エプソンは8日、腕に装着してランニング等の走行距離やペースなどを正確に計測し、記録を保存できるリスト型GPS機能付きランニング機器「WristableGPS」を発表した。8月23日から発売を開始する。8日に行われた記者発表会では、新製品の紹介や概要説明が行われた。

WristableGPS

WristableGPS本体の概要は、別記事「エプソン、GPS付のリスト型ランニング機器 - 専用アプリでFacebook投稿も」を参照いただきたい。

発表会の冒頭、登壇したセイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏からは「エプソンの新たな領域への取り組み」について説明があった。エプソンは省エネ・小型化・高精度化への技術、いわゆる「省・小・精」を追求することで成長を続けてきたとし、今後はこれらコアとなる強みに集中しつつ、独創の先進技術を活かしてユーザー価値を新たな領域「ウェアラブル領域」に提供していくという。具体的には、スポーツ・健康・医療といった分野で商品とサービスを展開していく。

セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏

「省・小・精」の技術

ウェアラブル領域は「健康志向の高まり」「高齢化の進行」という社会の流れとリンクしている

WristableGPSは、エプソンが新たに取り組むスポーツ機器市場向け製品の第1弾という位置付け。スマートフォンなどのデバイスと連携させれば、運動の成果を視覚的に把握できる。医療分野への応用も可能で、運動療法支援への活用なども視野に入れている。また、GPS機能で正確な位置情報を取得できるので、将来的には拡張現実技術(実際の風景に別の情報を重ね合わせるなど)を利用したルートナビのような機能も可能になるという。

生活習慣の改善などに役立てられるほか、将来的にはヘッドマウントディスプレイを使ったルートナビ製品への応用なども考えられている

碓井氏は「エプソンは今後、人とコンピュータをつなぐこの先進の技術で、スポーツ・健康・医療といった領域で様々なウェアラブルサービスを提案していく」とアピールした。

WristableGPSは4モデル

続いて登壇したエプソン販売 代表取締役社長の平野精一氏は、製品投入の背景と狙いについて述べた。日本人のライフスタイルの変化に伴い、最近ではスポーツ人口、特にランニングをする人が急増しているとし、そうした背景から今回の商品が開発されたという。

エプソン販売 代表取締役社長 平野精一氏(写真左)

ランニング愛好家からレースに出場する上級者まで、様々なランナーのニーズに応えるために4モデルが用意された。各モデルともランニングデータを長時間計測し、ランニング後には個人でデータ分析できるようになっている。平野氏は本製品の魅力を「スポーツをするモチベーションを高め、新たな楽しさを創造するもの」とした。エプソンではさらに開発を進め、ユーザーに対してより豊かなスポーツライフを提供していく考えだという。

4モデルで展開するWristableGPS。GPS技術、時計技術、IT技術、コア・センシング技術など、エプソンが保有する総合力を融合させた製品になっている

ラップ距離設定、目標ペース設定、心拍数の記録、カロリー計算など、様々なモードを用意。内蔵のストライドセンサーにより、GPS電波が届かないトンネル内でも計測可能

PCに接続すれば、簡単に計測データの分析が行える

次ページ: エプソンのGPS技術とWristableGPSフォトギャラリー