ドワンゴは6日、記者発表会を開催し「ニコニコ超会議2」の詳細を発表。任天堂が特別協賛するほか、経済産業省が後援、ローソンやヤフーなど多数の企業が協賛することが明らかとなった。

ドワンゴ会長・川上氏

「ニコニコ超会議」とは、今年4月に「ニコニコ動画のほとんどすべてを地上に再現する」をコンセプトに掲げ、幕張メッセにて開催されたニコニコ動画の一大イベントである。約9万2千人を集客するなど数字の上では大成功を収めたが、イベント開催による赤字額は4億7千万円に膨れ上がるなど課題も残った。

その後、ドワンゴは「来年はやらない」との宣言を撤回し、「ニコニコ超会議2」を2013年の同時期に開催することを発表。しかし、同じように開催したのでは再び巨額の赤字を出してしまうため、公式にスポンサー企業を募るとしていた。

今回の発表会では、協賛・出展・後援などを行う24の企業・団体が発表になった他、ドワンゴ会長の川上氏と取締役の夏野氏、及び各企画の担当者が登壇してニコニコ超会議2の現時点での詳細が明らかになった。

まず発表会冒頭で流れたムービーの中では、スポンサーとして名乗りを上げた企業の中から、ローソンとヤフーの担当者がコメント。前回のニコニコ超会議を見たというローソン担当者は、「こんなに人がくるんだなと思いました。すごく躍動感が伝わってきたし、若い女性も多いと感じた」と述べ、ヤフー担当者は「ネット発の文化をきちんと作っているのがニコ動。『爆速』のヤフーが一枚噛まない手はない」と協賛理由について語った。

さらに、経済産業省が「ニコニコ超会議2」を後援することも発表となり、ムービーに出演した担当者は「日本の文化を海外に出していくことを考えたとき、主張する観客、主張するユーザーというコンセプトは非常に面白い」とニコニコ動画を高く評価した。また、ムービーの最後には特別協賛企業として任天堂が参加することが発表され、会場とニコ生視聴者からは驚きの声が上がった。

任天堂 岩田社長

スペシャルゲストとして登壇した任天堂岩田社長は、「昨年からインターネット中継を使ってお客様に直接メッセージを届けることを行うようになり、ニンテンドーダイレクトなどをニコ生で中継しています。特別協賛は、日頃からご覧いただいているニコ生視聴者の皆さんへの感謝の気持ちであり、ニコニコユーザーの遊び場である超会議の発展にお役に立てればと思っています」とあいさつ。さらに「超会議を任天堂色に染めようなどとは思っていません。皆さんのやりたいようにやっていただくのがニコニコだと思っています」とコメントすると、会場からは大きな拍手が沸き起こっていた。

その他の協賛企業を含めた全社リストは以下の通りとなる。

【特別協賛】
任天堂

【協賛】
カラオケの鉄人、シルバースタージャパン、ローソン

【出展】
アニプレックス、あるあるCity、SBS ARTECH Co,. Ltd.、大塚食品、角川グループ、KYORAKU吉本、グッドスマイルカンパニー、JOYSOUND、ソニー・コンピューターエンタテイメント、デジクラフト、肉の万世、日本マイクロソフト、VOCALOID STORE、VOCALOID RECORDS、マルハンチャンネル、ヤフー、ヤマハ、ユーマ、吉本興業、LIVE DAM

【後援】
経済産業省

前回のニコニコ超会議に政治家が参加したことを思えば、経済産業省が動くのも不思議ではないのかも

イベント後半では、現時点で決定している「ニコニコ超会議2」の詳細が各企画の担当者から発表された。まずは「併催イベント」について。

そもそもニコニコ超会議は、ユーザーが一堂に会して自身の作品やパフォーマンスを発表・披露する場である。しかし、それを以前から実現しているイベントはすでに多数存在する。ならばそういったイベントを招き、ニコニコ超会議の内部で併催してしまおうというのが「併催イベント」の趣旨なのだ。

