【レビュー】

60日間使い倒し! 東プレのタイプライター風キーボード「REALFORCE108UG-HiPro」はクセになる打ち心地

1 高級キーボード「REALFORCE」のハイエンドモデル

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東プレが2012年9月12日に発売した、タイプライター風のキートップを採用したキーボード、「REALFORCE108UG-HiPro」。"プロフェッショナル仕様のキートップ"を載せたという本機は、同社のキーボード「REALFORCE」シリーズの中でもハイエンドに位置付けられる。今回はこの「REALFORCE108UG-HiPro」を、10月末から12月いっぱいまでの約60日間にわたって使い倒してみた。

先に結論を言ってしまうと、本機は一般的なメカニカルキーボードだけでなく、無接点静電容量方式を採用した本機以外の「REALFORCE」シリーズと比べても、使い心地がかなり異なり、多分に"慣れ"が必要だと感じられた。

ただし、一旦慣れてしまうと、このタイプライター風の独特の段差が、非常に打ちやすい。量販店での実勢価格が27,800円前後と高価な部類のキーボードではあるが、こだわりのキーボードを探しているユーザーには本当にオススメしたい逸品といえる。

REALFORCE108UG-HiPro

天面が凹んだキートップとキーの高さが特徴的

まずは本機の外観と配列をみてみよう。108キー配列の日本語キーボードで、接続はUSB。キーの配置や大きさは同社の日本語108配列キーボード「Realforce108」と同等で、Spaceキーは小さく、Enterキーは大きく取られている。特別なキー配置はなく、いずれも押しにくいと感じるサイズのキーはない。Spaceキーが短い分、同列にある変換キーやKanaキー、Altキーがわずかに広く取られている。

本体カラーは黒でキーはグレー。キートップには昇華印刷でアルファベットのみが印字され、カナ刻印や前面印字はない。印字はダークグレーだが視認性は良好だ。カラーバリエーションはない。

キートップの質感は他の「REALFORCE」シリーズと同等で、わずかにざらつき滑りにくくなっている。キー荷重は45g(±15g)で均一、キーストロークは4mmで、これも同シリーズでは標準的だ。静電容量無接点方式の打鍵感は非常に軽く、"打ち込む"というより、キーに指を乗せる感覚で入力できる。

本体サイズはW456×D169×H39mmと、一般的なフルキーボードとほぼ同等(例えば同社の「Realforce108」はW455×D168.5×H39.6mm)。重量は約1.5kgで、こちらもフルキーボードとしては標準的。自重により打鍵が強くとも本体が揺れず、打ちやすさに一役買っている。

キー配列はフルキーボードとして標準的だ

黒の本体にグレーのキー、キートップは黒に近いダークグレーの昇華印刷がされている。キートップは一般的なフルキーボードより深く沈み、凹みのある形状となっている(詳細は後述)

さて、そんな本機の大きな特徴のひとつが、電子式タイプライターをイメージしたというキートップの形状だ。キー天面に深めの湾曲を付け、指で弾くように打鍵するタイプライターの打ち心地に近づけたという。

また、キーの高さも、メインキー(アルファベット列)部分を高く、CtrlキーやSpaceキーなど手前側のキー列とファンクションキーなど奥側のキー列を低く配置している。そして、高く取られている数字キー列とアルファベットキー列の4列の中でも、最奥部の数字キー列は最も高く、中央部が低く、手前側がわずかに高いというすり鉢型に近い形状だ。

同社の英語配列101キーボード「Realforce101 ML0100」との比較写真。キーボード自体の高さはほぼ同等だが、キーの高さが異なっている。「Realforce101 ML0100」はキーボードの傾きに対してキートップの高さが均一なのに対し、本機は数字キー列からメインキーまでがすり鉢状の傾斜があるほか、最奥列と最手前列は低くとられている

前面からみたところ。Ctrlキーなどを備えた最手前列のキーは、そのひとつ奥の列と比べ約半分程度の低さ

キーボード側面とキー部分。キートップは凹んでおり、指先のふくらみに馴染む印象。後述するが、天面の面積が少ないため打ち間違いもしにくい

60日間使ってみた - 指のふくらみにフィットする新鮮な感覚!

