前々回前回の2回で、グリーンカーテン、日本古来の涼感アイテムを使った節電テクニックを紹介してきました。今回はハイテクグッズを活用した節電テクをご紹介します。きっとあなたの生活にマッチするものが見つかるはずです。

外の熱を素材が断熱する「断熱ライナー」

グリーンカーテンやよしずが、陽を遮ることでエアコンの負荷を減らすなら、遮光カーテンでも効果があるのでは? と思った方もいらっしゃると思います。遮光カーテンは太陽の可視光線をさえぎるもので、赤外線もカットしてくれます。ならば、部屋に外の熱が入ってこないから、涼しいのでは? って、思いますよね。実は、窓から室内に入った太陽光エネルギー(可視光線+赤外線)は遮光カーテンで一部は反射し、窓の外に出ますが、その大半はカーテンの表面で熱に変換され、カーテンをどんどん暖めてしまいます。

その熱は、窓とカーテンの隙間の煙突効果(上昇気流)でカーテンの上から天井に向かってふき出してしまいます。そう、遮光カーテンによる部屋の温度上昇防御効果は余りないというのが結論です。でも、どうしても窓の外側で太陽光をカットできない場合もありますよね。そういう時、「断熱ライナー」を使ってみてはどうでしょうか。

この商品は、窓とカーテンの間に取り付けることによって、外の熱をライナーの素材が断熱し、部屋に取り入れないようになっています。また、裾を通常のカーテンよりも長く垂らすことで、下側から煙突効果で冷気が逃げるのも防ぎます。

カーテンだけだと床との間に隙間ができる

「断熱ライナー」の裾を床に垂らすことで煙突効果を防止する

自宅のガラスを"サングラス"にチェンジ!

高層階なので、窓の外にすだれは無理、グリーンカーテンも面倒。カーテンでせっかくの眺望を壊したくない、でも窓ガラスから入る熱は減らしたい…。そんなあなたにおすすめするのは、窓ガラスにスプレーしてお手軽に断熱コーティングできる、液状の「シリコーンコーティング剤スプレー」。シリコンは、熱を加えても変化しにくく、熱を伝えにくいのが特徴です(シリコンスチーマーなどはその性質を使った商品)。窓ガラスにこのスプレーでコーティングをすることで、外の暑さから室内を守ります。 1度のコーティングで効果は1カ月程度。効果が切れたと感じたら、再度スプレーして窓をコーティングしましょう。

毎月スプレーするのは面倒だというあなたには、窓ガラスに貼るシートタイプの「断熱フィルム」がいいでしょう。各社からさまざまなタイプが販売されています。しかも、このタイプの嬉しいところは、UVカット機能付きなところ。窓際に置いた家具の塗装がボロボロに崩れてきた、敷物がいつの間にか色褪せしていた、床の色が窓際だけ違う…そんな経験はありませんか? 原因は窓から入る紫外線です。人が日焼けをするように、家具や敷物も紫外線で日焼けをします。透明な窓ガラスの場合、紫外線の9割が室内へ入り込むそうです。

窓際のラグの日焼けによる褪色比較。上側がラグの裏面。黒が鮮やか。それに対して日に当たっていた表側は白茶けて褪色している

フィルムを窓ガラスに貼りつけることで、断熱のみならず紫外線もカットできれば、お気に入りのインテリアを日焼けからしっかりガードできます。さらに、万一ガラスが割れた際の飛散も防げ、一石二鳥ならぬ、三鳥です。

外出時の涼感テク「日傘」

家が快適空間になったとしても、外出時の暑さは変えられません。でも、使うことで、格段に涼しくなるアイテムがあります。それは完全遮光の「日傘」。紫外線、赤外線、可視光線が100%カットされており、かつ傘の裏側が黒のため、光の反射も防いでくれるため、眩しくありません。

「日傘は面倒だから、帽子をかぶるわ」という方、帽子の場合、生地と頭との距離が近いですよね? ともすれば、頭に帽子が触れている状態ではないでしょうか。それでは紫外線は防げても、熱は防げません。よく晴れた日、日傘の表面温度は50℃近くまであがります。手で触れると熱っ! と思うくらい熱せられています。ところが傘の下の頭は自分の体温だけ。なぜでしょう。熱を身体に伝えないようにするには、身体との間の空気の層が大切。日傘の場合、頭と傘の間に空気の層ができます。そのため、熱を身体へ伝えないのです。その点で、真夏の外出には日傘の方が帽子より優れていると言えます。

「服装」にハイテク涼感素材のアイテムを取り入れる

服装はどうでしょうか? なるべく明るい色(黒などは光を集めやすい)で、軽く、風通しが良い服がよいでしょう。今年も各社から涼感素材のアイテムが続々発売されています。それらを上手に使いましょう。インナーはもちろんですが、アウターもハイテク涼感素材ならより快適に過ごせます。例えば、西友の「エコサラアウターウエア」ではクールビズのオフィスシーンにぴったりな男性用ポロシャツや女性用シャツチュニックなどが発売されています。

熱がこもらないようにサイズを選ぶことも大切です。身体にぴっちり貼りつく小さ目サイズより、すこし余裕のあるサイズの方が身体とシャツの間に風を通すため涼を感じますよ。

今後も昨今の節電ムーブメントを受けて、ハイテク系アイテムが続々登場しそう。目が離せないですね。

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