「懸賞なんてその時の運?」。半分正解。けれど半分不正解。懸賞には、"狙いどころ"と、踏まえるべき"落としのテク"が存在すると、懸賞のカリスマ「ガバちゃん」こと懸賞ライターの長場さんは断言する。

「当たったことがないと嘆く人がいる一方、何度も当選を重ねる常連者がたくさんいるのも事実。彼らに共通するのは、しっかりと傾向と対策を練って、戦略的に懸賞に挑んでいることです」。

運頼みの勝負では、時間もお金も、ささやかな期待感もムダにしてしまう。できるだけ勝率を上げるためには、「狙いどころ」「落としのテク」「情報収集」の3つに着目! 気になる必勝テクニックを長場さんに聞いた――。

Pointその1 ライバルの少ない穴場を狙うこと

当選確率を上げるためには、ライバルの少ない穴場を探すことが必須となる。懸賞通たちが、応募者も告知も多いオープン懸賞(商品の購入を条件とせず、誰でも応募できる)ではなく、商品購入を条件としたクローズド懸賞を狙うのもそのためだ。主な狙い目を指南してもらった。

◎応募期間が短いもの

通常、メーカーの懸賞は1カ月以上の応募期間を設けているものがほとんどだが、なかには2週間程度で締め切りを迎えるものもある。当然、期間が短いものほど人の目に触れる時間も少なくなり、ライバルは減る。

「特に狙い目なのが、週刊誌や夕刊の懸賞です。締め切りが1~2週間と短いうえ、移動中に読み捨てられることも多い。応募券を貼るといった手間を要するものなら、さらにライバルは少なくなります」。

また、コンビニエンスストアが行う懸賞も応募期間が短く、狙いどころ。当選品が豪華なケースも多いため、しっかりチェックしておきたい。

「私の周りでも、ファミリーマートの懸賞で海外旅行に当たった人、結構多いんですよ」。

◎先手必勝! 募集が複数回あるものは、"初回狙い"が吉

コメントなどで差別化が可能なハガキ懸賞などと違い、ネット懸賞やID懸賞は、コンピュータがランダムに当否を確定する。この場合、「どこを狙うか」とともに「応募の時期」が明暗を分ける。

「締切が複数回ある場合は、『初回』を狙いましょう。後半になるほど応募者が増えていきます。初回狙いはハガキ懸賞も同様です。クーポンやレシートなど、応募条件がそろうまで時間がかかるものほど、初回の応募人数が少なくなります」。

◎"主婦層"の動きに注意!

懸賞の世界でもっとも手強いライバルは、コアユーザーである「主婦層」。彼女たちが懸賞に費やす時間が取りづらい時期や、あまり目にしない応募先を狙って挑む。

「子どもたちが休みに入る7月末~8月の夏休みシーズンや年末年始、大型連休を挟む時期などは穴場ですね。主婦層が目にする機会が少ないという意味では、専門誌や男性誌、夕刊や、男性をターゲットにした商品の懸賞もオススメ。ただし、あまりにも商品対象から外れていると選ばれにくいので、男性誌などは夫や兄弟の名前を借りるといいかもしれません」。

◎"地域限定"を狙う

住んでいる人しか情報を知りえない地域限定の"ローカル懸賞"は応募者の少ない超穴場。

地域のフリーペーパーやJA、地方メーカーや観光協会のホームページをチェックしておこう。

「フリーペーパーの場合、クーポンだけ取って捨ててしまう人も多いんです。旅行や出張先のコンビニや駅でもらってくるのもいいですね」。

また、地域のスーパーとメーカーのコラボ懸賞も狙い目だと長場さん。いつもと違う土地に出向いた時には、"ついでに懸賞探し"を意識してみるのもいいかもしれない。

Pointその2 「落としのテクニック」で差別化を図る

「落としのテク」が使えるのは、主にハガキやメールでの応募。「コメント」や「ハガキ作り」でライバルと差別化を図るべし。

「カギとなるのは"コメント"です。主催者にとって、ユーザーのコメント欄は貴重なマーケティングの材料。主催者が思わず手に取るたくなるようなコメントで印象づけることがポイントになります」。

