体感はかなり速いぞ!? ベンチマークの結果は!?

ではパフォーマンスの上がり具合をまとめてみたい。今回はベンチマークの数値を採る都合上、もともとのHDDの環境もクリーンインストールしているのだが、その際のHDDとSSDのOSインストールの所要時間から段違いだったので、かなり期待できる。

まずはOSの起動/終了のレスポンスを時間で測ってみた。下にそれぞれの動画も置いたが、(1)電源OFF状態からOSが立ち上がるまでと、(2)電源ON状態から再起動をかけOSが再度立ち上がるまで、という2パターンを試している。(1)では、HDD環境が105秒、SSD環境が55秒で、大体2倍の高速化ができた。(2)では、HDD環境が135秒、SSD環境が90秒で、SSDが速いには速いが、シャットダウンでは多少高速化した程度だったので、2倍高速とまではいかなかった。

動画
HDD環境でのOS起動の動画。約105秒かかった

動画
一方のSSD環境では、OS起動を約55秒で完了。2倍近い高速化だ

動画
HDD環境で再起動を試みた際の動画。約135秒と、結構イライラする速度

動画
SSD環境で再起動を試みた際の動画。こちらは約90秒で完了した

ベンチマークソフトは、まずはPCMark05で計測してみた。利用シーンごとの実アプリケーションの動作などのパフォーマンスを計測し、パソコンの総合性能を測るというベンチマークソフトだ。結果は以下の表にまとめるが、総合スコアのPCMarksが1.5倍程度まで跳ね上がっている。ストレージテストの結果を細かく見ても、OS起動で10倍以上、アプリケーションのレスポンスでも10倍以上、ウィルススキャンで2倍、ファイルコピーで3倍など、段違いの性能を発揮している。

■PCMark05
HDD環境 SSD環境
PCMarks 2875 4070
CPU 4198 4184
Memory 3377 3371
Graphics 931 924
HDD 3306 21975
■PCMark05 HDD Test
HDD環境 SSD環境
XP Startup 5.581MB/s 63.978MB/s
Application Loading 4.478MB/s 58.170MB/s
General Usage 3.713MB/s 52.084MB/s
Virus Scan 57.744MB/s 107.781MB/s
File Wriht 30.316MB/s 100.932MB/s

続いてはストレージ性能をCrystalDiskMarkで計測してみた。結果は以下の通りで、HDD環境ではシーケンシャルでも30MB/秒台で、ランダム512KBで20MB台、さらにデータが小さいランダム性能では1MB/秒を下回るというもので、まぁノートPC向けのHDDだとこんなものだろう。一方のSSD環境では、シーケンシャルで120MB/秒程度、ランダム512KBでも100MB/秒程度、4Kランダムでも先ほどのHDDのシーケンシャル並と、全ての項目で次元の違う高速性能を発揮している。

HDD環境でのCrystalDiskMarの結果

SSD環境でのCrystalDiskMarの結果

SSDの効果は大きい、自分のパソコンに見合ったモデル選択も重要

さて、圧倒的な性能を見せ付けたSSD。ただ、シーケンシャルで500MB/秒オーバーが当たり前のPlextor M3 Proとしては、今回のベンチマークスコアは物足りない。これは、今回のThinkPad X60のプラットフォームが、冒頭で述べたようにSATA 1.5Gbpsまでしか対応しておらず、規格上の転送速度上限に達してしまっているためだ。

ThinkPad X60のプラットフォームはSATA 1.5Gbpsまでしか対応していない。I/Oの規格上限をSSD性能が上回り過ぎていた

ちなみに、SATA 6Gbps(SATA III)だとどうなるかというのが、この数値。左が今回使った「PX-512M3P」で、右が128GBモデルの「PX-128M3P」のものだ

まぁ、実使用の体感では、(プロセッサ依存の3Dゲームや動画エンコードでもしない限りは)、X60がまるで最新のモバイルノートであるがごとく、一般的なアプリケーションをサクサク動作させてくれる満足行くマシンに生まれ変わってくれたので、「これで1万円ちょっとなら安いもんだ」と思う。気分的には、さすがにSSDの性能がオーバースペック過ぎており、少し勿体無い感じではあった。筆者のX60を甦らせる程度なら、もうちょっと安いモデルでも十分だっただろう。

ただ、今後数年して、SATA 3Gbps(SATA II)のノートPCの復活っ!! となっても、さらにこのSSDを再利用するだけで性能を倍化できるし、そもそも現行最新のSATA 6Gbps(SATA III)ノートPCの換装用には最適だ。SSD自体は5年保障もあるので、将来の流用も視野に入れやすい。ノートPCだから買い換えるしか……とあきらめる前に、ストレージの換装を検討するというのは、ハイエンドのSSDがこれだけ安く手に入る状況だけに、結構スマートな選択肢であるように思える。