11月29日、ドワンゴは六本木ニコファーレにてネット党首討論会を開催し、主要政党の党首10名が集まった。当日の模様はニコニコ生放送で中継され、最終的な累計閲覧者数は約140万人。会場には200名を超える報道関係者が殺到するなど、大きな注目を集めた。

累計閲覧者数は約140万人、会場には200名を超える報道関係者が

討論会といえば、先日ドワンゴは民主党・安住淳幹事長代行が今回の討論会について「双方向と言いながら極めて偏った動画サイトに投稿を許すようなやり方は、逆に、これまでの良き伝統の党首討論を崩すと思う」と発言したことに対し、抗議文を提出して話題となった。ニコニコ動画が偏っているか否かについては、おそらくドワンゴ側と安住淳幹事長代行側で根本的な認識が違うのだろうと筆者は予想する。具体的にいうと、ドワンゴはあくまで場としてのニコニコ動画について偏っていないと主張しているのに対し、安住淳幹事長代行はコメントも含めてニコニコ動画であると見ているのだろう。

10政党の党首がニコファーレに集結

両者の主張には大きな断絶を感じるが、ともあれインターネット放送でこれだけの党首を集めたということは事実であり、これは震災以降、ニコニコ動画が政治の世界へ進出してメディアとしての足場を固めてきた成果だといえる。

なお、登壇者は下記の通りである(党名50音順)。

【公明党】山口那津男 【国民新党】自見庄三郎 【社会民主党】福島瑞穂 【新党大地】鈴木宗男 【新党日本】田中康夫 【自由民主党】安倍晋三 【日本未来の党】嘉田由紀子 【日本共産党】志位和夫 【民主党】野田佳彦 【みんなの党】渡辺善美

もっとも、討論会の時間が1時間30分と短く、各テーマごとに一人1分から2分の持ち時間しか与えられなかったこともあり、"討論会"と題されている割にはそれほど掘り下げた討論には至らなかった。あくまでも現時点での各政党の主張を再確認するにとどまった討論会だったといえる。

しかし、選挙前のこの時期に、各政党の主張・考え方を改めて整理するいい機会にはなったのではないだろうか。

では次のページからは、今回与えられた3つのテーマ「TPP」「消費増税」「原発」についての各党の討論を振り返っていく。……続きを読む