけでもなく、ごくごくシンプルなチャーハン。しかし、一口食べてみればそのおいしさに驚くだろう

ペーストには黒毛和牛の他に約10種類の素材を使い、3日間かけて福岡の「たんか」でつくったものを送ってもらっている。かまぼこ風の練り物は、福岡の老舗にわざわざ特注でつくってもらったものだ。シンプルな分、一つひとつの食材にこだわっている。そのため、原価はなんと約50%。常識外れとも思える原価率だが、その分メニュー数を絞り込んでロスを防ぎ、回転率を上げることでフォローしている。

卓上に置いてある酢醤油は、九州産醤油をベースにしたオリジナルブレンド。セットの鶏ガラスープは、チャーハンと一緒に食べた時に、塩分や旨みが最適になるように計算してつくられている。なるほど、一見濃厚なスープを飲んでもしつこくない理由がわかる。そのかいあって、お客の8割以上がスープ付きセットを注文。客単価アップにも一役買っている。

ちなみに、同店の立地は駅前とはいえ地下なので目立たない。なぜこの場所を選んだのかと聞いてみると、「実は、隣の店が大繁盛店。連日行列の人気店なので、その隣に出店すれば、多くの人の目に触れると考えました」。

オープンから半年の間、こだわりのチャーハンのおいしさを知ってもらうためにスタンダードなチャーハン1本でやってきて成功をおさめた。今後はより幅広い展開を考え、あんやスープでのアレンジも念頭に置いている。そのため1月半ばより、実験的に「黒毛和牛テールスープあんかけチャーハン」(880円)を夜限定でスタートした。あんかけには大きなテール肉の他、大葉とセロリが入っているのであっさりとしており、女性を中心に人気を集めているという。

1月より提供を開始した「黒毛和牛テールスープあんかけチャーハン」(880円)。こちらはチャーハンにオリジナルのペーストを使わず、その分あんに味を入れている。風味豊かな牛テールスープと、具材のセロリ、大葉がぴったり

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