三重県鈴鹿市にあるサンドイッチ専門店・カフェ「鞍馬サンド」の人気メニュー、「納豆コーヒーゼリーサンド」をご存じだろうか。納豆とコーヒーゼリー、生クリームをパンに挟んだサンドイッチで、同店の人気メニューの1つだ。開発の経緯などを代表取締役の鈴村光司さんにうかがった。

「納豆コーヒーゼリーサンド」

開発当初は「あまりおいしくなかった」

納豆コーヒーゼリーサンドは、先代オーナーが偶然に開発したものだという。「ある日、家でサンドイッチの新メニューを考えていて冷蔵庫を開けたら、たまたま納豆のパックが転がり落ちてきた。さらに冷蔵庫にコーヒーゼリーもあったので、この2つをパンに挟んだらどうなんだろうと作ってみたようです」。こうして、平成9年夏に「納豆コーヒーゼリーサンド」は販売された。だが、人気商品への道のりは順風満帆ではなかったという。

「当初の納豆コーヒーゼリーサンドは私も食べましたが、正直あまりおいしくありませんでした。おそらく先代はネタで作ってみたのではないかと……。全然売れなくて販売を止めようかとも思ったのですが、一度世の中に出したものなのだからなんとか存続させようと思い、販売から4年後、私が素材や混ぜる割合を見なおして改良を加えました」と語る。「改良によりおいしくなったのですか? 」という質問に対しては、「"食べ物に近くなった"と私としては思っています」と謙虚な回答だった。

その後、テレビや雑誌、インターネットなどで紹介されて年々認知度が上がり、今では同店の人気メニューベスト3に入る定番商品となった。おいしいと言うお客さんも増えたそうだが、「私自身はそんなにおいしい、珍しい、といわれるのがちょっとピンと来ないんです。喜んでいただけるのはありがたいですが……」とここでもやや戸惑いがちな回答だった。

あくなき挑戦

同店のサンドイッチへのこだわりについては、「日本人が食べておいしいと思えるサンドイッチを作ること。そのため、和の総菜を使ったメニューが多いです」と語る。さらに、「パンに挟めるものは何でも挟んでみよう、というのがポリシーです。これまで、納豆コーヒーゼリーサンドの他にもいろいろなサンドイッチを開発して販売してきました。カステラ、サンマ、伊勢エビ、アワビ、カツオのたたきも試しました」

サンマサンドは調理したサンマに加えてご飯も一緒にパンにサンドしたというから驚きだ。カツオのたたきは「生臭い」と言われて2週間で販売は止めたとのことだが、そのチャレンジ精神には恐れ入る。

納豆コーヒーゼリーサンドは325円。東京・代々木にも出店したことがあるが、現在は閉店しており鈴鹿店のみだという。