【レポート】

シンガポール航空のLCC「スクート」を覆面調査!

1 10月に成田発台湾経由シンガポール行き路線を就航

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10月29日、成田空港に着陸後歓迎放水で迎えられるスクートの初便

10月29日、シンガポールを本拠地とするLCC(ローコストキャリア=格安航空会社)のスクート(Scoot)が、成田発・台北経由シンガポール行き路線の運航を開始した。同社はシンガポール航空の子会社として設立され、今年6月にシンガポール - オーストラリア間に初就航したばかりの新しいLCCだ。使い勝手を確かめるため実際に成田から台北までの間を往復利用してみたので、その模様をお届けしよう。

アジア旅行者にうれしい台北、シンガポールへのLCC

今年は国内線でも複数の新規LCCが相次いで就航し、日本における「LCC元年」とも言うべき年となったが、ジェットスター航空などが早くから多くの路線を開拓してきた関西に対して、もともと旺盛な国際線需要を抱える成田空港においては国際線LCCの立ち上がりは比較的ゆるやかだった。特にLCCニーズが高いと考えられるアジア圏内でも、定期路線はジェットスターのマニラ行き、エアプサンの釜山行き、イースター航空のソウル(仁川)行きの3路線に限られていた。

B777-200型機に400席あまりを配置。なお、この機体は親会社シンガポール航空で使われていた「お下がり」だが、来年以降順次B787に置き換えていく予定だという

今回スクートが就航した台北およびシンガポールは、ビジネス・観光を問わず日本人旅行者にとってはなじみのある行き先であり、アジアを安く旅したいというユーザーにとって今回の就航はまさに待望のニュースと言えるだろう。スクートでは既に9月よりシンガポール-台北間の運航を開始しており、成田への乗り入れはその既存路線を伸ばす形で実現した。便数は毎日1往復で、発着時刻は以下の通り(すべて現地時刻)。

TZ201便 成田11:50発 → 台北14:35着・15:45発 → シンガポール20:10着

TZ202便 シンガポール0:55発 → 台北5:40着・6:50発 → 成田10:40着

成田からシンガポールまでを乗り通すと片道9時間程度の旅程となるが、多くのLCCが近距離路線を主力にしているのに対し、このように中~長距離の路線を運航するのもスクートの特徴となっている。なお、台北での発着は市内の松山空港ではなく、郊外の桃園国際空港である。

成田からの往路は、朝、無理のない時間に都内を出発し、まだ電車が動いている時間帯にシンガポールに到着できるので悪くない。また、復路シンガポールから帰国する場合は、滞在最終日をめいっぱい使えるので効率的だ。問題は台北からの帰りで、台北市内から空港に向けては朝4時台に出発する必要があり、交通手段が限られる。この点については後ほど実際の搭乗記で検証したい。また、シンガポールから成田まで乗り通す場合も、台北で一度飛行機から降りる必要があるため、気持ちよく寝ていたところを起こされるというデメリットが存在する。

シンガポールから先の目的地としては先に挙げたシドニー、ゴールドコーストのほか、バンコクなどにも路線を広げている。ただしWebサイトの案内によれば、シンガポールでの乗り継ぎ時には入国審査の通過、荷物の受け取りと再チェックインが必要となるという。遅延保証等の記述も見当たらないので、シンガポールから先もあえてスクートを選ぶメリットは特にない。ほかに安い航空券があればそちらを利用するのが良いだろう。

全部込みで台北往復2万円、シンガポール往復4万円を切れるか

気になる運賃だが、他のLCCと同じくスクートも空席状況によって機動的に値段を変更しているので、「普通運賃」に相当する価格は実質的に存在しない。また、販売期間を限定したセールによって、通常の閑散時よりもさらに安い価格が出てくることもある。

筆者は今回、初便の販売開始と同時に行われたセール時に、10月29日の成田→台北便、10月31日の台北→成田便を購入。諸税や手数料を含む"全部込み"の金額として約1万8,000円(台北までの往路および復路)を支払った。突発的にこれより安い価格が飛び出すことも考えられるが、一般的には台北までなら往復2万円前後が底値と考えておくのが良いだろう。シンガポールまでの場合往復4万円程度が底となるだろうか。また、上級クラス「ScootBiz」の価格も日によってまちまちで、エコノミークラスから片道1万円程度高い運賃となっていることが多いが、セール時には2,000~3,000円程度しか違わないこともある。

短期間だが、就航直前のセールでは成田-台北が往復約1万円という超特価も飛び出した。さすがにこれは就航記念の特別価格だろう

機内に持ち込める手荷物は7kg+ノートPC3kgの最大10kgまで。別途スーツケースなどを預ける場合は有料で、片道あたり15kgまで900円、20kgまで1,000円、25kgまで1,200円といった手数料が必要となる。これらは航空券の購入と同時に支払った場合の金額で、搭乗当日に空港で初めて荷物の預け入れを申し出た場合は15kgまで1,800円となっているほか、重量超過は1kgあたり1,200円と非常に高額なので、預ける可能性のある最大の重さの料金をあらかじめ支払っておくようにしたい。

そのほか、航空券の購入時には機内食の予約や座席の指定が可能だが、もちろんLCCらしくこれらのサービスはすべて有料。これを機会に初めてLCCを利用するというユーザーは注意しよう。なお、ScootBizの料金には20kgまでの預け入れ荷物、座席指定、機内食などが含まれるので、これらを利用するのであれば上級クラスにも買い得感はある。

400席の大型機を採用、選べる2種類のクラス

それでは、実際の利用時の流れに沿って、スクートのフライトを詳しくチェックしてみよう。

搭乗はScootBiz客が優先で、その後エコノミークラスの後部列、残りすべての順となっている

成田空港での利用ターミナルは第2ターミナル。親会社のシンガポール航空はスターアライアンスメンバーのそろう第1ターミナルを使用しているが、異なるので間違えないように注意したい。チェックインカウンターは端寄りの「C」列だが、第2ターミナル北入口付近に到着するバスで空港に来る場合は目の前なので便利だ。

チェックインカウンターは出発3時間前の8時50分に開く。自動チェックイン機はなく、スクートではWebチェックインのシステムも用意されていないので、預け入れ荷物がない場合も列に並ぶ必要がある。スクートが成田で取り扱うのは1路線のみのため、極端な混雑が発生する可能性は低いが、出発1時間前にチェックインは締め切りとなるので遅くとも10時には空港に着いているようにしたい。ScootBiz利用客には優先チェックイン列が用意されているほか、搭乗時にも優先して案内される。

チェックインは第2ターミナルのCカウンター。間違えて第1ターミナルへ行かないように

LCCはレシート状の搭乗券を用いることも多いが、スクートは他社と同じ用紙だった。98番搭乗口は第2ターミナルサテライト側の最も端

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目次
(1) 10月に成田発台湾経由シンガポール行き路線を就航
(2) 台北からの足にやや不安
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