Corsairは18日、国内正規代理店のリンクスインターナショナルと共同で、都内で記者発表会を開催し、今年のCOMPUTEXで話題になった新製品を含む、日本市場向けに近日投入予定のある製品群を幅広く披露した。同社の定番製品であるメモリモジュールで新たにフラグシップモデルとなる「Dominator Platinum」や、高性能を誇る"デジタル"ATX電源「AX1200i」などを紹介している。

Dominator Platinum

現行Dominatorシリーズの最上位に位置する新たなフラグシップメモリモジュール。同社の自社工場で個別チェックの上、速度や安定性で選別したチップのみを実装したメモリモジュールとなっている。DDR3 SDRAMの1600/1866/2133/2400/2666MHzの各容量別モデルをラインナップし、今週末から順次、正式なリリースを行う予定だ。価格は未定。製品には永久保証が付属する。

Dominator Platinum

ほか製品の概要として、ヒートシンクで基板とチップ両方を直接冷却するDHXクーリングテクノロジーを現行モデルから継続。見た目のギミックとして、ヒートシンク上部のパーツが取り外し可能で、その中にホワイトLEDを利用して発光する樹脂パーツを内蔵しており、動作時に光らせることができる。なお、その樹脂パーツは交換が可能で、別売り予定のオプションパーツと換装することで、発光色を変えることもできる。また、Corsair Link(詳細は後ほど紹介)に対応しており、メモリ温度やアクティビティのモニタリングが可能。

Dominator Platinumの構造。基板上にCorsair Linkのコネクタも設置

ホワイトLEDを利用して発光する樹脂パーツを内蔵。交換で発光色を変えられる

今後の計画として、対応マザーボードが存在しないため次期は未定だが、2800~3000MHz対応のラインナップも追加の計画があるという。ちなみに、Dominator Platinum登場後も、Dominatorシリーズは併売というかたちで継続するとのこと。

AX1200i

DSPを使ったフルデジタルコントロールが特徴とうたう、"デジタル"ATX電源ユニット。サーバ電源などでは聞くが、コンシューマ向けではまだ珍しいDSP制御を採用している。容量は1200Wで、80PLUS Platinum認証を取得している。ハイエンドユーザー向け製品。国内向けの正式リリースは9月以降を予定しており、価格は北米向けでは349ドルとされるが、日本市場での価格は未定。

AX1200i

ケーブルはフルモジュラー式だ

本体サイズは150×86×200mmで、ケーブルはフルモジュラー方式。対応コネクタ種類は、ATX×1、CPU補助電源×2、PCIe×6、4pinペリフェラル×12、SATA×16、FDD×2。DSP制御の恩恵で、トラブル原因の特定が容易となるセルフテスト機能実行のボタンも実装している。冷却は140mmダブルボールベアリングファンを搭載。なお、負荷が40%以下の低負荷時には、基本的(ユーザー設定も可)にはファンが停止するファンレスオペレーションで動作する。

動作デモも実施された。GeForce GTX 690などハイエンドパーツが組まれた構成

シャッタースピードで止めているわけでは無く、よく見ると、ファンが停止している

特徴概要。低負荷ではファンレス動作。セルフテスト機能実行のボタンも実装

ほか、Corsair Link(詳細は後ほど紹介)に対応。さらに製品単体としても、Corsair Linkのサブセットとなるドングルハードウェアの同梱と、無償DL提供のソフトウェアユーティリティであるCorsair Link Dashbordに対応しており、Corsair Linkのキットを別途購入しなくても、同電源ユニットのファン回転数やOCP(過電流保護)の調整、温度モニタリングなどは利用することができる。

同梱のCorsair Link用ドングル

Corsair Link Dashbord(開発中)の画面

Corsair Link

Corsair Link対応製品と連動し、PCの温度、ファンなどをリアルタイムモニタリングし、統合管理するツールキットで、ハードウェアとコンソールソフトウェアのCorsair Link Dashbordで構成される。対応製品としては、前述のDominator PlatinumやAX1200i、同社水冷CPUクーラーのH80/H100などがある。北米市場では発売されており、日本向けは近日発売予定。参考までに北米での価格は、光モノ制御機能が付いた上位モデルが150ドル、同機能を省いた通常モデルで100ドル程度だ。

Corsair Linkのメインハードウェア

ファンコントロールと温度センサの接続ハブ

さらに上位モデルのみに付属する光モノ制御キットも接続可能

Corsair Linkの構成図。各対応製品と連動して制御する

Corsair Link Dashbordの画面イメージ

SSD Neutron

Corsair製SSDの新たなフラグシップとなるMLC SSD製品。通常モデルでシーケンシャルリード555MB/s・ライト370MB/sの「Neutron」シリーズと、より高速なシーケンシャルリード555MB/s・ライト500MB/sの「Neutron GTX」シリーズの2シリーズを展開する。どちらも同社現行の高性能モデルであるForce GTやPerformance Proよりも上位の製品シリーズとなる。近日発売予定で、価格は未定。なお同社によれば、SSDの価格が下落傾向にある関係で、Force GT並の実売価格で登場する見込みだという。

Neutronシリーズ

Neutron GTXシリーズ

最大の特徴はコントローラで、カスタムSoCを手がけ、エンタープライズ向けSoCなどBtoB分野で実績のあるLink A Media社の「LM87800」コントローラを搭載している。圧縮/非圧縮を問わず高速な転送速度が出ることがうたわれているほか、同社のテストによれば、シーケンシャル/ランダムのベンチマークスコアがともに優秀で、「SandFroceとMarvellのいいとこ取りをしたような性能」(同社)を発揮するという。

同社既存シリーズとのベンチマーク比較

なお、同コントローラの搭載はCorsairとLink A Mediaの戦略パートナーシップによって実現したものであるため、少なくともSSD Neutron登場時点では、Corsairの独占搭載となるとのことだ。

ほか、製品はNeutron/Neutron GTXシリーズともに2.5型の7mm厚で、5年間保証。容量ラインナップはNeutronが120GBと240GB、Neutron GTXではさらに480GBのモデルも用意する。