ドワンゴ取締役・夏野氏

今回発表された併催イベントは、前回に引き続き、ボカロ界隈最大級の即売会「THE VOCALOID M@STER」と、痛車を展示する「痛Gふぇすた」、研究者たちが発表を行うシンポジウム「ニコニコ学会β」、"やってみた"カテゴリの展示&即売会「ニコつく3」が開催。さらに今回は、東方Project関連の即売会としては最大規模の「博麗神社 例大祭」、創作文芸・評論オンリーの即売会「文学フリマ」が新たにニコニコ超会議内で開催されることになった。

また、前回の超会議同様、今回もユーザー参加型企画を多数用意しているという。現時点で発表となったのは、「踊ってみた振り付け選手権」、「踊ってみた地方対抗ソロバトル」、「超会議2で結婚するカップル募集(1組限定)」といったところ。それぞれの詳細は公式サイトをご覧いただきたい。

今回も地方から参加するユーザーのために専用のバスツアーを組むことが発表され、さらに前回ブルートレインを復活させたことで話題になった貸切列車ツアーについても、実施する方向で企画を進めていることが明らかになった。

続いてニコニコ超会議2の終了後に幕張メッセに併設されたホールにて開催されるライブイベント「ニコニコ超パーティー2」の詳細について。

第一弾出演者として発表となったのは、ドワンゴから夏野剛氏、西村博之氏。さらに人気ユーザーの雄大(歌ってみた)、りりり(踊ってみた)、あおい(踊ってみた)、サカモト教授(演奏してみた)、GUMI(VOCALOID)、うー(エンターテインメント)、じゅん☆じゅん(ユーザー生放送)である。

なお、会場で観覧できるリアルチケットはDay1が5,800円、Day2が6,800円で、2013年2月8日よりプレミアム会員先行で申し込み可能となり、ニコ生で視聴できるネットチケットについてはニコニコポイント1000ptで現在販売中である。ただしネットチケットについては前回同様、累進価格制を導入しているので、今後出演者が追加発表になるたびに値上がりする可能性があるという。

前回は最終的に総出演者数249名まで膨れ上がり、ニコニコユーザーだけでなくプロの歌手も多数出演する豪華なステージとなった。おそらく今回も同程度までは盛り上がるだろう。

また、超パーティーに向けて、「超パII 超組曲『ニコニコ動画』リレーで歌ってみた」「超パII こんなもので演奏してみた」「超パII 声マネ王者決定戦~じゅん☆じゅんを倒せ~」「集え!最強女子生主」といった企画が実施される。採用されれば超パーティーのステージに立てるとのことなので、観客ではなくパフォーマーとして出演したいというユーザーは検討してみてはどうだろうか。

最後に、ニコニコ超会議2の入場券についてだが、これはすでに発表があった通り、1日券(前売り)が1,500円、1日券(当日券)が2,000円、通し券が前売りのみ2,500円となる。ただし、前回入場がスムーズにいかず大勢のユーザーを待たせた反省を生かし、今回は優先入場口から入れる「優先入場券」を用意するという。優先入場券は日付指定の1日券が1,500円、2日とも優先入場可能な通し券が2,500円となる。

注意したいのは、2日通し券を購入すれば自動的に優先入場券になるということだ。つまり、1日券については通常券と優先入場券が別物だが、2日通し券については通常券は存在せず、優先入場券のみとなる。これはすでに購入済みの券についても適用される。ただし、優先入場券は規定枚数に達した時点で販売を終了する。

現在、入場券はローソンチケットで先行発売しており、12月20日からはアニメイトで、1月15日からは各プレイガイドにて一般販売が開始となる。

任天堂をはじめとする多数の企業が協賛することになったニコニコ超会議2。企画内容や出演者も発表となり、一気に盛り上がってきた感がある。最後に数値目標を尋ねられた川上氏は、「前回10万人を達成できなかったので、今度こそ10万人が目標です。赤字額は1億円以内におさえることを約束します」と自信をのぞかせていた。