【レポート】

マイクロソフト、開発者向けイベント「Go Azure」を開催し新機能を紹介

日本マイクロソフトは6月29日、Windows Azure(以下、Azure)の技術者向けイベント「Go Azure」を都内で開催した。基調講演では、「クラウド利用のあらゆるニーズに応える Windows Azure の進化」と題して、日本マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 業務執行役員 本部長 平野和順氏が、Windows Azureの機能・性能・利用シナリオなどの最新情報を、デモンストレーションや導入事例を交えて紹介した。

パートナーからプレゼントされたサイクリングウェアで登場した平野和順氏。予想外の服装に会場から笑いが起こる

平野氏はまず、国内のAzure導入事例を紹介。国内においても、Azureの利用が広がってきている点をアピールした。

デジタルハリウッドでは、学生がmayaによる3Dのレンダリング処理をAzure上で実施し、従来、1週間かかっていた処理を1日に短縮したという。また、スクウェア・エニックスでは、スマホ対応のソーシャルゲームをAzure上で展開しているほか、ZMPは自動車のログデータをAzure上にアップし、ビッグデータ処理に利用しているという。

デジタルハリウッドの事例

スクウェア・エニックスの事例

また、エンタープライズ分野でも利用が広がっており、OBCが奉行シリーズを、東洋ビジネスエンジニアリングが海外現地法人向けERP「A.S.I.A.(エイジア)」をAzure上で展開しているという。

OBCの事例

、東洋ビジネスエンジニアリングの事例

続いて平野氏は、米Microsoftが6月7日(現地時間)に発表した、Windows Azure Spring Updateと呼ばれるAzureの機能拡張について説明した。

今回のUpdateでは、柔軟性、オープン性、信頼性をコンセプトに機能拡張されており、平野氏は、コンピューティング、データ管理、ネットワーク分野の機能を中心に説明した。

コンピューティングでは、「クラウドサービス」、「仮想マシン」、「Webサイト」を紹介。クラウドサービスでは、アクセス分析機能により、負荷状況に応じてユーザー自身がサーバのコア数を動的に変更できる点を紹介した。

Azure管理画面でサーバのインスタンス数を動的に変更。なお、管理画面は従来のSilverlightベースからHTML5ベースに変更されている

仮想マシンでは、新たに用意されたIaaSサービスを紹介。ユーザー自身がOSや構築するデータセンターを選択して、仮想マシンを作成できる点をデモした。仮想マシン(IaaS)では、Windows Server(2008 R2、2012 RC)以外にも、CentOS-6.2、OpenSUSE 12.1、Ubuntu 12.04、SUSE Linux Enterprize Server 11 SP2をサポート。これらOSSのPre-ConfigされたVHD環境が用意され、Linuxサーバを簡単に構築できる。

また、Windows Azure SDK 1.7が公開されたことにより、Team Foundation Serviceとの連携が可能になり、Azure上でVisual Studio 2012を起動し、アプリを修正できる。仮想マシンについては、現在、東工大が論文検索システムをAzure上のCentOSの仮想マシン上に構築して検証を行っているという。

仮想マシン作成時のOS選択画面。OSSのVHDは、各コミュニティから提供される

東工大が論文検索システムをAzure上に構築し、仮想マシンを検証中

Webサイトは、Azure上に簡単な操作でサイトを短時間で構築できる機能。Webサイトの構築には「WebMatrix」という無料ツールを使って行う。このツールには、テンプレートが用意され、ウィザードを活用しながら簡単に構築できる。作成したサイトは、Windows Azure上ですぐに動作を確認でき、iPadやiPhoneのシミュレータも用意され、アプリの動きを確認できるという。

マイクロソフトが無料で提供する「WebMatrix」

iPhone用シミュレータ

また、Webサイトでは、「Garally」でオープンソースアプリも公開され、これを利用したサイト構築が可能で、WordPressを利用したブログサイトも構築できる。これらはマイクロソフト自身が用意するのではなく、オープンソースプロジェクトが提供しているという。他のオープンソースプロジェクトとも交渉し、今後、随時追加していくという。

Webサイトの「Garally」

現在利用可能なオープンソースプロジェクト

データ管理では、SQLフェデレーション機能を新たにサポートした点を紹介。SQLフェデレーションは、データベースをフェデレーションというオブジェクト単位に分割することで、負荷分散を図ると同時に、スケーラビリティを確保する技術。データベース内の1つ以上のテーブルや行によって分割され、複数のデータベース(フェデレーション メンバー)間でパーティション分割される。

また、ネットワークでは、新たに追加された仮想ネットワーク機能を紹介。仮想ネットワーク機能により、LAN間接続ができ、データセンター間の連携が可能になる。具体的には、オンプレミスのデータセンターの拡張としてパブリッククラウド利用でき、互いがシームレスに連携する。次期System Centerである2012では、オンプレミス上のサーバとAzure上のサーバを同列で管理できるという。

仮想ネットワークにより、オンプレミスとパブリッククラウドのハイブリット環境を実現する

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