マウスコンピューターが販売するビジネスパソコンブランド「MousePro」が、事業スタートから2周年を迎えた。2周年を機に作られたパンフレットの表紙には、「すべてのビジネスパソコンを『日本品質』へ。」というメッセージが書かれている。同社を率いる小松永門社長の「日本品質」を実現するための強い思い入れからだ。この「日本品質」ということばにはどのような思いが込められているのか。そして日本品質を持ったMouseProブランドは、どのようなブランドへと成長したのか。小松社長に訊いた。

マウスコンピューター 代表取締役社長 小松永門氏

他のメーカーPCとは異なる最新CPU、GPU搭載率の高さ

--2011年、「企業向けパソコンに進出する」としてスタートしたMouseProブランドですが、発売前に立てていた計画と、実際の事業では何か違いはありましたか?

小松:MouseProは、法人の中でも中小企業のお客様が安心して業務に利用できるパソコンを、という狙いで発売したものです。この2年間、ほぼその狙い通りの展開になっています。

MouseProというブランドの認知が広まっていくのと同時に、発売前に想定していた中小企業向け案件の数が順調に伸びています。それまで外資系メーカーのパソコンを使われていたお客様が、広告や記事でMouseProというブランドを知って、「国産製品なんだ!」ということで選択して頂くことも多いようです。

--国産製品であることと共に、MouseProにはどんな特長がありますか?

小松:元々のマウスコンピューターの強みである、リーズナブルな価格で、最新技術をいち早くお客様にお届けする、タイム・トゥ・マーケットであるという点が最大の特長となっています。コンシューマ向け製品の特長と違いはほとんどありません。

通常のメーカー製品のBTOと比較しても、売れ筋製品は特長的でしょうね。「とにかく安い製品が欲しいので、CPUはCeleronでも何でもいい」というお客様は少ないと思います。逆に、「CPUはCore i7、さらにグラフィックチップを搭載したものが欲しい」というお客様が多い。ディスクリートVGAやSSDの搭載率がかなり高いと思いますから。

--法人向けPCでも、ディスクリートVGAやSSD搭載を指名買いするユーザーが多いのですか? 何か特別な用途で使うということなのでしょうか?

小松:いえ、通常の業務用途、社内でメールのチェックをし、Webで何か調べるためにパソコンを使うことがメインというケースのお客様も多いようですよ。ただ、「購入後は3年から5年間は使い続けたい。そのために最新テクノロジーを搭載したものを購入しておきたい」と考えるお客様が多いようですね。

--売り上げの伸びはいかがですか?

小松:ビジネス自身も順調です。具体的な数字は申し上げられませんが、MouseProが当社のビジネスを牽引する存在になっています。

MouseProが同社ビジネスを牽引する存在に

当社が提供している、マウスコンピューター、G-Tune、MouseProの3ブランドの割合で見ても、2011年度と比較し、2012年度は7~8%の割合でMouseProの割合が高くなっています。

Webを通しての注文も好調ですし、ディストリビューターを通してのビジネスも伸びています。ディストリビューターとしてはダイワボウ情報システム、ソフトバンク、大塚商会、シネックスインフォテックと、大手ディストリビューターさんを主に、地場特定業界に強いSIer販売店といったところと取引をさせて頂いています。

ディストリビューター経由で様々なパートナーさんからお客様の元に製品が届くわけですが、我々が直接製品を提供するケースとパートナー様経由とでは役割が異なってくると思っています。

我々が直接製品をお届けするのは、例えば「キッティングを行った後で納入して欲しい」といった特別なスキームが必要な場合ですね。それに対してディストリビューターさん経由のものは、マスを広げるためという違いがあります。

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