ソニー「Cyber-shot(サイバーショット)」の新シリーズ第一弾として「Cyber-shot DSC-RX100」が登場した。最大の特長は、1.0型(13.2×8.8mm)という大型のCMOSセンサーを搭載したこと。ほかの多くのコンパクトデジカメが採用する1/2.3型センサーに比べると、約4倍の撮像素子面積を誇る新開発のセンサーだ。その画質と機能、操作性について、実写を交えてレビューをお伝えしよう。

「サイバーショット DSC-RX100」

実機を見てまず驚くのは、大型CMOSセンサーを搭載しながらも、ボディが非常にコンパクトに仕上がっていること。電源オフの状態では、胸ポケットにちょうど収まるほどに薄くて小さい。使用時の重量は約240g。適度な重みがあり、小型ボディの中に部品がぎっしりと凝縮されている印象を受ける。

レンズ前面にはレンズバリアを内蔵する

単焦点レンズを装着した「NEX-7」(右)と大きさを比較

ボディはグリップを省略したフラットなデザインを採用。前面のほぼ中央部には、大口径の沈胴式ズームがどっしりと配置され、その存在感をアピールしている。外装はツヤ消しフルブラックのアルミ素材。多くのボタンやダイヤルも金属製で、外観には高品位な雰囲気が漂っている。

デザインの細部にも注目したい。ボディ前面には、上から約1/3の位置に横方向のラインを彫り込み、シンプルなデザインの中にアクセントを作り出している。また、天面に段差を設けてボディの薄さを強調したり、ストラップ用の穴を極限まで小さくして全体をフラットに仕上げる、といった工夫も見られる。

左右のバランスが取れた端正なメタルボディ

天面にはポップアップ式の小型ストロボを内蔵する

電源ボタンを押すと、ズームレンズがせり出し、約2.1秒で起動する。ホールド性については、グリップがないため、やや頼りない感じがする。撮影時は片手ではなく必ず両手で持ち、左手でレンズ部を包むようにして構えるといいだろう。薄型ボディでありながら、電源に連動したレンズバリアを内蔵する点はありがたい。