時代は既に64ビット。以前から32/64ビット版をリリースしているWindows OS(オペレーティングシステム)や、Macintosh(マッキントッシュ)のOS Xも以前から64ビット化されています。その一方でソフトウェアにも、64ビット化の波が訪れていますが、まだ完全移行したとは言い難いのが現状。そこで一定の知名度を持ちながらも、64ビット化されていることを知られていないオンラインソフトや市販のソフトウェアを紹介します。64ビット版OSをお使いの方は是非ご覧ください。

CUIを使いやすくする「ファイラー」の存在

GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を実装していなかったMS-DOS時代。CUI(キャラクターユーザーインターフェース)ベースであるOSを操作するには、一定の慣れとテクニックを必要とされていました。ファイルを別の場所にコピーする際は「copy foo.txt d:\bar.txt」と、コンピューターの操作に不慣れなユーザーには呪文のようなコマンドを駆使しなければならず、コンピューターの普及を足止めする大きな要因となっていたのです。

これらのファイル操作を視覚的に行う「ファイラー」というジャンルに属するツールが次々と発表されたのは、コンピューターのインターフェースがCUIからGUIに移りつつある1980年代後半。1986年にはPeter Norton Computing(ピーターノートンコンピューティング)が開発した「Norton Commander(ノートンコマンダー)」がリリースされました(図01)。

図01 「Norton Commander」。DOS向け最終版の一歩手前となるバージョン5.5

読者の中にはPeter Norton氏の名前に聞き覚えもあることでしょう。ご存じのとおり同社はSymantec(シマンテック)に買収され、「Norton Desktop for Windows」など数多くのユーティリティ系アプリケーションを発売してきましたが、本題からそれてしまいますので、続きは稿を改めます。海外では、Miguel de Icaza(ミゲル・デ・イカーサ)氏の「Midnight Commander」、日本では出射厚氏の「FD」といった数多くのファイラーが登場し、コンピューターの操作性を著しく向上させて行きました。

Windows 3.xの時代になりますと、OSが標準でファイラーを搭載するようになりました。これは流れはMS-DOS 4.0に搭載された「DOSSHELL」も含まれますが、ご覧のとおり、あまり使い勝手がよさそうに見えません。筆者も当時はWindows 3.1を終了させ、MS-DOS上のVz Editorが備える機能を使用し、ファイル操作を行っていたように記憶しています(図02)。

図02 Windows OSに初めて搭載された「ファイルマネージ」(画面はWindows 3.1)

この流れはWindows 95以降も変わらず、比較的緩慢な動作を行うエクスプローラーよりも、質実剛健なファイラーを選択するユーザーは少なくありませんでした。Windows OS用ファイラーも星の数ほど存在しますが、Windows 3.x時代から開発が始まり、2012年現在でもリリースされ続けているファイラーの一つが「FileVisor(ファイルバイザー)」シリーズです。2011年4月には64ビット版Windows OSにネイティブ対応した「FileVisor7」をリリースしました(図03~04)。

図03 エクスプローラー以上の機能を備える「FileVisor7」。30日間試用可能です

図04 「タスクマネージャー」で確認しますと、32ビットプロセスであることを示す「*32」が付いておらず、64ビットネイティブアプリケーションであることが確認できます

エクスプローラーと同等のファイル操作機能を備えつつ、複数ファイルの多彩な一括リネーム機能やアプリケーションランチャーとしても利用できるタブ切り替え機能を備えたオブジェクトバー、フォルダ内容の同期など数多くの機能を備えています。

確かにWindows OSのエクスプローラーは、ファイル/フォルダーに関して特化したツールのため、純粋に比較するべきではありません。しかし、ファイル管理という点を踏まえますと、エクスプローラーはあまりにも冗長であり、大量のファイルは素早く処理する作業には不向きです。

その点「FileVisor7」は、前述のリネーム機能や使用頻度の高いフォルダーを開くしおりパネルや、圧縮ファイルの作成や展開を行うアーカイブ機能といった各機能の充実さを見れば、Windows OS上でのファイル管理効率が大幅に向上するのは言うまでもありません。そのため、一度「FileVisor7」を使ってしまいますと、Windows OS標準のエクスプローラーでは物足りなくなってしまうでしょう。

「FileVisor7」はファイラーというジャンルに含まれるため、32/64ビットの差が生じにくく、今回はベンチマークテストを見送りますのでご了承ください。なお「FileVisor7」は、初回インストール時から30日間は無償試用が可能です。試用期間内の機能制限はありませんので、「ファイラー」が愛用されていた時代を踏襲し、ファイル操作の利便性を大幅に向上される「FileVisor7」を一度お試しください。

FileVisor7

ジャンル: ファイルマネージャー
価格:3,150円

阿久津良和(Cactus)