「kobo Touch」を引っさげて業界へ参入した楽天や、日本上陸の噂が絶えないアマゾン・キンドルなど、電子書籍産業がここへきて急激な盛り上がりを見せている。そろそろ電子書籍ライフを送ってみようか……と考えている人も増えていると思うが、そこで気になるのが電子書籍を購入できるストアはどこを使えばいいのか、という問題だ。

現在、国内には様々な電子書籍ストアが乱立状態となっており、一人勝ちしているサイトはまだ存在しない。ストアによって品揃えや扱う書籍の傾向、対応端末は異なるため、自分に合ったストアを慎重に選ぶべきだろう。

そこで今回、国内の主要電子書籍サービスから10サイトを選び、それぞれの特徴を比較してみることにした。各サイトの取り扱い冊数については、公開しているところはその数値を、公開していないところについてはカテゴリーの検索結果などを用いて手計算で算出しているため、あくまで概算数値として認識いただきたい。電子書籍ストアを選ぶ際の参考になれば幸いだ。

なお、7月に発売された電子書籍専用リーダー2機種、楽天・Koboの「kobo Touch」とソニーから9月21日に発売されるReaderの新モデル「PRS-T2」のレビュー記事も併せて参考にしていただきたい。

Reader Store

Reader Store」は、Sonyが運営する電子書籍ストア。当然のことながらSony TabletやSony電子書籍リーダーに対応しており、一度購入すればすべての端末で楽しめる。これらを所持しているならまず候補に挙がるストアだ。オープンから約2年が経過しているだけあり、品揃えは豊富でストアサイトも使いやすくなった。現在「書籍」は約38,000点あり、「文学」「語学」「参考書」「児童書」など16ジャンルに分類、「コミック」は約22,000点で7ジャンルに分類されている。それぞれのジャンルは、さらに小ジャンルや雑誌名でカテゴライズされており、効率的に絞り込んでいくことができる。著者名・出版社インデックスや売り上げランキングなどアプローチの手段も充実。最大にして唯一の欠点は対応端末が限定的なことだろう。2012年秋にはXperia以外のAndroidスマートフォン・タブレットに対応していく予定とのことなので、期待したい。

運営 Sony
冊数 63,600(2012年9月3日時点)
対応端末・OS 「Xperia」「Sony Tablet」「Reader」

紀伊國屋書店 BookWeb Plus

紀伊國屋書店 BookWeb Plus」は、大手書店・紀伊國屋書店が運営する電子書籍ストア。通販サイトの1カテゴリとして運営されている。購入した書籍はPCをはじめ、iOSやAndroid(専用アプリあり)、さらには「Sony Reader」「パナソニックUT-PB1」でも読めるという対応端末の豊富さが売り。2012年9月にはMac版ビューワもリリースが予定されており、隙のない布陣となる。取り扱い冊数は5万冊を超えており、「文芸」約16,000点、「ライトノベル」約4,200点、「コミック」約18,000点とバランスよくそろっている。各ジャンルはさらに小ジャンルに分かれており、詳細検索を使えば書名や著者名、キーワードの他、ISBNなどでも探すことができる。PCには専用ビューワが、iOSとAndroidには専用アプリ「Kinoppy」があり、どの端末でも購入した本を同期して読むことができる。

運営 紀伊國屋書店
冊数 51,244(2012年9月2日時点)
対応端末・OS 「PC(Macは2012年9月中旬リリース予定)」「iOS」「Android」「Sony Reader」「パナソニックUT-PB1」

BOOK WALKER

BOOK WALKER」は角川グループ直営の電子書籍ストア。読むためにはスマートフォンかタブレット端末が必要となる。一度購入すれば他の端末でも無料で再ダウンロード可能だ。取り扱い冊数は約7,500冊と少ないように思えるが、角川グループの書籍に特化しているため、むしろ十分な数字といえる。最大の特徴は品揃えのユニークさ。「ライトノベル」や「コミック」だけで5,000冊近くあり、ジャンルの分類も「ゲーム/攻略本」や「ケータイ小説」など他のストアとは一味も二味も違う。「角川文庫」や「富士見ファンタジア文庫」「電撃文庫」「角川スニーカー文庫」といったレーベル別に探せるのも大きな特徴だ。電子書籍で読みたい本に角川グループのライトノベル・コミックが多いのであればここを使うといいだろう。ラインナップが他の電子書籍ストアとかぶりにくいため、併用するのもおすすめだ。

運営 角川グループ
冊数 7,563(2012年9月2日時点)
対応端末・OS 「iOS」「Android」