総合ARPUは4,650円で、同310円減。パケットARPUは2,750円で同60円増、音声ARPUは380円減の1,900円だった。基本使用料を50%割り引くバリュープランは、契約率が8割と高率になっており、契約率も75%と伸びが鈍化したことから、収入への減少影響は軽微になってきている。

ドコモのARPU

KDDIは純増数50万で、倍増以上となって好調。この契約数の増加に従い、ARPUの減少を打ち消してくれる、とKDDI・田中社長。総合ARPUは同9.2%減の4,240円で、音声ARPUは同310円減の2,040円、データARPUは同310円増の2,720円。スマートフォンシフトが遅れた分、データARPUの上昇率は12.9%増と業界最高水準。

KDDIのARPU

データARPUの伸び

全体の端末販売数274万台のうち、スマートフォンは167万台で同2.6倍と好調。50%割引のシンプルコースは92%が利用し、収入への影響は軽微になってきている。解約率は0.61%と業界最低水準で、MNPは9カ月連続1位で、同期は15.7万の流入超過となった。

ソフトバンクは純増数が同2万増の75万増となり、過去最高の純増数を維持。スマートフォンの機種別では、量販店でのシェアがiPhone 4Sの28.5%と首位で、法人向けのタブレット端末販売も、80%のシェアを確保し、顧客数は7万社を超えた、という。

子会社化したウィルコムも順調に契約数を伸ばし、486万契約を突破して、ウィルコムの歴史を通しても過去最高。ソフトバンクとあわせた契約数は3,440万に達し、3,568万のauに迫る契約数まで拡大した。

過去最高となったウィルコムの契約数

その結果、auに迫る契約数となった

総合ARPUは同130円減の4,300円、音声ARPUは同290円減の1,590円、データARPUは同160円増の2,710円で、解約率は0.05%改善して1.03%。総合ARPUは前期に比べて160円増加となり、ソフトバンク・孫正義社長は「3キャリアのうちで唯一の増加」を強調。08年に比べて、ドコモもKDDIも1,000円以上の減少となり、むしろソフトバンクは増加を続けている点をアピールする。ただ、ユーザーにとっては毎月の使用料はauより高くなった、といえる。

唯一ARPUが上昇している、とアピールする

契約数の増加とARPUの上昇で、通信料売上も3,773億円の同9%増となり、順調に収入を伸ばしている。

ドコモ・加藤社長は、家族セット割などの多彩な割引サービスやスマートフォンの拡販、Xiへの移行を推進することで契約増を狙い、収益の改善を目指す。KDDI・田中社長は、減少を続けてきたARPUは今期末には下げ止まるという認識を示しており、来期からの通信料収入の増加を期待する。ソフトバンク・孫社長は、iPhone・iPad効果への期待を継続しつつ、固定網やインターネットサービスの拡大などで成長を継続させたい考えだ。