【レポート】

Windows 7 SP2の提供は見送られる可能性が高い? - MicrosoftのライフサイクルポリシーとService Packの関係

阿久津良和  [2013/02/18]

欧米を中心にSurface Proがリリースされたものの、Surface RTと同じく日本での発売は未発表のまま。残念ながらこのまま日本市場は見送られてしまうのか不明だが、Microsoftのマイクロソフトプロダクトサポートライフサイクル検索で探してみると、「Surface with Windows RT」「Surface with Windows 8 Pro」のサポートフェーズが発表されている。

Surface with Windows RTは2013年1月24日を開始日とし、2017年4月11日にメインストリームサポートが終了。Surface with Windows 8 Proは2013年5月10日を開始日とし、2017年7月10日にメインストリームサポートが終了するという。なお、どちらも延長サポート終了日は対象外となっていた。気になるのはSurface with Windows RT/8 ProがOSを指すのか、コンピューター本体を指すのかという点。Windows 8のメインストリームサポート期間/延長サポート期間が設定されていることを踏まえれば、本体を指していると見るのが自然だろう。

このようにMicrosoftは自社製品に対してサポート期間を設けるライフサイクルポリシーを定めてきた。今週は、このライフサイクルポリシーに関して述べた「Springboard Series Blog」の記事を中心にレポートをお送りする。

Microsoftのライフサイクルポリシーとは

Microsoftでは、自社製品に対してサポートのライフサイクルポリシーを設けている。数多くの製品を公開している同社だからこそ、一定のルールに従ったサポート期間を設けないと、混乱を招いてしまうからだ。現行のOSであるWindows 8に対するライフサイクルポリシーは、2012年10月30日をライフサイクル開始日とし、メインストリームサポート終了日は今から5年後の2018年01月9日。延長サポート終了日は10年後の2023年1月10日となる。

このように発売日前後をライフサイクル開始日と決め、6年後をメインストリームサポート終了日、11年後を延長サポート終了日と決めているが、製品によって各期間はさまざまだ。Windows XPは2001年12月31日スタートながらも、延長サポート終了日は2014年4月8日と12年間を超える。

そもそも従来のサポートフェーズは、コンシューマ向けエディションのメインストリームサポートしか提供せず、次期製品リリースから2年後までと定め、ビジネスや開発向けのエディションは、さらに延長サポートフェーズ(メインストリームサポートフェーズ終了後5年間)を提供する仕組みを採用していた。

だが、多くのユーザーが使用していたWindows XP Home Editonのサポート終了は、ぜい弱性を抱えたOSを放置することになるため、2007年にサポート期間の延長を発表。市場の混乱を未然に防いでいる。現在ではコンシューマとビジネス製品の区別をなくし、Windows 8の各エディションは同じフェーズを使用している(図01)。

図01 日本マイクロソフトが発表した「Windows XP Home Editionのサポート提供期間を2014年4月まで延長」のプレスリリース

ここでサポートフェーズの差異を説明しておこう。メインストリームサポートは、セキュリティ更新プログラムの提供や各種サポート、新機能のリクエストなどすべての対応が行われる。一方の延長サポートはセキュリティ更新プログラムの提供と有償サポートに制限され、修正プログラムの新規リクエストも有償の延長修正プログラムサポートを契約しなければならない。

また、同製品にService Packがリリースされると、その一つ前にリリースされたService Packは24カ月のサポート期間が提供されるが、同製品のライフサイクルサポート終了日の遅い方が選択される仕組みだ。例えばWindows 7 Service Pack 1は2011年2月22日がサポートフェーズ開始日となるため、2013年2月22日が終了日となる。だが、Windows 7のメインストリーム終了日は2015年1月13日なので、Windows 7 Service Pack 1の終了日は2015年1月13日となるのだ(図02)。

図02 サポートフェーズごとの提供内容

このように少々複雑に見えるサポートライフサイクルポリシーだが、Microsoftの公式ブログの一つ「Springboard Series Blog」では、Windows 7のライフサイクルポリシーに関する記事が2月14日(現地時間)に掲載された。

WindowsコマーシャルチームのシニアプロダクトマネージャーであるStephen L Rose(スティーブン・L・ローズ)氏は「Windows 7 RTM(Release To Manufacturing version:製造工程版)版のメインストリームサポートが2013年4月9日で終了するが、メインストリームサポートは2015年1月13日まで続き、延長サポートは2020年1月14日まで継続するので安心してほしい」と述べている。また、同氏はWindows 7 Service Pack 1の適用を推奨し、ダウンロードリンクインストール方法を解説するページを紹介していた。

確かにいまだWindows 8へ移行せず、このままWindows 7を使い続けようとしている方も少なくないだろう。前述のとおりメインストリームサポートは2015年1月13日とあと2年間も残されている。ただし、この間にWindows 7 Service Pack 2が提供される可能性はあまり高くない。例えばソフトウェア開発環境であるVisual Studio 2012は、過去のService Pack形式による更新を取りやめ、四半期ごとに機能強化を行う形式に変更している。同製品は2012年9月12日にリリースされているが、同更新プログラム1は2012年11月15日にリリースされたばかりだ。

その一方でService Packの提供は動作検証にかなりの時間を要し、Microsoftの負担も大きい。そのため同社は、過去の製品に固執するよりも新製品への移行をうながす方向に舵を切っている。次期OSの開発遅延によりWindows XPが同社の予想以上に延命してしまった反省から、このような方向を選択したのだろう。以前のレポート記事でも述べた「Windows Blue」という信憑性の高い噂も裏付けているように、Windows 7 Service Pack 2は提供されないと見るのが自然だ。現在Windows 7をお使いのユーザーはこれらのことを鑑みつつ、Windows 8や異なるOSへの移行予定を組んでほしい。

阿久津良和(Cactus

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