Appleが「Apple Store App」をアップデート、最新版のv2.4を提供開始した。いつでもどこでもApple製品をスピーディーに買えるアプリとして、2011年9月のリリース以来多くのユーザに利用されているが、今回のアップデートのみどころは「Siriのサポート」。製品価格などの情報を、話しかけて確認できるというのだ。ここでは、その新機能とSiriサポートが持つ意味について解説してみよう。

言葉で「Apple Store」を検索できる

Appleが無償提供する「Apple Store App」は、その名のとおりApple Storeに対応したiOSアプリ。iPhoneやiPadなどのiOSデバイスを利用し、オンラインのApple Storeにアクセスし製品情報を調べたり、そのまま購入したりすることができる。iPod刻印サービスやギフト包装も注文可能だ。

それだけではない。Apple製品を予約して近くのApple Store店頭で引き取る、Genius Barの予約やワークショップの参加登録を行う、といった手続きを行うこともできる。試したことはないが、Apple Storeの店内にいる場合は、スタッフを呼び寄せたり予約内容の手続きを依頼したり、といった高度な使い方もできるらしい。よくある"買い物アプリ"を超えた、Apple Storeのサービスをも包含する"ショッピングアシスタント"なのだ。

Siriで「Apple Store App」の機能を呼び出してみる

その「Apple Store App」に、最新バージョンの2.4で興味深い機能が追加された。それは「Siriのサポート」。iPhone 4S/5やiPad miniなど、Siriに対応したiOSデバイスからApple Store Appの機能を呼び出せる、というのだ。

早速「Apple Store App」をアップデート、Siriを起動し「Mac miniの価格は?」と尋ねたところ、「"Macminiの価格は"をWebで検索しますか?」などとトボけた返事があった。気を取り直して「iPhoneはいくら?」と尋ねたところ、今度は反応アリ。「iPhoneがあるかどうか、Apple Storeをのぞいてみますね...」と表示されてすぐ「Apple Store App」が起動され、iPhoneアクセサリのページに遷移した。

iPadやiPod touchについても試したところ同様の反応が得られたため、「Apple Store App」のアップデートでSiriがApple Store関連の言葉を解釈するようになった、と判断して差し支えないだろう。

なお、「Apple Store App」を未導入のデバイスで同じ質問をSiriにしたところ、「"Apple Store"Appなら、○○○のことがわかると思いますよ」との返事が。この反応は、以前はなかったはず。つまり、Siriの語彙が端末側に追加されたのではなく、今回のアップデートにタイミングをあわせ、Siriのサーバサイド(クラウド)で語いが追加された証拠といえるだろう。

ところで、Siri対応は「Apple Store App」の一部機能にとどまる。iPhoneやiPadのアクセサリは探せるが、ジーニアスバーの予約もMacの購入予約もできない(「~を予約したい」と話しかけると一律「カレンダー」のイベント登録になる)。「アップルストアの過去の注文状況を知りたい」と話しかけても、「マップ」で店舗情報を調べてしまう。現状でいえば、Apple Storeの取り扱い製品(の一部)にSiriが反応し、該当する「Apple Store App」のページにリダイレクトする程度の機能だ。

Appleが無償提供する「Apple Store App」がバージョンアップでSiriに対応。言葉で製品情報を検索できるようになった

iPadやiPod touchの値段をたずねたところ、いくつかのパターンで応答があったあと、「Apple Store App」の該当ページへリダイレクトされた

ジーニアスバーの予約をトライしてみたが、「カレンダー」のイベント登録と勘違いされてしまった

Apple Storeの注文履歴を調べようとしたところ、「マップ」の店舗情報がかえってきた