Platform

次はPlatformの話である。まず2013年のClient Platformとして提示されたのがこちらである(Photo08)。15W~35WがKaveri、9W~25WがKavini、そして3.6W~5.9WがTemashという3種類のフォームファクターが新たに定義された。AMDはこれまでUltraThinに明確な定義がなく、以前Trinityの説明会の折に「UltraThinの定義は何だ」と尋ねたら「うーん、厚みが20mm程度以内かなぁ」なんていう怪しい返事が返ってきたのだが、今回はこの厚みも含めてもう少し明確になった。APUは、現在のAシリーズの後継がSteamrollerベース、Eシリーズの後継がJagureベースとなる。このローエンドにあたるTemashプラットフォームは、Tablet狙いということもあってか厚みが10mm以下という、なかなか特徴的な数字になっている。これを使うことで、特にKaviniやTemashではファンレス製品も不可能ではない、という目標が示されている(Photo09)。

Photo08: もうPlatform≒Noteというのは、そうした動きが大勢を占めている以上致し方ないところではある。

Photo09: Kaviniも25Wの方でファンレスは無理だろうが、9Wの方では確かに放熱構造を工夫すればファンレスも不可能ではないだろう。

次がサーバ向けである。ここでは従来のサーバは今後次第に減ってゆき、その代わりCloudやVirtualization、HPCといった分野向けの製品がむしろ増えてゆくため、こうした部分に力を入れてゆくと説明された(Photo10)。そのサーバ向けのロードマップがこちら(Photo11)である。2013年のプラットフォームに関しては既報の通りであるが、2014年以降はNew Platformとなり、またServer APUが投入されることも公式に明らかにされた。

Photo10: 基調講演では、このあとAMDが今年3月に買収を発表したSeaMicroでCEOを勤め、現在はAMDでCorporate VP&GM, Data Center Server, Solution Business UnitのポジションにあるAndrew Feldman氏が登壇し、同社のAMDベース製品がどうCloudなどに適したものか、という説明を行ったがこれはまた別記事で。

Photo11: もっともこの"Future Server APUs"に関しての詳細は、後の質疑応答でも具体的な話は一切なし。どういうワークロードをGPU側にどうオフロードするか、というあたりはHSAとも絡んで今後次第に明らかになってくるのだろう。

最後がEmbeddedである。Embeddedで一番大きいのはCommunication&Networkingであるが、それとは別にConsumer Electrocnics向けの伸びもそれなりにあり(Photo12)、ここに向けてAMD GシリーズとEシリーズのAPUを引き続き投入してゆくという話であった(Photo13)。

Photo12: このConsumer Electronicsはどこまでの範囲を考えているのか、と質疑応答で確認したところ、「例えばTVは今はそれほどEmbeddedではない。ただ今後画面が大きくなり、より多機能になってゆくと、それはEmbeddedの範疇になってゆく。こうしたEmerging Marketをターゲットにする」という返事が返ってきた。

Photo13: いや機能に文句はなく、確かにGシリーズやEシリーズはこうしたマーケットに適しているのは間違いないのだが、Embeddedマーケットでの信用の無い同社が、単に機能的に優れているだけで採用されるかどうか、はまた別の問題な様に思える。

ということで、まずは取り急ぎロードマップアップデートを。HSAやその他の話題は順次お届けしたい。