各国の首脳同士がキスをしているような合成写真広告など、これまでに過激な広告キャンペーンを行なってきたイタリアのファッションブランド ベネトンが"失業者"を対象とした新たなキャンペーンを展開している。そのキャンペーンとは「UNEMPLOYEE OF THE YEAR -本年の最優秀失業者-」だ。

UNEMPLOYEE OF THE YEAR -本年の最優秀失業者-

同キャンペーンでは、コンテストの全期間中(2012年10月14日まで)において、連続して6カ月以上無職状態にある18歳~30歳の若者からプロジェクトアイデアを募集。100のプロジェクトに対して1プロジェクト当たり5,000ユーロ(約50万円)の資金を付与し、サポートしていく。9月25日午前の時点で約4500名、約150のプロジェクトアイデアが登録されている。

世界中の無職の若者が参加している

キャンペーンへの参加希望者は、ルールに同意した上でプロジェクトアイデア、失業期間の経験を登録。プロジェクトアイデアに求められるのは、地域福祉にポジティブかつ確固たる影響を与えるものであること。キャンペーンの事務局であるアンヘイトファウンデーションの目的である"UNHATE(反・憎悪)"を促す新しいカルチャー生成の貢献に見合うものであることの2点。

若いミュージシャンによる貧困層向けのコンサート開催など、続々とプロジェクトアイデアが集まる

登録されたプロジェクトは、同キャンペーンに参加するコミュニティーによる投票にかけられ、受賞者は2012年10月31日までに最終決定、同サイト上で発表される。

ちなみに、キャンペーンに参加すると有名雑誌の表紙にあたかも自分が登場したかのような画像を生成することができる。参加者からクチコミで他のひとにキャンペーンの存在が知られることを狙っているのであろう。

TIMES誌、WIRED誌など、有名雑誌のパロディーが笑いを誘う

ベネトンは以前にも、"UNHATE(反・憎悪)"というテーマを掲げ、メッセージ性の強い広告キャンペーンを展開してきた。各国の首脳同士がキスをしているような合成写真の一部は、ローマ法王庁からの強い抗議を受け、撤去する事態にまで至った。

「UNEMPLOYEE OF THE YEAR」から世界中の無職の若者を奮起させるプロジェクトは生まれるのか、注目だ。