【インタビュー】

「ズゴックEも試作しました」ザク&ズゴックとうふ誕生秘話~社長になったガンダム少年、相模屋・鳥越淳司社長

1 ザクとうふ誕生は、少年時代の反動と『ゴセイジャー』

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世のお父さんたちをスーパーの豆腐売り場へ走らせたジオン驚異のコラボフード「ザクとうふ」。それを生み出した人物が相模屋食料株式会社代表取締役社長・鳥越淳司氏である。今回はホビーチャンネルとしてビジネス面とは違った切り口でその人物像と、「ザクとうふ」「鍋用! ズゴックとうふ」の面白さに迫るべく、鳥越社長にお話を伺った。

鳥越淳司 1973年生まれ 京都府出身。2002年相模屋食料入社、 2007年に3代目社長・代表取締役に就任。2011年に「焼いておいしい絹厚揚げ」が日本食糧新聞社制定の食品ヒット大賞優秀ヒット賞を受賞。2012年3月に「ザクとうふ」、10月に「鍋用! ズゴックとうふ」、「ザクとうふ デザート仕様typeD」を発売

豆腐とガンダム。こんなコラボが成功すると考える人間がいるだろうか? それがよりによって老舗豆腐メーカーの社長にいた。彼が世に送り出した「ザクとうふ」はガンプラブームを彷彿させるようなセンセーションを食品売り場の豆腐コーナーに巻き起こし、「ザクとうふ」はユニークなビジネス的成功例として脚光を浴びた。

だが、筆者は感じ取ってしまったのだ。「ザクとうふ」「鍋用! ズゴックとうふ」の発表イベントで熱弁を振るう鳥越社長の真意が、ビジネス的成功にあったわけではないのではなかろうか、と。なぜなら、社長が説明するこだわりのポイントがいちいちかつての"ガンプラ少年"のそれと同じだったからだ。彼がコラボ商品でうまく儲けた社長として世に認知されたとしたら、これはナンセンスだ! ゆえに、今回のインタビューではビジネスマンとしての装備をパージしたひとりのガンダムを愛する人間、鳥越淳司として語っていただいた。見るがいい、これが大人になったかつてのガンダム少年の姿だ。

──今回はビジネス系のインタビューでは語る機会がないような、そこでは出せない部分を丸ごといただいていこうと思っています。ということで、まずは『機動戦士ガンダム』との出会いについて、やはりお伺いしたいなと思いまして

「『ガンダム』を初めて見たのは小学二年生の頃です。当時京都に住んでいまして、1980年の再放送を。夕方5:00から2話連続で放映されていたのが最初ですね」

──『ガンプラ』ブームがドーンときたのが1980年の頃でしたね

「『ガンプラ』はなかなか買えなかったんですよ。旧ザクの1/144が最初でした。品薄でなかなか売ってなくて、おもちゃの橋本という店に親父と並んで買いましたね。それからしばらくあとに1/100シャア専用ザクが700円で売ってるのを発見したものだから、それを母親に買ってほしいとお願いして……その機を逃すともう買えないじゃないですか。買ってくれへん? て頼みましたが、結局お金もくれず、買えなかったと(笑)」

──買えませんでしたか……

「当時はお小遣いもそんなにないし、買ってもらえること自体少なかったですね。当時欲しかったのはスケルトンのモデル(1/72メカニックモデル)で、子供にとっては高い(2,500円)んですよ。そんなことから、今この『ザクとうふ デザート仕様typeD』でスケルトンをやってるんです。それから1回ガンプラブームが収束して、その時に友だちからすごくきれいに塗装されたガンプラをもらったりしましたが、MSVには手を出しませんでしたね。次の再燃は『Zガンダム』で」

期間限定生産の「ザクとうふ デザート仕様typeD」。パッケージの塗装をケチったのではなく、当時一番欲しかったキットのリスペクトなのだそうだ

──『Zガンダム』となるとかなり間が空くことになりますが、その間にも『戦闘メカ ザブングル』や『聖戦士ダンバイン』などがありましたよね? ロボット熱はそこでも続いていたのでしょうか?

「『銀河漂流バイファム』は好きです。あと『太陽の牙ダグラム』。24部隊が好きで、青のソルティックを手に入れるためにボークスに走りました。でも当時は『キン肉マン』や『キャプテン翼』なども人気がありましたし、今で言うところのガンダム一筋のコアなファン、まではいっていないかもしれませんね」

──並ぶって、なかなかないですもんね

「あとはドラクエぐらいですね。並んだのは(笑)」

──もともとはコアなファンではなかったのに、なぜ仕事でガンダムとコラボしようと考えたのですか?

「ずっと『ガンダム』に関わりたいとは思っていたんですよ。映像作品はガンダムファイトのやつ(『機動武闘伝Gガンダム』)以外は全部見ていますし」

──まさか『ガンダム』のゲームもやられますか?

やりますよ。『ギレンの野望』……あと『ガンダム無双』も!

──『ギレンの野望』とは、これまた難易度が高いですね……

「私『提督の決断』とか『大戦略』とか、二次大戦ものが大好きですから……大戦略とか、分かるのかな?(笑)」

※『大戦略』とは、現代兵器をユニットとしてプレイするシミュレーションゲームで、パソコンゲームとしてかなりのヒット作となった。『提督の決断』は光栄から発売された第二次世界大戦を題材としたシミュレーションゲーム。その名の通り海戦が中心となっている。

──一応補足説明は入れておきます(笑) 仕事の話に戻りまして、「ザクとうふ」はどのような経緯で企画が進んだのでしょうか?

「ガンプラ30周年の記念イベントが(※2010年『ガンダム SUPER EXPO 東京2010』)東京ドームシティのプリズムホールでありましたね。私の娘は『天装戦隊ゴセイジャー』が大好きで、「ゴセイジャーショー」を見せるために東京ドームシティへ行ったのですが、その時に謎の長蛇の列があったんです。何だろう? と見てみるとそれがガンプラ30周年のイベントだった。これは行かねば! と見に行ったら、全日空さんのガンダム飛行機と、日清さんのカップヌードルの赤いやつのコラボが出ていて。……これなら(うちも)やれるんじゃないかなと」

──他社のコラボを見ていけるんじゃないかと?

「根拠はないですよ。コネもないですし、やり方も分からない。でもいけるんじゃないかという確信はありましたね。娘がいなかったら今も悶々としながら、"ザクのとうふ"とかやりたいよな、と思っているだけだったかもしれません」……続きを読む

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インデックス

目次
(1) ザクとうふ誕生は、少年時代の反動と『ゴセイジャー』
(2) 私がカッコいいと思うのはこの半月のモノアイなんだと!
(3) 成功という尺度は「売れること」ではなく、大勢に「完成度高いね」とほめられること
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