5月11日に発売された「Adobe Photoshop CS6」の新機能を紹介する本シリーズ。今回は新たに追加された「広角補正」フィルタを紹介しよう。

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広角補正がより直感的に!!

広角レンズや魚眼レンズで撮影すると、被写体が樽状にふくらんで写ったり、隅の方がゆがんだりする。このような効果を意図的に狙うこともあるが、たとえば横に広い建物を1枚の画像に収めたくて広角を選んだ結果、建物がゆがんでしまったら、なんとか補正したいもの。

こういった場合に便利なフィルタが「広角補正」フィルタだ。旧バージョンでは「レンズ補正」フィルタが用意されていたが、新たに搭載された「広角補正」フィルタはまっすぐにしたいところを指定するだけで補正が行えるので、直感的で操作しやすい。

元画像。ズームレンズの広角側で撮影したために、レンズ特性で画像がふくらんでしまった

「広角補正」を選択

「フィルター」メニューから「広角補正」を選ぶと、専用の補正画面が表示される。補正には、主に「コンストレイント」というツールを使う。このツールでまっすぐにしたいラインをなぞるようにドラッグすると、湾曲したラインがまっすぐになる。中央に出てくる丸い円を回転させると角度を調整でき、ゆがんで八の字にひろがったり、逆に狭まったりしている箇所を平行に近づけることも可能だ。

広角補正の画面。カメラやレンズのプロファイルがあるときは、画面左下に表示される

コンストレイントツールでなぞるようにドラッグする(青い線)

ドラッグした部分がまっすぐになる

画像上に表示されている円をドラッグすると角度が調整できる

画面下部にあるグレーの柱2本をそれぞれ角度調整した状態

また、画像内で水平または垂直にしたいラインは、[Shift]キーを押しながらクリックするだけで補正されるので、画像がどういったゆがみ方をしているのかを考えながら調整する必要がなく、とてもわかりやすい。ゆがみ補正後は、切り抜きツールで必要な領域を切り抜いて完成だ。この機能は、複数の画像をつなげて作ったパノラマ写真のゆがみを補正するときにも使える。

[Shift]キー+クリックする

2点間が垂直または水平になる

ゆがみを補正した状態

切り抜きツールで切り抜いて完成