日本マイクロソフト 代表執行役 社長、樋口泰行氏

2012年10月26日、Microsoftの新OS「Windows 8」が発売された。前日となる25日には、秋葉原で「Windows 8 前夜祭」を開催。日本マイクロソフトの樋口社長によるオープニングスピーチに始まり、多数のゲストとバラエティに富むセッションで大いに盛り上がった。

Windows 8は、26日から全世界で販売を開始する。日付の関係で、もっとも早くその時を迎えるのが日本市場となる。前夜祭のオープニングで登壇した日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は「午前0時にお買い求めになる方は、世界で一番早くWindows 8を手にする方となります(編注:秋葉原の一部ショップでは10月26日午前0時から深夜販売を実施)」と話し、会場をわかせた。

今回の発売開始に伴い、国内では13社から250機種以上のWindows 8搭載デバイスがリリースされる。前夜祭でも体験コーナーが設けられ、多くのWindows 8搭載PCなどが展示されていた(記事後半のフォトギャラリーを参照)。日本マイクロソフトとしても「6カ月間、テレビCMを流し続けるなど、過去最大級のマーケティングを実施」(樋口社長)で訴求していく方針だ。樋口氏は「年末商戦を皮切りに、日本のIT業界全体の活性化に貢献していきたい」と力を込めて抱負を語った。

会場となったベルサール秋葉原の様子。会場には多くの実機が用意され、訪れた人々がWindows 8とハードウェアの触り心地を試していた

続いて「This is Windows 8」と題するトークセッション。アナウンサーの徳光正行氏が司会を務め、タレントのデーブ・スペクターさん、声優の古谷徹さん、タレントの桃さんがWindows 8の魅力について語り、日本マイクロソフト Windows本部 業務執行役員 本部長の藤本恭史氏が解説を行った。

今回の注目機能は、やはりタッチディスプレイに対応した新UI。その特長を活かすべく、各メーカーから様々なコンバーチブルモデルが発売される。デーブ・スペクターさんは、キーボードとディスプレイが分離できるタイプが気に入った様子で、「オフィスにキーボードを置いておき、ディスプレイ部分だけをタブレットのようにして持ち歩くことが増えるのでは」と語る。自宅には4台のPCが稼動しているという古谷さんも「自宅のPCとデータの同期を行えば、外にタブレットを持ちだしてもスケジュールなどが確認できるわけですよね」と興味津々だった。

写真左から、日本マイクロソフトの藤本氏、司会の徳光氏、デーブ・スペクターさん、桃さん、古谷徹さん

藤本氏がWindows 8を解説

次のセッションでは、Windows 8のテレビCMに起用されているパルクールパフォーマーの島田善さんと、楽曲を担当するSCANDALの4人がステージに。新CMはSCANDALの軽快な楽曲を背景に、島田さんが肉体を使ったパフォーマンスを行うというもの。5人とも、CMの起用が決まったときは半信半疑だったという。Windows 8を手に入れたらどうしますか、というMCの問いに島田さんは「処理速度の速さを体感してみたい」と回答。SCANDALの4人は「タッチパネルを利用してTwitterで高速ツイートしてみたい」と答えていた。

島田善さん

SCANDALの4人

この後、クリスタル・ケイさんの「Windows 8 スペシャルライブ」が行われ、会場の盛り上がりも最高潮。ライブ後にはゲストと会場の参加者が一体となり、大きな掛け声で「Windows 8 !」とコール。マイクロソフトのオフィシャルカメラを通じて、全世界にWindows 8発売開始の模様を発信した。

スペシャルライブで熱唱するクリスタル・ケイさん(写真左)。ライブ後には世界に向けてWindows 8発売開始の模様を発信

後半は秋葉原ならでは。PC自作ユーザーへ向けたパネルディスカッション

前夜祭の後半は「DSP版 Windows 8パネルディスカッション」。テクニカルライターの高橋敏也氏が司会を務め、週間アスキー編集長の宮野友彦氏、DOS/V POWER REPORT編集長の佐々木修司氏、日経WinPC編集長の江口悦弘氏、テクニカルライターの清水理史氏がパネリストとして招かれた。また、高橋氏いわく「おっさん5人はマズイ」とのことで、Windows 8応援キャラクター「窓辺ゆう」「窓辺あい」のCVを務める声優の西明日香さん(窓辺ゆう役)、田村奈央さん(窓辺あい役)の2人をステージに呼んだ。

「窓辺ゆう」CVの西明日香さん(写真右)、「窓辺あい」CVの田村奈央さん(写真左)の2人

写真右から、ライターの清水氏、日経WinPCの江口氏、DOS/V POWER REPORTの佐々木氏、週間アスキーの宮野氏、司会の高橋氏

導入のテーマは、Windows 8の注目点について。「新しいUIで、スマートフォンのような操作ができる点が一番の特長」(宮野氏)、「OSのインストールが速いので、自作する際に便利。使ってみると、処理がやっぱり速い」(佐々木氏)、「サクサク動き、起動も速い。キビキビ感も増している」(江口氏)、「UI、パフォーマンス、オンラインサービスとの連携」(清水氏)と回答した。

オンラインサービスとの連携について、宮野氏は「マイクロソフトのIDを使えば、複数のPCが同じ環境で利用できる。壁紙の同期なども行われる。スマートフォンの使い方に近い」、江口氏は「普段からSkyDriveを使っているので、写真などのコンテンツを新しいPCでもシームレスに利用できるのが驚き」とコメント。佐々木氏は「これまでは新しいアプリは慣れるまで時間がかかったが、Windows 8はどれも簡単にすぐ使えるアプリばかりで嬉しい」とした。

宮野氏は「かつてPCのトレンドがデスクトップからノートに移ったときがありました。Windows 8の登場を期に、流行はノートからタブレットに移る予感がします。時代が大きく変わるのでは」と指摘すると、各氏も同調していた。清水氏は「Windows 8で自作PCが復権する」と予測。パーツや設定を突き詰めるとパフォーマンスの向上が見込められ、作り方によっては非常にセキュアな製品もできるという。それを踏まえ「自作ユーザーの腕の見せどころです。そういった意味でも、歓迎すべきOSと言えるのでは」とコメントした。高橋氏が「新しいOSをインストールしなくて、何が自作ユーザーだ。パフォーマンスを最大限に引き出して楽しんでほしい」と語ると、会場が笑いと拍手で包まれた。

前夜祭のあと各氏は、秋葉原のショップ巡りへ。深夜販売の様子などは、記事末に挙げたレポート集などを参照いただきたい。

Windows 8前夜祭フォトギャラリー