説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。初回は「プッシュ通知には危険はないのか?」です。
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iPhoneにアプリをインストールすると、初めて起動したとき「"×××"はあなたにプッシュ通知を送信します。よろしいですか?」と質問されることがあります。なんとなく「OK」ボタンをタップする、必要なさそうだからとりあえず「許可しない」をタップする、アプリ提供企業が信用できそうなときだけ「OK」ボタンをタップする……人それぞれだと思いますが、プッシュ通知の基本的なしくみを知れば、どのように対処すればいいかわかります。
プッシュ通知はインターネット経由で行われ、モバイル回線(3G/LTE)と無線LANどちらでも、インターネットに接続されてさえいればほぼ一瞬でiPhoneに届きます。アプリを削除すれば、そのアプリからのプッシュ通知は届かなくなります。どのような情報が通知されるかは、アプリによってさまざまですが、アプリ開発元が知らせたい情報、たとえば新機能や新規コンテンツの追加といった情報が、ほぼリアルタイムにわかります。不要と感じた場合には、アプリを削除するか、『設定』→「通知」の画面でアプリごとのプッシュ通知設定を変更すれば、届かなくなります。
プッシュ通知の送信を許可すると、iPhoneから「トークン」と呼ばれる目印がAppleのサーバへ送信されます。トークンは一時作成される暗号の一種で、他のiPhoneとは重複しないため、その意味では個人情報といえますが、そのアプリを削除したあとにインストールしなおせば違う内容で再作成されます。
トークンはアプリの開発者に渡され、開発者はそのトークンを目印に数種類のスタイル(ダイアログ、バッジなど)でなんらかの情報を各iPhone宛にプッシュ通知しますが、開発者は事前にAppleから証明書を受け取らねばならないうえ、トークンは暗号化されたうえで送信されるので安全は保たれます。Appleという企業を信頼するかぎり、トークンが不正使用されるとは考えにくい、すなわち迷惑行為に巻き込まれる可能性は低いといえます。それに、自分の住所氏名や電話番号がアプリ開発者に知らされることはなく、トークンにそれらの情報が含まれることもないため、あまり神経質になる必要はないでしょう。