とはいえ、何も流暢な文章や褒めちぎったコメントを書く必要はない。踏まえておきたいのは以下の点だ。

◎褒め2:意見8 「消費者目線の意見とアイデア」を記入

主催者が欲しいのは、消費者の声。「いつも使っています」「応援しています」「当てたいです」、の一辺倒では多くの応募者に埋もれてしまう。意見とアイデアは必ず記入するのがお約束。

「例えば、雑誌やラジオなどのマスコミ懸賞なら、企画の参考になるものが好まれる傾向があります。周りで流行っていることやいつも疑問に感じていること、媒体で取り上げてほしいことを書くといいでしょう。また、メーカーの懸賞なら、商品に対する感想や改善点などの意見を入れる。『これを使ってこんなことをしてみたい』『私の周りではコレを使ってこんなことをしている』など、状況が浮かぶコメントを意識しましょう。ただし、ダラダラと長い文はNG。できれば数行で簡潔にまとめること」。

目安は、"褒め"2:"意見とアイデア"8の黄金バランスという。商品開発や企画のヒントになるようなコメントを目指したい。また、主催者側がアピールしたいキーワードを入れてコメントを作ることも効果的だと長場さん。

「メーカー主宰のものなら、専用ハガキをよく読むと"キャッチコピー"や"キーワード"的なものが必ず記載されているはずです。それをコメント内に入れると、印象はグッと良くなりますよ」。

以前取材をした懸賞達人のなかには、「主催者好みのターゲットをアピールする」というテクニックを駆使し、当選を重ねるこんな猛者も…。

「お菓子メーカーや親子が対象の懸賞の場合、親子で仲良くじゃれあう写真をハガキに貼ったり、子供の写真に吹き出しをつけて本人のコメント入りにして仕上げます」(東京都在住・当選常連者の40代主婦)。

主催者目線で"落とし"のテクを戦略的に考えてみるのも手だ。

Point3 効率的な「情報収集」でお宝情報ゲット!

懸賞は"情報戦"。「いい情報をより早く見つけたもの勝ちです」と長場さん。懸賞雑誌や懸賞サイト、めぼしい企業のホームページでまめに情報を拾おう。「オリンピック関連なら、スポンサーのホームページをチェックすれば懸賞情報に出会えるはずですよ」。

また、懸賞マニアのブログには、マイナーな懸賞情報や有益な体験談が飛び交っている。併せてチェックしておきたい。

◎コンビニやスーパーは情報の宝庫

コンビニやスーパーをひと巡りして商品パッケージを手に取ると、懸賞キャンペーンの告知の多さに驚くはすだ。スーパーやドラッグストアのレジ付近に、いくつもの応募ハガキが吊るされているのを見たことがある人は多いだろう。

「レジ付近は、クローズド懸賞ハガキの宝庫です。懸賞情報を確認してからお買い物計画を立てるのも手。しシートに懸賞情報がのっていることもあるので、捨てる前には目を通す習慣をつけましょう」。

◎メルマガに先行情報がのっていることも…

自発的に探さなくても情報がやってくる方法が「メルマガ」。"ゴミ箱"に入れる前にまずご一読を。

「どこよりも早い先行情報が手に入ります。シールなどを集めるような懸賞の場合は、1カ月くらい前からメルマガで情報告知をすることもありますから、それに応じて予定や買い物計画など準備をすることが可能。気になるメーカーのメルマガには登録しておくといいですね」。

たかが懸賞、されど懸賞――。長場さんいわく「懸賞だけで年間200万円相当を稼ぐツワモノもザラにいる世界」(ちなみに長場さんの当選総額はざっと3000万円以上!)というのだからなかなか侮れない。賢く利用すれば、家計コストダウンの強い味方になりそうだ。

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