HTC Nipponは20日、auスマートフォンの2012年冬モデル「HTC J butterfly HTL21」の説明会を開催。HTC台湾本社のピーター・チョウCEOやKDDIの田中孝司社長が参加し、HTC J butterflyをアピールした。発売は12月上旬予定となっている。

ピーター・チョウHTC CEO

今回も「アンバサダー」として「乃木坂46」のメンバーがHTC J butterflyをアピールしていく。前段中央右はKDDIの田中孝司社長

HTC J butterflyは、HTCとKDDIが共同で開発したスマートフォンの新製品。初代の「HTC J」に続くコラボレーションモデル第2弾となる。もともと、HTCがKDDIに提案したベースモデルに対して、UIやカラーバリエーション、日本仕様の機能を投入したもの。米Verizonから同じベースモデルの「Droid DNA」を販売することになっている。

前モデルのHTC J(左)からスペックを進化させたHTC J butterfly

HTC J butterflyは、フルHD(1,920×1,080ドット)という高解像度の5インチ液晶を搭載。視野角160度で、HTCのCPO(Chief Product Officer)の小寺康司氏は「ピクセルの見えない440ppiの高精細」とアピールする。液晶はさらに黒の再現性を特に重視してチューニング。5インチという大型液晶ながら、狭額縁にして、極限まで幅を細くした。これによって、女性の手で持っても操作しやすいように配慮したという

フルHDの5インチ液晶を搭載。440ppiという高精細を実現

黒の再現にこだわり、デザインとしても狭額縁で操作性に配慮

プロセッサには1.5GHz駆動のクアッドコア「MDM9615」と「APQ8064」を採用。2GB RAMを搭載するなど、快適動作を追求している。KDDIの高速通信サービス4G LTEにも対応する。HTC Jと同様にオーディオにもこだわり、さらなるチューニングを加えて、高音質化を図っているという。

クアッドコアプロセッサの搭載による快適動作

LTEに対応し、通信速度も高速化を図った

HTC Jで定評のあったカメラ機能も強化しており、99コマまでの連写や裏面照射型センサーによる高感度画質などのスペックに加え、新たに画面のどこにタッチしてもシャッターが切れる全面シャッター機能を搭載。フロントカメラのレンズはF2.0と明るく、さらに画角を88度まで広角化した。手を伸ばして自分撮りをすると、4人程度までなら並んで画角に収まるという。

フロントカメラの大口径化、広角化で、自分撮りでも複数の人を入れて撮れるようになった

また、ポートレートモードで撮影すると、美肌効果を加えてくれる機能も搭載する。撮影した画像を確認するギャラリー機能も強化し、イベントごとにまとめたり、地図上に画像を表示することが可能となっている。

美肌効果を加えられるポートレートモード

ギャラリーアプリも進化した

日本仕様として、グローバルパスポート、緊急速報メール、EZwebメール、Cメール、おサイフケータイ、赤外線通信、NFC、ワンセグをサポートする。ワンセグでは、HTC Jがアンテナとしてイヤホンが必要だったのに対し、新たにアンテナを内蔵。IPX5相当の防水機能も備えた。「全ての日本の独自仕様に対応した」と小寺氏は強調する。

日本の独自仕様もサポート

ワンセグのアンテナを内蔵してより使いやすくなった

防水機能もサポート

カラーバリエーションはHTC Jと同じ3種類だが、レッドの本体カラーが見る向きで変化するなど、変更が加えられている。このカラーバリエーションは海外モデルにはない特徴

HTC Nipponの村井良二社長は、「HTC J butterflyはハイスペックで色んな機能がついて素晴らしいといわれるが、意図してハイスペックに作ったわけではない」と話す。ユーザーに対して、「どうあるべきか、使いやすくて、どう感じてもらえるかを考えて作った」とのことだ。

HTCの小寺康司CPO

HTC Nipponの村井良二社長

ピーター・チョウCEOは、「日本は世界で最も進んだ市場の1つ」であり、「日本に対して特別なものを作る必要があった」と指摘。KDDIの田中社長と会談し、日本人のデザインチームと共同で作り出したのがHTC Jだったと話す。

親密な関係をアピールするチョウCEO(左)と田中社長

その結果、日本でHTC Jは人気端末となり、「KDDIの顧客満足度では1位の端末になった」(チョウCEO)ということで、「KDDIとのパートナーシップがうまく機能した」と話す。このHTC Jの成功で、「もっと素晴らしい商品を日本のためにデザインして提供するということにコミットできた」とチョウCEOは語る。チョウCEOは、HTC J butterflyが「テクノロジーとして最先端、最高のものを提供している」と強調するとともに、「素晴らしいユーザーエクスペリエンスを提供する」とアピールする。

HTC J butterfly

5インチだが、16:9のアスペクト比なので細長く、狭額縁で幅も細くて持ちやすい

本体背面

最薄部で5mmという薄さ。中心部に向かって曲面となっているので、手にフィットする

本体上部と下部

田中社長は、「世の中が少しずつ変わってきている。マーケットを横に切って、ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドと分けてプロダクトを作ってきた。それがだんだん変わってきているのではないか」と指摘。ユーザーの「ウォンツ」を踏まえ、「いかに次に欲しいものを届けるかを使命としている」と強調する。

HTC Jは両社の協業が成功したが、「もう一段上がったプロダクト」(田中社長)がHTC J butterflyだという。「一歩一歩、階段を上がるように、ニーズに合わせて両社が歩んでいかないと真の意味での成功はやってこない」と田中社長。HTC Jの成功より、さらに大きな成功を狙いつつ、「絶対に満足してはいけない。(HTC J butterflyが)ゴールではない」と強調する。チョウCEOは、「日本はユニークで特殊なマーケットで、基準が高い。それを達成しなければならない。KDDIとのパートナーシップは今後も継続したい」と話している。

(記事提供: AndroWire編集部)