一見普通のフルキーボードだが、キー形状やキー列の高さに工夫が凝らされている本機。その実際の使い勝手はどうだろうか。

ファースト・インプレッションは、静電容量無接点方式による打ち心地は「REALFORCE」シリーズの他モデルと同等。だが、全体的な使い勝手は非常にクセがある、という印象だ。ただし、長期間使っていると他のキーボードが使いにくく感じられるほど手に馴染む。

まず、特徴のひとつである"湾曲したキー天面"。キー天面の湾曲は四隅から中央に向かって深く沈み込んでおり、湾曲具合はキーによって異なっている。asdfg…といった、キーボード中央キー列の天面が最も湾曲しており、他のキーはそれに比べると若干浅い。これが指のふくらみにフィットする新鮮な感覚で、最初は違和感があるが、慣れてくると心地よく感じられる。

また、キー天面はエッジ部が丸みを帯びている。中央の幅広の部分は1.4mmだが(下の写真参照)、最も短い部分は1.2mm。これにより、キーピッチは実測で1.9mmと、一般的なキーボードのピッチと同等ながら、他機種に比べ隣のキーとの距離が広く感じられ、タイプミスしにくい仕様となっている。また、爪も引っかかりにくいため、爪の長い女性にも打ちやすいと感じてもらえるだろう。

キーピッチは実測で約1.9mm程度と標準的

キー天面の最も長い部分は実測で約1.4mmと標準的だが、短い部分では実測1.2mm。このため、隣のキーとのスペースが広く、誤って隣合う2キーを同時に押すようなことは少なく感じられた

キーの高さも非常に特徴的だ。天面の湾曲に加え、これも「タイプライターの使用感に近づけた」部分と思われるが、メインキー奥の数字列からzxcv…といったメインキー手前列まで、緩く傾斜が付けられている。

最奥列にある数字キーは、通常のキーボードより高く作られている上、キーの形状も奥側が高くなっている。このため、特にEscキーやBackSpaceキーが押しやすい。ホームポジションから指を伸ばした際に、ちょうど傾きの部分に指が引っかかるような感覚で、非常に打ちやすく感じた。

一方、Ctrlキーなど最手前列は一段低く作られており、2カ月使ってみても少し違和感が残った。ただし高さのあるメインキーの打ちやすさや、SpaceキーやKanaキーなどを誤って押す頻度の少なさを考えると、仕方のない部分かとも思う。押しにくいわけではないが、通常の高さよりも低いため、意識して押す必要がある。

同社の英語配列101キーボード「Realforce101 ML0100」とのキー形状の比較写真。天面が凹んでおり、天面の輪郭は外側に向かって膨らんでいる

高さは大きく異る。写真左側が「Realforce101 ML0100」のShiftキーとCtrlキー、右側が本機のShiftキーとCtrlキー。本機はShiftキー列が高く、Ctrlキー列が低い

asdf…などの中央列のキーの比較。写真左が「Realforce101 ML0100」のaキー、写真右側が本機のaキー

こちらは数字キー列の比較。本機の数字キーは全体が高い上、キートップの奥から手前にかけて強く傾斜がある

奥側から中央にかけて強く傾斜し、中央から手前側はなだらかに盛り上がっている。ファンクションキー列およびCtrlキー列は、隣合う列と比べ半分~2/3程度の高さ

このほか、同じく低く作られているファンクションキー列は、最も高くなっている数字キー列を文字通り一山越えて押さなければならない。これが、ホームポジションからはかなり"遠く"に感じられる。そのため、ファンクションキーを多用するユーザーは使いにくさを感じるかもしれない。ただし、筆者はファンクションキーを頻繁には使用しないため、個人的に影響は少なかった。

また、細かい点ではあるが、アルファベットの「F」キーと「J」キーのキートップに、ホームポジションを示す小さな突起が設けられていない点は、ホームポジションを目視する必要があるため地味に残念だった。

まとめると、特殊なキー高・傾斜は、最初こそ違和感があったものの、慣れてくると非常に使いやすい。これに加え、「特殊なキーボードを使っている」という高い自己満足感も特筆したい点だ。

最初に書いた通りだが、全体的な使い勝手は非常にクセがあるものの、打ち心地を犠牲にせず、人と違ったこだわりのキーボードを探しているユーザーには非常におすすめだ。

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目次
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(2) 2013年スタート! 大掃除し忘れたキーボードを掃除して心機一転
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