【レポート】
ソーシャルメディアの普及と共に市民権を得た「シェア文化」。今や、日本語でも「シェアする」と言えば通じる。われわれは、ランチのメニュー、読んだ本や観た映画、子どもの習い事など、何でも誰とでもシェアするようになった。
こうしたシェア文化を「行き過ぎ」として、New York Timesが「Thank You for Sharing. But Why at the Office?(共有してくれるのはうれしいが、なぜ職場で?)」というコラムで取り上げているので、その要旨を紹介しよう。
われわれはこれまで相手と場面に応じて共有する話題や範囲を自然と選んできた。仕事上のミスの話、休暇の話、男女関係の悩み、ビジネスにおける重要な話、子どもや家族の話、これらの話をする相手はすべて同じではないはずだ。だが、ソーシャルメディアにおいてはこのルールは当てはまらない。
ソーシャルメディアでは、制限をかけなければ、自分の子どもの写真、食べた昼食の写真、近況報告など、登録者全員と共有することになる。つまり、普段だったら話をしない人にも自分自身の話が瞬時に伝わるということだ。
こうしたネット上の「シェア」カルチャーは現実の世界にも影響しつつあるようだ。コラムの筆者であるPeggy Klaus氏は、「酔った時の些細な事件から、転職活動まで、20代の若者が職場で何でもかんでも話すことに驚いている」と記している。
その背景について、Klaus氏は「オンラインでの行動の延長だろう」とし、ソーシャルメディアの影響を挙げる。問題は、コミュニケーションをとる際に「場所」と「相手」を考慮しなくなったことだ。自己中心的なベビーブーマー世代を親に持ち、自身の価値を過大評価しているのかもしれないし、誰かとつながっていること(関わりを持っていること)を強く求めている結果かもしれない、とも記している。その結果、「職場は第2の家庭のような存在となり、心地よく過ごすために自分のことを何でも話すのではないか」と分析している。
だからといって、Klaus氏は自分の話をすることがすべて悪いとは言っていない。自分のパーソナリティの良い面を職場で表現することは大切なことであり、私的な話をすることで信頼関係は増長する。
そこで、シェアする際は、以下の点に注意するようアドバイスしている。
こう考えると、酔っぱらった時の事件を上司や取引先とシェアすることが不適切であると判断できるだろう。
ソーシャルメディアの時代もビジネスマナーは必要なはず。現実世界はもちろん、ネットでもマナーを考えたうえでシェアしたほうがよさそうだ。
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