そして気になっていたEvernote、Facebook連携だ。「設定」からEvernote、FacebookのIDとパスワードを設定することで機能が使えるようになる。具体的には、たとえば読んでいる本の情報をFacebookに投稿したり、ハイライトした箇所をEvernoteに保存したりできるのだ。Evernoteに関しては、設定で「ダウンロードするノートブック」や「アップロードするノートブック」など細かい指定が可能となっている。個人的には電子書籍端末にソーシャル連携機能は不要だと考えているが、書籍によってはメモして残しておきたい箇所が出てくることもあるので、Evernote連携はありがたい。これがないといちいち書籍を見ながら手で打ち込むしかないからだ。

目玉の一つ、Facebook連携

Evernoteとの連携は待ち望んでいた人も多いのでは

続いてテキストメモだ。ここに限らず、IDを入力したり、ウェブブラウザで検索する際にテキストを打ち込んだりと、ソフトキーボードを使う機会は意外と多い。本機種のキーボードは「ひらがな」「全角アルファベット」「半角アルファベット」「数字・記号」の4つがあり、それらを切り替えながら入力していくことになる。「全角アルファベット」の存在意義がよくわからないが、キーボードのキー同士は適度に離れているため、ペンを使わない指入力でもそれなりにスムーズだった。ただしタッチ感度は相変わらずであるが。

なんだかんだで使う機会の多いキーボード

最後にソニーが運営するReader Storeについても触れておこう。Reader Storeは書籍数63,600冊(2012年9月3日時点)を誇る日本最大級の電子書籍ストアだ。もちろん完全に満足がいく品揃えではないのだが、書籍、コミック、雑誌とバランスよくそろっているところは評価したい。特に「書籍」の小カテゴリである「文学」は約2万点とかなりの数が用意されている。現時点での電子書籍ストア界では扱いやすいサイトだといえる。

ソニー運営のReader Store

電子書籍端末としては申し分ない

まとめよう。「PRS-T2」は、この手の電子書籍端末としては標準的な使い勝手を備えており、ボタンがあるおかげでストレスなく読書を楽しむことができた。シンプルな外観とスマホレベルの軽さのおかげで、電車等での使い勝手もよさそうだ。また、ハイライトや書き込み機能とEvernoteとの連携がなかなか便利そうだと感じた。ただしウェブブラウザでのウェブ閲覧は頻繁に使うにはちょっと苦しいし、写真もどこにニーズがあるのかよくわからない。中途半端にタブレットの要素を盛り込むのではなく、あくまでも電子書籍を読むというところに特化してほしい。