APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したミラーレスカメラ「NEX(エヌイーエックス)」シリーズの最新作としてソニーの「NEX-F3」が発売された。シリーズで初めて180度のチルト可動式モニターを搭載したほか、「おまかせオート」などの撮影機能がいっそう充実。その画質や使い勝手はどうなのか。実写レビューをお伝えしよう。

「NEX-F3」ズームレンズキット

同シリーズは最近まで、上級者向けの「NEX-7」、中級者向けの「NEX-5N」、初級者向けの「NEX-C3」という3つのラインアップを展開してきたが、今回のNEX-F3はローエンド製品であるNEX-C3の後継となる(NEX-C3は併売)。

ボディの基本デザインは、これまでのシリーズと同じく、横長の長方形スタイルを採用する。ただし、最小・最軽量を実現した前モデルのNEX-C3からは大幅に変更され、上位機モデルであるNEX-7に似たデザインに生まれ変わった。特に変わったのは、グリップ部の形状だ。従来の緩やかに膨らんだグリップから、大きく突き出たグリップに改良され、ホールド性が向上。ボディの天面にあったシャッターボタンは、グリップ部の上に移動した。

ボディはややアンバランスで、レンズを付けた左側が重いが、グリップ感は悪くない。外装は主に樹脂素材で、質感は普通

単焦点レンズ「E 16mm F2.8」を付けた状態。ボディ天面の左側のカバー内には、スマートアクセサリーターミナル2を装備する

ボディサイズはNEX-C3よりもやや大型化し、撮影時の重量は283gから314gへと増加した。その代わり、従来は外付けだったストロボが、ボディ内蔵式に改められた。外付けストロボを持ち歩くのは意外と面倒なので、この点はうれしい改良だ。また、ボディ天面のスマートアクセサリーターミナルは、中級機NEX-5Nと同じ「2型」に仕様変更された。これによって、オプションの外部ストロボだけでなく、外付けの電子ビューファインダー「FDA-EV1S」が装着可能になった。特に望遠での撮影時に役立つオプションだ。

カラーバリエーションは、写真のブラックのほか、ホワイトとピンクの計3種類が用意される。キットに付属する標準ズームの色がシルバーのみなのは筆者には少々不満に感じられた。個人的には、NEX-7のレンズキットにようにブラックの標準ズームが欲しいところだ。オプションのケースやストラップについては、ボディカラーに似合うものが豊富にそろっている。

上位機のNEX-7以外では初めてストロボを内蔵。背面のボタンを押してポップアップでき、自動発光などの5種類のモードを選べる

電源には、これまでと同じくリチウムイオン充電池「NP-FW50」を採用。CIPA準拠のバッテリ寿命は約470枚となる

記録メディアは、SD/SDHC/SDXCカード、メモリースティックPROデュオ、メモリースティックPRO-HGデュオに対応する