7月6日、六本木・ニコファーレにて『美少女戦士セーラームーン』の20周年を記念したトークイベントが開催され、月野うさぎ役の三石琴乃、地場衛/タキシード仮面役の古谷徹、連載当時、原作者・武内直子の担当編集を務めた講談社の小佐野文雄氏が登場した。

月野うさぎ役の三石琴乃と地場衛/タキシード仮面役の古谷徹

また、フランス・パリで開催中の「JAPAN Expo」に出演しているアイドルグループ「ももいろクローバーZ」が生中継で特別出演し、セーラームーンのコスプレでライブを披露したほか、『美少女戦士セーラームーン』の新シリーズが2013年夏公開を目標に製作中であることを発表した。

ニコファーレの壁面LEDいっぱいに流れたセーラームーンのオープニングアニメ。これを見て興奮しない人なんているの?

MCは司会力とサブカル関係の知識に定評があるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記。なんと自宅から20年前に購入した単行本を携えて登場

トークはまず「セーラームーンはどのようにして生まれたのか」というテーマでスタート。連載当初を知る小佐野氏は、「20年前に『コードネームはセーラーV』という作品があり、それを東映アニメが気に入ってくれたことで、武内先生にお願いして広げてもらった作品がセーラームーン。本当は武内先生は別の作品の準備をしていたのですが、急きょ変更になりました」と、連載開始にあたりかなりのドタバタがあったことを明かし、またアニメと漫画がほぼ同時期にスタートするというハードスケジュールについては、「本当に無茶で、死ぬかと思いました。武内先生にがんばっていただきました」と当時を振り返った。

担当編集だった小佐野氏曰く、「他のことを言っているようですけど、武内先生"は"一度も原稿を落とさなかったです」とのこと。含みのある言い方に、ニコ生では「旦那www」というコメントが大量に流れていた。何のことかは推して知るべし

また、声優のキャスティングについては、古谷はオーディションではなく直接依頼されたと経緯を語り、「若手の女性声優が多かったので現場を締めてほしいという要望がありました。キャラ表を見ると、マスクにタキシード、マントというキャラクターで、『マジシャンかいな』と思いました。キャラ名もタキシード仮面で、『そのまんまやんけ!』って(笑)」と笑いを交えながらコメント。これに三石が「先輩に囲まれて心強いを通り越して何も見えなくなってました(笑)」と当時の心境を語った。

仮面とマントのキャラに憧れていたという古谷徹。その理由は「某作品のライバルがつけていたから」とのこと

浴衣姿で登場した三石琴乃。月野うさぎのぬいぐるみを持って登場した。同じものを昔、庵野秀明氏からもらって自宅に置いてあるのだという

トークイベント中盤、会場を驚かせたのは、小佐野氏から飛び出した「セーラームーンは放送から半年で打ち切りの話があった」という衝撃の事実だった。小佐野氏によると、アニメは視聴率こそよかったものの、スポンサーが期待するほどグッズが売れなかったため、打ち切られる予定だったとか。打ち切りを回避できたのは「年末にムーンスティックを発売したらこれがバカ売れして九死に一生を得た」からで、これに三石と古谷は「まったく知らなかった。今日初めて聞きました」と、20年の時を経て明かされた衝撃の裏話に目を丸くしていた。 ……続きを読む