ドワンゴは20日、記者発表会を開催し、niconico内で展開している有料メルマガサービス「ブロマガ」に広告課金モデルを追加したこと、および2013年1月よりniconicoユーザーへの利用を開放することを発表した。

ドワンゴ会長・川上氏(右)と、ドワンゴ取締役・夏野氏が登壇した

また、あわせてニコニコニュースのポリシー宣言を発表し、「ニコニコニュースはジャーナリズムではない」という立ち位置を改めて明確にした。総選挙直前にニコニコ生放送で行われた党首討論会を見て、niconicoが政治の世界においても大きな存在感を放つメディアになっていると感じた人は多いだろう。

事実、niconicoは2009年9月に行われた岡田外務大臣(当時)の記者会見をニコニコ生放送で中継して以来、オバマ大統領来日演説や事業仕分け、衆議院国会、小沢一郎ネット会見など、政治の世界に積極的に進出し、現在ではメディアの一つとして政治家にも認識されるまでになっている。先日、民主党議員がニコニコ動画について「偏向したサイト」と発言したことで話題になったが、裏を返せばそう認識される程度の知名度は獲得しているということでもある。

しかし、記者発表会に登壇したドワンゴ川上会長は、「niconicoはジャーナリズムではない」と宣言し、あくまでも「新しいメディアとして発信者を支援する情報プラットフォーム」であると述べる。

それにともない「報道部」を廃止、代わって「ニュースプラットフォーム部」を新設し、現在niconico内で運営しているニュースメディア「ニコニコニュース」のポリシーを下記のように定めると発表した。

1.ニコニコニュースは、ネットを使って情報を発信する個人、メディアなどを、平等にサポートします。具体的には、動画配信、生放送、ブログ、メールなどさまざまなツールで支援します。
2.ニコニコニュースは基本的に、これらの個人、メディアなどによって発信された情報でニュースを構成し、ユーザーの皆さんと情報を共有します。原則として、ニコニコニュース独自のニュース制作・発信は行いません。
3.ニコニコニュースは、マスメディアがその時点で取り上げないニュースについては、例外として独自に情報発信を行うことがあります。
4.ニコニコニュースは、中継、会見などの生放送では一切編集を行わず、全てをありのままに伝え、全ての情報をネットユーザーの皆さんと共有します。
5.ニコニコニュースは、ネットユーザーを対象に時事問題などに関するアンケート「ネット世論調査」を定期的に行い、ネット世論の動向を調査報道します。

この中で注目すべきは、「ニコニコニュース独自のニュース制作・発信は行わないが、マスメディアがその時点で取り上げないニュースについては、例外として独自に情報発信を行うことがある」と、「中継、会見などの生放送では一切編集を行わず、全てをありのままに伝える」という点だ。

これまでにニコニコニュースでは、他媒体からのニュース配信に加え、独自にニュース制作・発信を行ってきていた。しかし、それらはあくまでも「ネットでは重要でも、一般メディアでは扱われないこと」であり、もし一般メディアで扱われるようになったら、その時点でニコニコニュース独自の報道はとりやめるのだという。

また、無編集で流し続ける中継番組については、「何か特別な出来事でもないと実はそれほど人気のある放送ではない」としながらも、そうした無編集の一次情報をアーカイブとして保存しておくこと自体に意味があるとし、今後も続けていくことを明言した。しかし、一方で、情報発信のプラットフォームとしてのniconicoは今後もさらに拡大を続けていくようだ。……続きを読む