10月23日に開催されたアップルのメディアイベントにおいて、噂通り「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」が発表された。同時に登場したiPad miniや最薄部5mmという極薄iMacなども気になるところだが、本機もRetinaディスプレイやMacBook Proシリーズ史上最軽量の筐体を新たに採用するなど、注目ポイントは多い。今回はラインアップのうちストレージに256GBのSSDを搭載した上位モデルを試用することができたので、その特長と実力を紹介していこう。

完全な新筐体といっても、デザインのコンセプトや本体に使用されている素材などは6月に発売された従来のMacBook Proと同じで、大きな違いがあるわけではない。しかし、ストレージがHDDからSSDに変更され、光学ドライブが廃止されたこともあって、本体サイズは大幅に小型軽量化されている。フットプリントは幅と奥行きがそれぞれ約1cm前後小さくなり、厚みは従来の2.41cmから1.9cmに薄型化された。また質量は従来の2.06kgから1.62kgへと軽くなっている。

液晶ディスプレイは2,560×1,600ピクセルのIPSパネルが採用された。15インチRetinaモデルが2,880×1,800ピクセルなので、それよりは少ないが、画素密度は15インチの220ppiに対して227ppiと逆に少し高くなっている。実際、目をかなりディスプレイに近づけないとピクセルは認識できなかった。

液晶ディスプレイは13.3インチワイドで、解像度が2,560×1,600ピクセルのIPSパネルが採用されている

IPS液晶パネルということもあり、視野角は非常に広く、真横に近い角度から見ても色の変移はほとんどない。色再現性も高く、赤や青、緑などの原色もあざやかに表現されていた。15インチRetinaモデルに関しては一部の個体で焼き付きのような現象(長く表示していたオブジェクトが画面が切り替わった際にうっすら残って見える現象。数分で消える)が報告されていたが、今回試用した機材に関する限りは、そのような現象は見られなかった。

なお液晶の最大解像度が2,560×1,600ピクセルといっても、Retinaモデルは縦横それぞれ2倍の画素を使って従来の1ピクセル相当を表現しているため、一部のRetina対応アプリを除いて作業領域自体は従来の1,280×800ピクセルと同等である。しかし、本機の場合はシステム環境設定でスケーリング解像度を変更して作業領域を広げることが可能。対応するスケーリング解像度は最大で1,680×1,050ピクセル相当となる。15インチRetinaモデルはこれが1,920×1,200ピクセルだったので、それに比べると若干不利だが、13インチの画面サイズでフルHD相当の解像度はあまり目に優しくないので、性能と使い勝手のバランスを考えるとちょうどいい落としどころだろう。

システム環境設定でスケーリング解像度を変更することができる。対応するスケーリング解像度は最大で1,680×1,050ピクセル相当となる。Retina対応アプリであれば、スケーリング解像度でも、ダイアログの文字がにじんだりジャギーが気になることもなく、非常に美しく表示される

このほか13インチRetinaモデルは、従来モデルに比べてインターフェイス周りでもいくつか変更が加えられている。従来モデルに搭載されていたEthernetポート、FireWireポートが省かれた代わりに、Thunderboltポートが1基増えて合計2基になり、HDMIポートが新しく追加された。ちなみに電源コネクタも従来とは異なる形状のMagSafe 2に変更されている。

左側面。SDXCカードスロットとHDMIポート、USB3.0ポートが搭載されている

右側面。電源コネクタ(MagSafe 2)、Thunderboltポート×2、USB 3.0ポート、ヘッドホン端子、デュアルマイクロフォンが搭載されている

電源コネクタ(MagSafe 2)。従来通りマグネットで本体に吸着する方式だが、接続部がこれまでより幅広く薄くなっている

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