ニコンのミラーレスカメラ「Nikon 1」シリーズの最新作「Nikon 1 J2」が登場した。2011年に発売された「Nikon 1 J1」の後継機にあたり、基本デザインを維持しながら、撮影機能の強化と操作性の改善を実現している。その画質や使い勝手はどうなのか。実写を交えた製品レビューをお伝えしよう。

「Nikon 1 J2」

昨秋に登場したニコン初のミラーレスカメラ「Nikon 1 J1」と「Nikon 1 V1」は、同社では52年ぶりとなる新マウント「ニコン1マウント」を採用し、レンズ交換式ながらコンパクトデジカメに匹敵する小型軽量ボディを実現した。撮像素子に1型のセンサーを搭載したことや、像面位相差AF(ハイブリッドAF)によるスピーディなAF駆動を可能にしたことも話題となった。

製品としての位置付けは、コンパクトデジカメと一眼レフのちょうど中間だ。コンパクトデジカメに物足りなさを覚えて、レンズ交換式カメラにステップアップしたい。しかし、既存の一眼レフカメラでは、大きさや重さ、難しさなどの点でハードルを感じる……そんなユーザーが主なターゲットになっている。

そんな「Nikon 1」シリーズの第3弾が、9月発売の「Nikon 1 J2」である。これまでの2製品のうち、電子ビューファインダーを省くことで携帯性を重視した下位モデル「Nikon 1 J1」の実質的な後継機となり、撮影機能の強化や操作性の改善が図られている。

まず外観から見てみよう。J2のボディは、J1の基本デザインをほぼそのまま継承し、前面と天面をフラットに仕上げたシンプルなフォルムに仕上げている。金属を多用した外装には高品位な質感があり、まずまずの剛性感も感じられる。カラーバリエーションは全6色。今回試用したレッドのモデルは、前面から側面にかけて小さな六角形のテクスチャー処理を、天面には薄いヘアライン処理をそれぞれ施すことで、手触りのよさと見た目の高級感を高めている。

天面には、電源スイッチ、シャッターボタン、動画撮影ボタンを装備する

CXフォーマットの撮像素子を備え、マウントには「ニコン1マウント」を採用する

グリップと呼べるものは特にないが、ボディには適度な厚みがあり、ホールド時のバランスは悪くない。オプションの外付けグリップを装着して、さらにホールド性を高めることも可能だ。

J1からの外観上の変更点は、背面のボタンやダイヤルが若干ながら大型化したこと。形状もやや改良され、操作がよりしやすくなった。外形寸法は同じで、重量は3g増加。液晶モニターは同じ3型ながら、ドット数が約46万ドットから約92万ドットへと精細化している。

約92万ドットの3型TFT液晶を新搭載。ボタン類はやや大型化して操作感が向上した

上位機V1にはない、ポップアップ式のストロボを内蔵する

記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードで、電源はリチウムイオン充電池

レッドとピンクのモデルには、外装の表面に細かいテクスチャーが刻まれている