日本アイ・ビー・エム株式会社 システム製品事業 PureSystems事業部 事業推進 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト 柴田直樹氏

3日間にわたって開催される「マイナビニュース仮想化セミナー」では、【Day 2】でIBMのエバンジェリストである柴田直樹氏が登壇する。仮想化環境の構築・移行の際、"その先"を考えた時に重要になってくるのはハードウェア基盤である。テクノロジーのトレンドの移り変わりが いっそう激しくなるIT業界において、同社は「今後10年先の仮想化基盤」をテーマにした注目すべき取り組みを行っている。

「IBM Flex System」が評価される理由

日本IBMは2012年4月、次世代の仮想化基盤を支えるブレード・サーバ「IBM Flex System」を発表した。「市場では現在、データセンター全体を仮想化する"次世代仮想化"への関心が高まっている。IBM Flex Systemは、当社がこれまで培ってきた技術やノウハウを生かし、"今後10年先の仮想化基盤"まで想定して設計した。この点が多くのお客様から好評をいただいている」と、システム製品事業・PureSystems事業部・事業推進・システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの柴田直樹氏は確かな手応えを感じている。

仮想化の流れが加速する一方、「現在提供されているPCサーバの多くは数年来続いている基本設計であり、次世代仮想化基盤として今後5~10年耐えうるシステムとするためには、あらたなサーバテクノロジーが必須」(柴田氏)という。そこで同社は、現状の仮想化環境ではいずれ限界がくると推測。ユーザー企業が今後直面する課題を見越して、「IBM Flex System」の開発に至った。

「"次世代仮想化"には、ソフトウェアやクラウドスタックなどで、検討しなければならない項目が数多い。当然、これらを支える仮想化基盤への要求事項も厳しくなる。そこで当社はブレード・サーバの設計を抜本的に見直し、"次世代仮想化"への対応を前提としたIBM Flex Systemを完成させた」(柴田氏)

ITコストの可視化サービスで顧客企業を全面的に支援

また、ハードウェアの提供に加えて、ユーザー企業のITコスト削減を支援する取り組みも以前より行っている。所定のヒアリングシートに現在の状況を入力するだけで、報告書が作成されるIT投資の効果を数値化して報告書を提供するサービスを以前より展開している。

具体的には、「現在のIT環境で仮想化したケース」や「IBM Flex Systemで仮想化したケース」などのITコストを試算。「ハードウェア購入費用」「保守・電力コスト」「運用コスト」「減価償却時期」などの項目をもとにTCOを比較する。初期投資にかかるイニシャルコストや数年先のランニングコストがグラフで示されるので、中長期的なシミュレーションがひと目で確認できる。

「"従来のラックマウント型サーバに比べて、ブレード・サーバはコストがかかる"というイメージを抱くお客様は少なくない。しかし、IBM Flex Systemが持つ数多くの特徴は数年運用していく中で確実にTCOを削減と高可用性の維持をご提供できる。可視化サービスによる分析結果をもとに、次世代仮想化基盤を導入する際の判断材料にしていただきたい」(柴田氏)

3社協業でWindows環境に最適な仮想化基盤を提案

さらに、Windows Server 2012によるクラウド・ソリューション「IBM Hyper-V Flex Cloud」も提供している。これは、IBM Flex SystemとWindows Server 2012 Datacenter エディションのIBM版を組み合わせたソリューションで、マイクロソフトのシステム運用管理ソフト「System Center」と、ハードウェアの監視機能を統合する「IBM Upward Integration Module for System Center」を備えている。

「IBM Hyper-V Flex Cloudは、IBMのハードウェアを監視できるモジュールとSystem Centerをセットにして提供している。この組み合わせによって、シングルインタフェースのSystem Centerから、クラウドの管理や物理サーバの監視まですべて実行できる。System Centerを普段から使い慣れている管理者様にとって、大きな味方となるはず」と柴田氏の期待は高い。

また、同社は今回、Windowsソリューションに精通したCSK Winテクノロジを強力なビジネスパートナーとして迎えた。これにより、Windows環境の仮想化環境を導入するユーザー企業を強力にバックアップする体制が整った。「System Centerのノウハウは日本マイクロソフト、お客様のIT環境に合わせたSIが必要な場合はCSK Winテクノロジ、これらを支える基盤としてハードウェアを提供する日本IBMというように、3社によるシナジー効果を期待できる点がIBM Hyper-V Flex Cloudの持つ最大の強み」と柴田氏は説明する。

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このように日本IBMは現在、「今後10年先の仮想化基盤」に照準を合わせた取り組みを展開している。同社が提供する次世代のテクノロジーやソリューションの詳細、次世代仮想化基盤の導入による具体的なITコストの削減効果などについては、2月8日に開催されるマイナビニュース仮想化セミナー『次世代仮想化基盤に必須な「再考要素」とは? ~今後10年耐えうる 仮想化基盤構築に重要な3つの要素~』で詳しく紹介される予定だ。他社に先がけて、いち早く次世代仮想化基盤を市場へ投入した同社のノウハウは、Windows環境での仮想化環境を検討するユーザー企業にとって、大きなヒントとなることだろう。