統合で業界2位へ

両社の経営統合は、株式交換で行われる。イー・アクセスの普通株式1株あたり52,000円として、年内にもソフトバンクの完全子会社化にする方針だ。今回の発表前のイー・アクセスの株価は15,000円前後、約3.5倍の評価額とした。取得株式価値では1,802億円となり、6月末時点の純有利子負債1,849億円も引き受け、全体では3,651億円での買収となる。

3.5倍という評価に対して、「ソフトバンクの株主からは払いすぎだと言われるかもしれないが、そうではない」と孫社長。イー・アクセスはすでに3G/LTEの設備投資を行っており、減価償却後の投資額は2,260億円、さらに現在のモバイルユーザーの顧客獲得コストを1契約あたり3万円(420万)と設定して、ADSL契約数を同7,000円(140万)と計算し、1,360億円の価値があるとした。合計では3,620億円で、買収額とほぼ同等になる。

買収における評価

シナジー効果も大きい

ソフトバンクが1契約を獲得するのに必要なコストは「これ以上になる」(同)ことから、これが正当な評価だと強調。時価総額に加えて設備と顧客を加えられるほか、買収によるシナジー効果で3,600億円が期待できる、としている。顧客基盤の強化、販売チャネルの拡大、ネットワーク共用によるバックボーンコストの低減、基地局インフラの共用によるコスト削減、さらに経営の効率化といった効果があり、その結果、7,220億円の価値があり、「決して悪い経営統合ではない」と孫社長は話す。

ネットワーク共用によるバックボーンコストの低減

また、これによってウィルコムに加えてイー・アクセスも傘下に収めることで、8月末時点での契約数はソフトバンクとウィルコムで3,491万、イー・アクセスは420万、合計3,911万となる。同時期のKDDI(au)は3,589万で、これまで契約数2位だったauを上回ることになる。2010年10月に孫社長は、2010年代で4,000万ユーザー突破を公約していたが、「今年中に確実に超える」(同)状況で、2年で目標を達成したと胸を張る。……続きを読む

業界4位と3位が合併することで、業界2位になる、というアピール

契約数でauを逆転

両社の契約数が足しあわされ、2位になった

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