トリを飾ったiPad mini

これで終わりかと思いきや、画面のiPadがぐるっと回転して――後ろから小さなiPadが登場。本命となるiPad miniの発表が始まった。

iPad miniはこれまでよりも23%薄く、厚さは7.2mm。これは鉛筆と同じサイズであるとフィルは強調する。また、重さは53%軽くなり、0.68ポンド(308グラム)となった。これは紙のメモパッドを持っているのと同じような軽さだという。

iPad miniが登場した。コンパクトさを強調する演出だ

厚さはこれまでよりも23%薄い7.2mm

鉛筆と同じ厚みだという

重さは53%軽くなって308グラムに

キーノートではフィル自ら片手でiPad miniを持ってみせ、そのコンパクトさをアピールした。といっても、ただ小さくしたわけではない。横2辺の幅を狭くすることで端末をサイズダウンしながら、よりスクリーンを大きく使うことに成功しているのだ。片手で持てるサイズでありながら、7.9インチという大きさのスクリーンを実現できた秘密がそこにある。

実際にiPad miniを手にしてみせるフィル

成人男性がギリギリ片手で持てるくらいのサイズだろうか

カラーバリエーションはブラック&スレートとホワイト&シルバーの2種類を用意する。液晶の大きさは従来の9.7インチから7.9インチとなり、解像度は従来と同じ1024×768。残念ながらRetinaには非対応だ。

しかし、従来のiPadと同じ画面比率ということは、iPad用に最適化されてリリースされている27万5,000にも及ぶアプリ群を、同じように使えるということでもあるとフィルは語る。そのためにiPad miniは、アプリの互換性を重視して4:3の画面比率を維持しているのだ。

アプリの豊富さはiPad miniの強力なアドバンテージとなる

他社の7インチタブレットと露骨な比較

他社製品とも比較、そして気になる価格も公表

さらにフィルは他社製品――Googleの7インチタブレット――を引き合いに出し、iPad miniの方がWeb画面を49%も、さらに横向きにしたときには67%も広く見られると比較する。

iPad miniのスペックについては以下の通りだ。デュアルコアA5チップ、FaceTime HD、500万画素のカメラ、LTE対応、10時間のバッテリー。また、アクセサリとしてスマートパッドも発売される。

非Retinaであることと、CPUが前世代のA5チップであることがユーザーにどう受け止められるのか

価格は16GBWi-Fiモデルが329ドル(28,800円)。32GBが429ドル(36,800円)。64GBが529ドル(44,800円)。一方のWi-Fi+Cellularモデルは16GBが459ドル(39,800円)、32GBが559ドル(47,800円)、64GBが659ドル(55,800円)となる。iPad miniはスペック的にも価格的にも、iPad 2を小さく、安くしたような印象だ。

価格はNexus 7やKindle Fire HDに比べるとかなり高い

予約は10月26日から受付開始となり、発売日はWi-Fiモデルが11月2日。まずは世界34カ国での発売となる。Wi-Fi+Cellularモデルは11月下旬に発売される予定だ。