ビジネスに一層のスピード感が求められる現在、BYOD(Bring Your Own Device:私物利用)に対するニーズの高まりは当然の流れと言えるだろう。しかし、ジュニパーネットワークスが世界5ヵ国を対象に実施した、業務におけるモバイル端末の利用動向調査からは、日本が"BYOD後進国"であるという事実が判明した。そしてこの調査結果は、日本企業でモバイル端末利用が進まない要因がセキュリティにあることも明らかにしている。

日本企業の経営層にせよ従業員にせよ、BYODを求める声が高いことに変わりはない。では、スマートフォンのようなモバイル端末から企業のネットワークへとセキュアにリモートアクセスするには、どのような対策を講じればよいのだろうか。その具体的な方法と、実際にそうした環境を実現してBYODをビジネスに活用している企業の事例について、ジュニパーネットワークス マーケティング部 エンタープライズ ソリューションマーケティングのマネージャー、小川直樹氏に話を聞いた。

9月19日に開催される「BYOD時代の企業IT/ネットワーク戦略の鍵がここに!」で後援するジュニパーネットワークス マーケティング部 エンタープライズ ソリューションマーケティングのマネージャー 小川直樹氏

マルチデバイスに対応するセキュアなリモートアクセス環境を

小川氏は、企業が押さえるべきBYODの要諦について、以下のように語る。

「BYODの導入を検討する際、モバイルデバイスからのアクセスに加え、スマートフォンもPCも含めたあらゆる端末、つまり、マルチデバイスに対応したセキュアなリモートアクセス環境への対応を考えるべきです。さらに、そうしたBYOD対応の延長で、有線ネットワークや無線ネットワークといった異なる接続形態も含めてシンプル化を図るようにしたいものです。例えば、ポリシーに応じて有線から無線にアクセス方法が自動的にかつスムーズに切り替わるなど、アクセス方法が変わっても同じポリシーを適用できるというが目指すべき環境です」

同氏が語ったような、マルチデバイスに対応しつつ、さまざまなアクセス方法を柔軟かつセキュアにコントロール可能な環境を実現するのが、ジュニパーネットワークスが提唱する「シンプル・コネクト」のコンセプトに基づいた製品群だ。"簡単につながる"という言葉を現実のものとするこれらの製品は、エンタープライズ環境におけるあらゆるモバイル端末の管理とセキュリティ確保をサポートするスイッチ製品やセキュリティ製品、ワイヤレス製品で構成されている。

こうした製品群を活用してシンプル・コネクトの環境が実現すれば、セキュリティポリシーとアクセスポリシーを設定するだけで、自動的に各種モバイル端末からネットワークへのアクセス制限が可能になるため、セキュリティの強化はもちろん、管理者の負担も軽減できる。

「生産性の向上とセキュリティ強化を両立させてこそ、BYOD導入の本当の効果が生きてくる」

国内初のBYOD先進事例を紹介

「シンプル・コネクト」製品群を活用してBYODを積極的に進めているのが、NTTコミュニケーションズである。同社は、BYODソリューション「モバイルコネクト」を展開するにあたり、同社自身がこのソリューションの最初の導入企業となったのだ。

NTTコミュニケーションズがBYODを実現するソリューションを構築するにあたって重視したのは、従業員が使う多彩なモバイル端末に対応したリモートアクセスに対応することだった。iOS端末やAndroid端末、そしてWindows PCなどから、セキュリティを保ちながら社内システムにアクセスできるマルチデバイス対応のソリューションを同社は求めた。その結果採用したのが、ジュニパーネットワークスのSSL VPN/NACアプライアンス「MAGシリーズ」と、統合型マルチサービス・ネットワーク・クライアント「Junos Pulse」だったのである。

NTTコミュニケーションズでは、MAGシリーズとJunos Pulseが連携することで、管理やソフトウェアインストールのアップデート頻度を抑え、会社支給の端末や個人所有端末に対する保守・管理の作業も減少することができた。その結果、運用コストや設備投資の削減を実現したという。また、Junos Pulseはマルチデバイスに対応したユーザーベースのセキュリティポリシーを一貫して適用できるため、管理者側の負荷も削減できたのである。

同社の先進的なBYODの取り組みは、東京都による表彰を受けるなど、高い評価を得ている。

こうしたシンプル・コネクトを実現するジュニパーネットワークスのシンプ・コネクト製品群の具体的な導入方法や使用方法、そしてNTTコミュニケーションズによるBYOD実践事例のより詳しい内容について知りたい方は、9月19日に東京で開催される同社のセミナーに足を運んでみてはいかがだろうか。