【レポート】

化学とロボット工学が出会って生まれる新学術領域「分子ロボティクス」

3 4つの計画研究が推進

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分子ロボット構築のための方法論確立を目指した取り組みが開始

今回の学術領域では、4つの計画研究と、公募研究によって、分子ロボットの構築のための方法論の確立を目指していく。まず研究の骨子となる計画研究においては、「A01 感覚班」、「B01 知能班」、「C01 アメーバ班」、「D01 スライム班」の4つが編制された(画像6)。

画像6。総括班の下に感覚、知能、アメーバ、スライムの4班がある体制の研究組織である

感覚班はセンサを、知能班は情報処理回路を、そしてアメーバ班は実際に分子ロボットとして第1世代となる「アメーバ型」分子ロボットを、最後のスライム班はアメーバ型のスケール面での壁をクリアする形で第2世代の「スライム型」分子ロボットを開発していく(画像7~9)。

画像7(左)は感覚、知能の両班の研究内容を、画像8がアメーバ、スライムの両班の研究内容を簡単にまとめたもの

画像9。分子ロボットの進化シナリオ。今回の5年間では、第2世代のスライム型までを目指す

このほか、総括班では、常時各班の研究進捗を確認しながら、整合性が取れる目標を設定・調整し、研究班同士の間の連携を促して、分子ロボティクス学術領域の確立を努めると共に、そのための人材育成を行うというわけだ。また、周辺の学術分野へのフィードバックのため、関連研究者に向けたシンポジウムや、一般や高校生向けなどのアウトリーチ活動にも力を入れるとしている。

また、公募研究とは、現時点では総括班にも、各班にも参加していない研究者でも、分子ロボットに関する興味を持っていて研究題材を提案できるのであれば、応募することが可能というわけだ。

また参加メンバーだが、オールジャパン体制で、そうそうたる研究者がそろっている。代表者は前述したように萩谷教授で、同教授も総括班所属だ。総括班のメンバーは、以下の通り。

総括班メンバー

  • 研究代表者:萩谷教授(コンピュータ科学)
  • 連携研究者:齊藤博英准教授/京都大学(バイオエンジニアリング)
  • 連携研究者:小林聡教授/電気通信大学(計算機科学)
  • 連携研究者:小長谷明彦教授/東京工業大学(知能情報学・生命情報学)
  • 連携研究者:安永正浩ユニット長/国立がん研究センター(ドラッグデリバリーシステム)
  • 連携研究者:横山昌幸准教授/東京慈恵会医科大学(医用生体工学)
  • 連携研究者:大和雅之教授/東京女子医科大学(医用生体工学・再生医療)

そして、感覚班のメンバーは以下の通り。

感覚班メンバー

  • 研究代表者:齊藤准教授(総括メンバー兼任:画像10)
  • 研究分担者:瀧ノ上正浩講師/東京工業大学(生物物理学、非線形非平衡物理)
  • 研究分担者:遠藤政幸准教授/京都大学(生物有機化学)
  • 研究分担者:鈴木泰博准教授/名古屋大学(自然計算、複雑系)
  • 連携研究者:庄田耕一郎助教/東京大学(生物物理学)

画像10。感覚班を率いる、京都大学の齊藤博英准教授

続いて、知能班のメンバーは以下の通り。

知能班メンバー

  • 研究代表者:小林教授(総括メンバー兼任:画像11)
  • 研究分担者:藤本健造教授/北陸先端科学技術大学院大学(核酸化学)
  • 研究分担者:山下雅史教授/九州大学(計算機科学)
  • 研究分担者:原雄介研究員/産業技術総合研究所(高分子化学、ソフトアクチュエータ)
  • 研究分担者:小宮健助教/東京工業大学(DNAナノテクノロジー)
  • 連携研究者:井村順一教授/東京工業大学(制御工学)
  • 連携研究者:横森貴教授/早稲田大学(計算機科学)
  • 連携研究者:Rondelez Yannick特任准教授/東京大学(物理化学)
  • 連携研究者:速水謙教授/国立情報学研究所(数理工学、数値解析)

画像11。知能班を率いる電気通信大学の小林聡教授

さらに、アメーバ班のメンバーは以下の通り。

アメーバ班メンバー

  • 研究代表者:小長谷教授(総括メンバー兼任:画像12)
  • 研究分担者:角五彰准教授/北海道大学(高分子科学・分子ロボティクス)
  • 研究分担者:平塚祐一准教授/北陸先端科学技術大学院大学(ナノバイオ)
  • 研究分担者:野村慎一郎准教授/東北大学(人工細胞工学・分子ロボティクス)
  • 研究分担者:葛谷明紀准教授/関西大学(生体超分子化学)
  • 研究分担者:松浦和則教授/鳥取大学(生体高分子化学)
  • 研究分担者:瀧口金吾助教/名古屋大学(生物物理学)
  • 連携研究者:豊田太郎准教授/東京大学(コロイド・界面化学)

画像12。アメーバ班を率いる東京工業大学の小長谷明彦教授

最後のスライム班のメンバーは以下の通り。

スライム班メンバー

  • 研究代表者:萩谷教授(総括メンバー兼任)
  • 研究分担者:浅沼浩之教授/名古屋大学(生物有機化学)
  • 研究分担者:村田智教授/東北大学(分子ロボティクス、創発システム)
  • 研究分担者:浜田省吾助教/東北大学(DNAナノテクノロジー)
  • 研究分担者:有村隆志主任研究員/産業技術総合研究所(超分子、有機合成)
  • 研究分担者:菅原研准教授/東北学院大学(群知能システム)
  • 研究分担者:宮元展義准教授/福岡工業大学(機能材料化学)

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インデックス

目次
(1) 文科省が新学術領域の研究として分子ロボットの創生を採択
(2) 分子レベルでロボットの定義を実現する分子ロボティクス
(3) 4つの計画研究が推進
(4) 分子ロボティクス実現に向けた研究の内容や目標 - 感覚班と知能班
(5) 分子ロボティクス実現に向けた研究の内容や目標 - アメーバ班とスライム班
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