結果を見ると、Tegra 3 1.5GHz搭載のXperia Tablet Sよりも若干結果が低くなっていることがわかる。これは、動作クロックの差がそのまま現れていると考えていい。とはいえ、実際に使ってみると、体感でのパフォーマンスにはほぼ差がない。つまり、実際に使った感覚では、Xperia Tablet Sと同等と考えていい。

PEACEKEEPERの結果は、Xperia Tablet SよりもNexus 7のほうが優れているが、これはNexus 7にはAndroid標準ブラウザではなくChromeが標準でインストールされており、テストをChromeで行ったためだ。Xperia Tablet SでChromeを利用してテストした場合には、他のテスト同様、Nexus 7の結果をわずかに上回るものと思われる。

ベンチマーク結果

Quadrant Professional Edition Version 2.0

Sony Tablet S Xperia Tablet S Nexus 7
総合 2071 4357 3687
CPU 4785 12272 10986
Mem 2357 3241 2888
I/O 1067 3507 1850
2D 310 336 248
3D 1837 2431 2467
上記の結果は3回計測した平均値。各回の計測結果はこちら

1.5GHz動作のTegra 3を搭載するXperia Tablet Sよりもやや結果が劣っている。とはいえ、実際の操作感はほとんど差がなく、動作クロックの差は全く感じられないと言っていい。

AnTuTu Benchmark v2.9.2

Sony Tablet S Xperia Tablet S Nexus 7
総合得点 5345 11587 10887
CPU 2587 6850 6339
RAM 862 2448 2118
GPU 1200 1498 1542
I/O 725 791 889
上記の結果は3回計測した平均値。各回の計測結果はこちら

こちらもXperia Tablet Sよりやや結果が劣っており、動作クロックの差が素直に結果に表れている。

PEACEKEEPER

Sony Tablet S Xperia Tablet S Nexus 7(Chromeを利用)
325 436 477
上記の結果は3回計測した平均値。各回の計測結果はこちら

Nexus 7ではAndroid標準ブラウザが添付せず、Chromeを利用して計測しているため、Xperia Tablet Sよりも結果が上回っている。おそらくXperia Tablet SでChromeを利用して計測すると、Nexus 7より結果が上回ると思われる。

最後にバッテリ駆動時間だ。Nexus 7には容量4,325mAhのリチウムポリマーバッテリーが内蔵され、HD動画再生で9時間、Webブラウジングで10時間、読書で10時間の駆動が可能とされている。そこで、バックライト輝度を最低にし、無線LANとGPSはオン、Bluetoothはオフにした状態で、動画プレーヤーアプリ「MS動画プレーヤー」を利用して、H.264形式のフルHD動画(Baseline Profile、4Mbps)をループ再生させて計測してみた。すると、約9時間10分と、9時間を超える駆動時間が計測された。ほぼ公称値通りの結果で、十分な長時間駆動と言えそうだ。ただし、バックライト輝度を最低にすると少々暗くなりすぎるので、映像鑑賞には少々不向きとなる。そのため、通常の利用ではもう少し駆動時間が短くなると考えた方がいいだろう。

完成度が高く、価格的にも魅力的な製品

Nexus 7は、2万円を切る安価な価格が最大の特徴だが、それでいてNVIDIAのクアッドコアプロセッサTegra 3と、最新OSのAndroid 4.1を搭載することで、安価な製品とは思えないほどの快適さが実現されている。細かな部分を見ると、カメラやmicroSDカードスロットがなく、映像出力も行えないなど、機能面で妥協しなければならない部分があるのは事実。しかし、実際に手にとって触り、サクサク動作を体験すると、そういった妥協点もほぼ気にならなくなってしまう。とにかく、価格を考えると、ハードウェアの完成度はかなり高いと言っていいだろう。7型タブレットとしては、価格も含め現時点で最も魅力的な製品であることは間違いない。

ただし、Nexus 7の本領を最大限発揮するには、Google Playを初めとするクラウドサービスの充実が不可欠。電子書籍サービスや映像コンテンツの買い取り販売が開始されたとは言っても、アメリカでのサービスの充実度から考えるとまだまだという印象が強い。もちろん、Nexus 7を投入したということは、日本でのクラウドサービスの強化も見すえているはずなので、今後のGoogleの動向に大いに注目したい。

(記事提供: AndroWire編集部)