ソニーは9月27日、4K対応・84V型の液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア) KD-84X9000」の報道関係者向け発表会を開催した。KD-84X9000は、「ブラビア」シリーズで初めての4K表示(3,840×2,160ドット)対応モデルとなる(発表時のニュース記事はこちら)。

「ブラビア KD-84X9000」

五感に届く臨場感を届けたい

ソニー 業務執行役員 SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 本部長 今村昌志氏

発表会では、ソニー 業務執行役員 SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 本部長の今村昌志氏が登壇。ソニー初の4K対応テレビとなる本製品の狙いを説明した。

今村氏はまず、地上デジタル完全移行後、テレビの販売台数が減少している市場状況を踏まえ、「数を追うのではなく、質を追求していく」として大型テレビなどの高付加価値モデルへシフトしているソニーの戦略を説明。実際、2012年度は、46型以上の大型テレビが金額構成比で急激な伸びが予測されている事例を紹介した。

そのような状況下、ソニーが3月に発表した「HX850」シリーズは、6月25日から9月17日の約3カ月間、55V型モデル(「KDL-55HX850」)と46V型モデル(「KDL-46HX850」)で台数シェア1位をキープしているという。今村氏は「お客様から高い支持を得ている」と、高付加価値・大型モデル化戦略に自信を覗かせた(「HX850」シリーズ発表時のニュースはこちら)。

大画面化・高付加価値化を進めるソニー

55V型と46V型が好調

今村氏は、今回発表したKD-84X9000について「『HX850』シリーズの単なる延長ではなく、これからの『ブラビア』で実現したいものを凝縮した」と製品の意義を説明する。

今村氏は「デジタル化が進展しようとも、最終的に何かを感じるのは人間」と、行為主体があくまで人間であることを強調。その上で「人々の五感を刺激する感性豊かな体験を提供するのが、『ブラビア』に求められる役割だ」と、4K表示により圧倒的な臨場感を実現できる本製品が、「ブラビア」シリーズでソニーが具現化したいことの象徴であることを説明した。

「HD(ハイディフィニション)画質とは、元々、36型で快適に見られる解像度として定義された規格」と今村氏は紹介し、「いまや36型くらいの大きさは当たり前のように普及し、"HD=快適"という感覚も変わってきている」と述べた。

4Kは横3,840ドット・縦2,160ドットと、横・縦ともにフルHD(1,920×1,080ドット)の2倍の画素を持っており、フルHD表示の映像を見る場合の半分の距離に観賞者が近づいても、同じ精細感を感じることができる。

同じサイズのテレビであっても、4K表示ではより近くで楽しみやすくなり、より臨場感のある映像体験ができるという。

「ブラビア」では、人々の五感を刺激する体験を追求する

フルHDの縦横2倍ずつの画素数を持つことで、より精細な映像表示が可能になる

画面に近づいても精細感が失われないので、より大画面で楽しむことができる

4Kはソニーが提唱する"感動"を映す窓

4K表示対応とはいえ、まだ民生機器向けの4K表示コンテンツはほとんどないのが現状だが、「ソニーが培ってきた超解像高画質回路『4K X-Reality PRO』により、ブルーレイディスク(BD)などのHDコンテンツも4K画質にアップスケールして精細に表示できる」と説明。また、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントでも映画・テレビ番組などにおいて、すでに30本以上の4Kコンテンツ制作を進めているという。

また、KD-84X9000では音響面についても重視したという。今村氏は「最近のテレビは、デザインは良いが、音が良くないという声がある」と述べた上で、「良い画で見ていれば、やはり音も良いものを望むもの」とコメント。KD-84X9000では、左右にウーファー×4基、ツイーター×2基、サブウーファー×4基と、音響専門チームがこだわり抜いて作ったという。

ソニー独自の超解像処理で、HDコンテンツも高精細な表示が可能

サウンド面も、ソニーの音響専門チームがこだわり抜いて作ったという

KD-84X9000のスピーカーシステムを手に持つ今村氏

最後に、今村氏は「この4Kの『ブラビア』は、ソニーが提唱する"感動"を映す窓だ」と述べ、見る人の心を揺さぶる体験ができる製品であることを強調した。

デジタルカメラ並みの画素数(約829万画素)で、近付いて見ても精細感が失われない(写真をクリックすると拡大します)

フォトギャラリー

クリックで拡大とスライドショー

iconicon