ブラザー工業およびブラザー販売は23日、インクジェットプリンタ/複合機の新ブランド「PRIVIO(プリビオ)」に関する記者説明会を開催。新ブランドと新モデルの紹介や販売戦略の説明が行われた。後半にはPRキャラクターとして起用されたガールズユニット「モデルガールズ」が登場し、パフォーマンスを行った。

ブラザーがインクジェットプリンタ/複合機の新ブランド「PRIVIO」を立ち上げ、新製品をアピールした。写真右はモデルガールズ

PRIVIOの製品群は、ミドルクラスの「PRIVIO BASIC(プリビオ ベーシック)」、高機能の「PRIVIO NEO(プリビオ ネオ)」、ビジネス向けの「PRIVIO WORKS(プリビオ ワークス)」の3シリーズで展開する。同日発表されたのは、PRIVIO BASICの15機種と、PRIVIO NEOの2機種。各モデルの概要などは以下の別記事を参照いただきたい。

プリンタ2012秋 - ブラザーの新ブランド「PRIVIO」始動
プリンタ2012秋 - ブラザー驚きのA3機「DCP-J4210N」はA4横給紙&最小クラス
プリンタ2012秋 - ブラザー、家庭向けの全部入り複合機など5モデル
プリンタ2012秋 - ブラザー、コードレス子機/FAX/ADF付き複合機など10製品

総合プリンタメーカーとして勝負をかける

冒頭で登壇したブラザー販売 代表取締役社長の片山俊介氏からは、販売戦略について説明があった。同氏によれば、国内市場におけるインクジェットプリンタの販売台数は、2009年から今日まで徐々に増加しているという。これは買い換え需要期に差し掛かっているためで、同氏は2014年までこの微増傾向が続くとしている。

「ブラザー=プリンタというイメージが皆様に浸透していくことを目指しています」と話す片山氏(写真左)。写真右はインクジェットプリンタの市場状況

このタイミングで投入するのが、今回のPRIVIOシリーズとなる。片山氏は「総合プリンタメーカーとして勝負をかけていく」と語り、PRIVIOの販売戦略に自信をのぞかせた。PRIVIO BASICは家庭で簡単便利に使えるように開発されたモデルで、高性能/高機能のPRIVIO NEOは今回の一番の目玉。PRIVIO WORKSはA3などを大量にプリントできるビジネス向けという位置付けだ。

家庭での使用を想定したPRIVIO BASIC、家庭でもオフィスでも使える高性能/高機能ラインのPRIVIO NEO、ビジネス向けのPRIVIO WORKSで展開する

ちなみにPRIVIOとは「Print」と「Innovation」の2語を組み合わせた造語とのこと。片山氏によれば、「今までにない発想や新しい技術を積極的に取り入れ、プリンタメーカーとして革新的な価値を創造していく」という強い思いが込められているという。ブラザーでは「インクジェットプリンタ業界における第3の選択肢へ」をキャッチフレーズに、今後も家庭用からビジネス用まで幅広いラインアップをそろえて展開していく方針だ。

これまでの常識にとらわれない新発想・新技術で作ったPRIVIO NEO

ブラザー販売 取締役の三島勉氏

続いて登壇したブラザー販売 取締役の三島勉氏からは、新製品について詳しい説明があった。新モデルでもっとも注目しておきたいPRIVIO NEOについては、「これまでのプリンタの常識にとらわれることなく、新しい発想と技術で産み出したプリンタ」という。

A4用紙を横向きに送る給紙方式を採用したことで、クラス最小の奥行き290mmを実現。用紙に小さな縦波をつけて紙送りすることで、用紙の剛性を高めるという斬新なシステムを採用している。これにより、横送り給紙に起因する用紙のカールや紙詰まりの問題を克服したという。さらに、コンパクトな本体でありながらA3用紙にも対応している。

また、インク滴のドットサイズを精緻にコントロールする35mmの大型プリントヘッド搭載により、高画質を維持しながらA4カラーで18枚/分、A4モノクロで20枚/分の高速プリントを可能にしている。環境性能においては、独自の低待機電力技術「グリーンスタンバイ」により、電源OFF時の待機電力を約0.04Wまで小さくした。そのほか、タッチパネル対応のユーザーインタフェースを採用し、スマートフォン風の簡単でスムーズな操作性を実現している。

クラス最小の奥行き290mmを実現しつつ、A3までの出力に対応する

A4カラーで18枚/分、A4モノクロで20枚/分という高速プリント

低待機電力技術「グリーンスタンバイ」により、電源OFF時の待機電力を約0.04Wに抑えている(写真左)。ユーザーインタフェースにはタッチパネルを採用した(写真右)

PRIVIO NEOの「DCP-J4210N」はA4横給紙を採用。給紙は前面カセットで、A3用紙は後面フィーダからの手差しとなる。インクはシアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの4色独立で、前面の操作パネルにはタッチ液晶を搭載。また、FAXとADFを備えたビジネスモデル「MFC-J4510N」もラインナップする

PRIVIO BASICにおいては「DCP-J940N」と「MFC-J960DN/DWN」で白と黒の2色のカラーバリエーションを用意した。これは女性ユーザーを中心に白モデルの要望が多かったため。また「きせかえデコ」仕様により、製品天板内にあるデコレーションシートを取り換えることが可能になった。PRIVIOのスペシャルサイト「プリビオ オープンテラス」から新たなデコレーションシートをダウンロードできるようになっている。

PRIVIO BASICはデザインとカラーのバリエーションに幅を持たせている。一部のモデルは、天板の模様を変更できる「きせかえデコ」に対応

PRIVIO NEO、PRIVIO BASICに共通する特長としては、スマートフォン / クラウドサービスとの連携が充実したことが挙げられる。スマートフォンとの連携に関しては、これまでもスマートフォンとプリンタが直接つながるオリジナルアプリ「Brother iPrint&Scan」において、写真・Webページ・PDFの印刷が可能だった。加えて新バージョンでは、Microsoft Office文書の印刷に対応。WordやExcel、PowerPointのファイルをスマートフォンから直接プリントできるようになった。

いずれの機種でもスマートフォンおよびクラウドとの連携機能が強化されている

クラウドサービスとの連携においては、Facebook、EVERNOTE、Dropboxなど6種類のクラウドサービスにPRIVIOシリーズから直接アクセスできる。また、プリビオ オープンテラスへも直接アクセス可能で、サイト上にある年賀状テンプレートなど、さまざまなコンテンツをPCなしでプリントできる。

PRIVIO NEOとPRIVIO BASICの両シリーズは、年間販売台数を65万台に設定している。三島氏は「今年のブラザーは、昨年以上にプリンタ市場における存在感を高めていけるよう努力していきます」と力強く締め括った。

ブラザーでは、PRIVIO NEOとPRIVIO BASICの年間販売台数を65万台に設定

モデルガールズのダンスパフォーマンスも

説明会の後半には、モデルガールズが舞台に登場。ダンスパフォーマンスを披露した。

ダンスパフォーマンスを披露するモデルガールズ

メンバーは今回の新モデルについて、「印刷スピードが速いので、ストレスなく利用できる」「部屋に置けるサイズなのが嬉しい」「機械が苦手だが、タッチパネルで直感的に使えるので助かる」「ワイヤレスで印刷できるのが良い。コードがなくて部屋がすっきりする」「スマートフォンから直接印刷できる点が便利」などと口々に魅力を語った。

「今年の年賀状はブラザーのPRIVIOで決まりです。大切な1枚を大切な人に配って欲しいなと思います」というコメントも聞かれた

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