日本チームが大活躍した第2回開催となる「BIOMOD 2012」

東北大学のTeam Sendaiが総合優勝、東京工業大学のTITECH NANO JUGGLERSが総合3位を獲得した、今年で2回目となる学部生が対象の国際生体分子デザインコンペティション「BIOMOD 2012」。本大会は11月3日・4日に米ボストンのハーバード大学にて開催され、結果は速報でお伝えした通りだ)。そして、11月22日に東京工業大学 田町キャンパスにて、その「成果報告会」が開催された。その模様をお届けする(画像1)。

報告会には、BIOMOD2012に出場した6チームの内、諸事情により参加できなかった関西大学(Team Kansai)を除く5チーム(Team Sendai、TITECH NANO JUGGLERS、東京大学・柏のTeam UT-Kasei Runners、東大・本郷のTeam UT-Hongo、東大の駒場のTeam UT-Komaba)が参加。

各チームの代表を務めた学生により、日本語による解説(中間発表の日本大会の様子はこちら、オンライン発表のウィキペディアなどはすべて英語のみ)が行われ、感想や来年に向けての抱負、来年のチーム参加者に向けての言葉などが語られた。

画像1。BIOMOD 2012の成果報告会の様子。最初は、各チームによる日本語での解説が行われ、最後は全チーム一緒に質疑応答となった

ちなみにBIOMODの本大会までの流れだが、4月に大会登録が行われ、5~8月に各チームがアイディア出し、学習、予備実験を実施。そして日本では、9月9日に中間発表として国内大会が行われた。そこでメンターからもらったコメントをフィードバックさせ、9~10月に計画の立て直し、実験、紹介用の動画を含めたウィキペディアへの投稿(英語でウィキペディアに概要を掲載し、それも評価対象となる)、本大会でのプレゼンテーションの準備を実施。そして11月3日に本大会として世界7カ国から19チームが集結し、各チームがプレゼンテーションを行い(画像2)、翌4日に結果発表となった。その結果、日本チームは前述したように総合優勝と総合3位のほか、多数の賞を獲得したのである。

画像2。BIOMOD 2012の全参加による集合写真

評価は、主にウィキペディアへの概要の投稿とYouTubeにアップする紹介動画というオンラインでの発表と、そして本大会でのプレゼンテーションにて行われる。評価は、新しい発想、実施状況、発表のわかりやすさなどを、定量的に総合的に点数化して行う仕組みだ。

各項目別では、ウィキペディアの場合、どのようなアイディアか、どのような目標を設定したのかということ、そして実験して(実験の内容も客観的にきちんと書く必要がある)どれぐらい達成できたのかを英語で記述する。点数配分は50点だ。

YouTubeの動画は3分ほどで、どれぐらいインパクトがあるか、どれぐらい内容が明確か、そして動画自体の映像や音声といったクオリティも問われる。こちらは25点。

最後のプレゼンテーションは、スライドの内容や、話し方(聴衆の方を見て話しているか、身振り手振り交えてわかりやすく説明しているかなど)、そしてインパクトがあるかどうかという具合だ。こちらも点数は25点。

以上の3項目がすべて満点だと100点になる計算で、総合得点の最も高いチームが総合優勝(グランドプライズ)に輝き、各部門の最高得点のチームにはベストWiki賞、ベストYouTube賞、ベストプレゼンテーション賞の部門賞が贈られるという構成だ。

そのほか、今年から導入された観客の投票により決定する観客賞(参加している学生1人1人が1票を持つ)、そして昨年に引き続き日本でBIOMODを支援している計測自動制御学会システム・情報部門調査研究会 分子ロボティクス研究会による「分子ロボティクス研究会賞」(審査員投票により決定)がある。そのほか、クオリティの面で3段階の基準を満たした満たしたチームには、金、銀、銅のいずれかの賞が行われる形だ。

なお分子ロボティクス賞は、「分子ロボティクスの実現に向け顕著な貢献をしたBIOMODプロジェクト」に授与される形で、つまりは「最もロボットっぽい分子をデザインしたチーム」が得られる。今年は全チームが受賞対象となり、審査員全員の投票により決定された。