【レビュー】

人気の理由は端末価格? Googleのリファレンス機「Nexus 4」を試す(後編)

Yoichi Yamashita  [2013/01/17]

Nexus 4は4.5-4.7インチクラスの最新Andoridスマートフォンとしては飛び抜けた性能ではないし、Nexus 4ならではの機能もない。Nexusを冠するスマートフォンなのに、Androidスマートフォンのフラッグシップ端末という感じが薄い。それでも売れているのは安いからだ。その価格で、Googleは2013年のスマートフォン市場に変化をもたらそうとしている。

Nexus 4

人気の理由は端末価格? Googleのリファレンス機「Nexus 4」を試す


・前編はこちら「http://news.mynavi.jp/articles/2013/01/16/nexus4_01/

昨年の米国での年末商戦で最も売れ行き好調だったスマートフォンがAppleの「iPhone 5」なら、最も入手困難だったスマートフォンはGoogleの「Nexus 4」だった。Google Playでの受注開始とともに販売ページの動作が不安定になり、落ち着いたころには初回出荷分の販売終了。再入荷分の発売時も同じように販売ページが機能せず、安定し始めたころには「出荷は8週間後」とクリスマス前に間に合わない状態だった。品薄は相変わらずで、米Google Playでは今(1月13日時点)も8GBモデル・16GBモデルともに「在庫切れ」が続いている。

米Google Playでは発売からずっと「完売」状態が続く。内部パーツに手を加えたアップグレード版投入のためにオリジナル版の製造が終了したという噂も……

前編で書いたように、Nexus 4は4.5-4.7インチクラスの最新Andoridスマートフォンとしては飛び抜けた性能ではないし、Nexus 4ならではの機能もない。最近の最新Androidスマートフォンの看板機能であるLTEもサポートしていない。Nexusを冠するAndroidスマートフォンなのに、ないないづくしである。

それでもNexus 4が注目されている理由は価格である。8GBモデルが299ドル、16GBモデルが349ドルだ。SIMロックフリーの最新世代のAndroidスマートフォンとしては非常に安い。

Android 4.2.1で動作するの最新のAndroidスマートフォンを299ドルで入手できるNexus 4

ちなみにNexus 4のベースであるLG Oprimus Gの米AT&Tでの価格はサービス契約の縛りなしで549.99ドル、2年間のサービス契約で199.99ドルである。本体価格と割引価格に3倍近い差があるからこそ消費者は2年契約に踏み切る。サービス契約でユーザーを縛りたい米通信キャリア・トップ2 (Verizon、AT&T)にとって、高性能で安いSIMロックフリー端末のNexus 4は邪魔な存在だ。だから、Nexus 4のLTE対応が実現しなかったとも指摘されている。米国においてGoogleの直販以外でNexus 4を扱っているのは米携帯4位のT-Mobile USAである。同社は今年2013年にLTEの商用サービスの展開に乗り出す。トップ2に挑む立場だから、同じ立場のNexus 4を受け入れたのだろう。

さて、Nexus 4の品切れが続いている理由だが、英GoogleのDan Cobley氏がGoogle+において12月15日に、製造業者からの不安定な供給が原因であることを明かした。筆者のNexus 4に問題はなかったが、ユーザーフォーラムなどを見ると初期不良の報告も多い。原因は不明だが、製造にトラブルを抱え、それを解決しきれていないようだ。

GoogleはNexus 4の販売台数を公表していないが、XDA DeveloperのフォーラムでIMEIの情報を集めて製造台数を推測する試みが行われており、1月11日時点で51万3000を超える番号が確認されている。「意外に少ない」という声もあるが、米国でSIMロックフリー向けの通信サービスが充実していないことや、供給トラブルが長期化していることを考えると好調な売れ行きと言えるのではないだろうか。

GoogleがNexus製品を提供する最大の理由は開発者のサポートである。同時にNexus 4では、米大手通信キャリアに挑戦状を叩きつけた形になった。299ドルでNexus 4を入手して「この価格なら、気軽に最新製品にアップグレードできる」と思ったユーザーは多いはずだ。ユーザーが2年間のサービス契約に縛られて端末をアップグレードしにくいというのは、今日のモバイルプラットフォームの変化のスピードからすると長すぎる。サービス契約に縛られないハードウエアの普及は、GoogleやAppleなどプラットフォームベンダーの宿願と言える。

米国では今年、T-MobileがiPhoneの取り扱いを開始する。米大手携帯キャリアの中で最後発となった同社は、2年間のサービス契約に端末の割り引き分を組み込むのではなく、端末をユーザーに販売する形式に軸足を移す。詳細はまだ不明だが、端末の買い換えを行いやすい柔軟さと、比較的安価な通信サービスをアピールして、LTEサービスで先行するAT&TやVerizonを追いかける模様だ。現在、米国でSIMロックフリーのiPhone 5は16GBモデルが649ドル (AT&TやVerizonで2年間のサービス契約で購入すると199ドル)。柔軟かつトータルで割安であっても、この値札のままで消費者に納得してもらうのは容易ではない。しかしながら、今年の展望を語るT-Mobile USAのJohn Legere氏(CEO)の口ぶりは自信に満ちていた。なにか秘策があるのかもしれない。299ドルのNexusスマートフォンの登場、そして廉価版iPhone開発の噂と、今年スマートフォンがより自由で手頃なものに変わりそうな雰囲気が漂い始めている。

(記事提供: AndroWire編集部)

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