【レポート】
「ビッグデータの分析は敷居が高い」「わが社にはビッグデータと呼べるほど大量のデータを扱わない」といった声は少なくないが、名だたる企業による"先進事例"ばかりがビッグデータ活用ではない。
「ビッグデータ分析プラットフォーム・セミナー」(マイナビ主催)のセッションに登壇した日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 Big data/DWH/Netezza Technical Sales部長の原沢滋氏は、IBMのビッグデータ・ソリューションを用いた身近なビジネス・シナリオを実演し、来場者に活用していくうえでのヒントを提示した。
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日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 Big data/DWH/Netezza Technical Sales部長 原沢滋氏 |
「前の4つのセッションでIBMのビッグデータ・ソリューションをそれぞれ紹介してきたが、最も重要なことは、ビッグデータ分析をどうビジネスに生かせるかである」。冒頭、原沢氏はこう述べた後、業務で扱うデータが氾濫していく中で競合他社との差別化の観点から自社のビジネスを伸ばしていくカギとなるのがまさにビッグデータであるとした。
IBMは、Hadoopディストリビューションの「IBM InfoSphere BigInsights」、DWHアプライアンスの「IBM Netezzaアプライアンス」、ストリーム・コンピューティングの「InfoSphere Streams」という、アプローチの異なる3製品をビッグデータ・ソリューションとして提供している。いずれも、ビッグデータの特性を示す、量(Volume)・種類(Variety)・速度および生成頻度(Velocity)の"3つのV"に基づいて設計・開発されており、ユーザー企業は自社で扱うデータの特性に応じてソリューションを選択することができる。
原沢氏は、ビッグデータ活用に着手するにあたっては、「まず、企業で扱うさまざまな種類のデータのうち、どのデータを活用すればビジネスになるか、収益を上げることができるのかをしっかりと見極める必要がある」として、身近なビジネス・シナリオを題材に、各ソリューションの特徴・機能を示すデモを行った。
設定されたグランドシナリオは、あるコンビニエンスストアでの売上げをいかに拡大していくかというもの。過去2年分の店舗での売上データを分析した結果、おにぎりが朝の10時までに約30個売れた場合、売り切れとなって機会損失が出ることが判明している。最初のデモでは、この結果を基に、ストリーム・コンピューティングによって、より正確な予測を行って入荷を最適化していくさまが示された。
POSレジでの売上げは、流れているデータ、すなわちストリーミング・データである。これに対してStreamsに「朝10時までにおにぎりを30個販売」という達成値を自動でモニタリングさせてアラートを発するように設定。店長はPDAでStreamsからのアラートを受け取ったらただちに追加注文を行うことで、別の業務で忙殺されていても機会損失を逃すことがなくなる。
「ビッグデータを実際のビジネスにつなげるためには、だれでも簡単に使えることが何より重要となる」と原沢氏は述べ、デモのシステムがいかに簡単に構築できるかを示すため、Streamsの管理画面をスライドに映した。以下の画面にあるように、このデモで実行されるフローはわずか6つの単純なステップで構成されている。
次に行われたのはBigInsightsのデモだ。原沢氏はBigInsightsの管理画面をスライドに映しながら、分析処理のためのマシンを簡単に追加して設定できることを示し、Streamsと同様、分析モデルの構築が容易に行えることがアピールされた。
「オープンソース・ソフトウェアを扱ううえでユーザーにとって障壁、負担となるのがプログラミング作業だが、BigInsightsに備わるGUIがそれを緩和してくれる」と原沢氏は述べ、Hadoop/MapReduceベースで構築されたBigInsightsのデータに対して、表計算ソフトのような操作で分析を行えるGUIツール「BigSheets」を紹介。BigSheetsを使って、Twitter上でのコンビニ商品に関するツイート(つぶやき)を収集し、ツイートの内容がポジティブなのかネガティブなのかをテキスト・マイニングにかける分析を実演してみせた。
セッションの最後に行われたのが、Netezzaおよび統計解析ソフトの「IBM SPSS」の機能を紹介するデモだ。ここでのシナリオは、時系列の販売状況(ストリーム・データ)、コンビニ商品に対するTwitterでのポジティブ/ネガティブな反応(非構造化データ)、社内のRDBMS/DWHに蓄積された売上データ(構造化データ)を組み合わせて分析することで、これまで発見できなかった洞察を得るというもの。
「インターネット経由で外部から収集したデータそのものから、ビジネス的な価値を生み出すことは非常に難しい。社内に蓄積されたデータと比較してはじめて、競争優位につながる有用な価値を生み出せるようになる」(原沢氏)
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Netezzaには、テラバイト(TB)クラスの構造化データが格納されており、SPSSとの連携で、あらかじめ1カ月分の売上データを自動集計する仕組みが構築されている。そこに、Streamsで処理しているストリーム・データと、BigInsightsで処理している非構造化データとを連携させる。前のデモで示されたのと同じように、StreamsとBigInsightsにおけるレコード集計は、Netezza上でも簡単なステップで行うことができる。
こうして各分析ソリューションとデータの連携がなされた状態で、原沢氏は、Twitterでの反応のうち、ポジティブ反応だけを抽出したデータと実際の売上データを結合し、比較を行った。そして、SPSSからレポートされた結果からは、両者には非常に強い相関関係があることが示された。
「分析の結果からどんなアクションを起こすべきか。まずは、Twitterで評判がよいのにもかかわらず実際にはあまり売れていない商品について、そうなった理由を探ることが考えられる。例えば、商品棚の陳列方法がよくないといった理由が判明することになり、次にとるべきアクションが決まってくる」と原沢氏。最後に来場者に向かって、「まずは、ビッグデータ分析がもたらす効果を体感していただきたい。皆さんのビジネスがいかに変革されていくか、きっとご理解いただけるはずだ」と語りかけた。
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