最近、ショッピングサイトやメディアの多くが自社サイトでユーザーが意見を書き込めるソーシャル機能を提供している。レビューや評価が企業に追い風となることもあれば、逆風になることもある。だが、逆風はともすれば、大きなダメージを与えるおそれもあり、吹き荒れるのを放っておくわけにはいかない。

では、自分の企業に対する否定的なコメントがレビューサイトに載ったらどうすればよいだろうか? OpenForumが「6 Ways to Handle Negative Online Reviews(オンラインでの否定的なレビューの対処法6つ)」という記事で処方箋を紹介している。

ある米国のブライダル業者は数年前、クチコミサイト「Yelp」で自社に関する否定的なレビューが載っているのを発見した。同社は小規模ながら比較的富裕層をターゲットとしており、クチコミでビジネスを拡大してきたことから、このようなレビューが公開されると信頼を損なう。そこで、同社は以下のような対策をとった。

レビューサイトに連絡をとる

最初に、この業者はYelpに連絡をとり、相談することにした。Yelpは自社ルールに基づき否定的なレビューを削除しなかったが、1件のレビューは削除してもらった。これは、このレビューを書き込んだのが自社のライバルだとわかり、その証拠をYelpに提出したためだ。Yelpは、同業他社によるネガティブなレビューの書き込みを禁じており、このルールに則って削除してもらったという。

「Google Places」で同様のレビュー機能を提供するGoogleによると、レビューではよい意見も悪い意見もシェアするのが基本であり、サイト側が議論の仲裁に入ることはないし、レビューはすべて閲覧可能にしておくのが原則とのことだ。否定的なレビューが残ったままであれば、次にとる対策は何か?

会話を通じて挽回する

この業者が次に打った手は、そのフォーラムの中で(つまり、全員に見える形で)各レビューに応じたことだ。あくまでも理性を保ち、ユーザーの不満に真摯に向き合った。

ある塗装サービス会社も、同じように公開された場所でユーザーの不満に対応した。納期の遅れを指摘するコメントに対しては、Grouponキャンペーンのために注文が殺到したといった事情を説明して謝罪し、塗装プロジェクトの補完を申し出た。すると、このユーザーは星1つだった評価を4つにアップしてくれたという。

レビューをした人に個別にコンタクトをとることもできるが、上の2つの例のように公の場で見える形で説明すれば、サイト上でレビューを読んだすべての人の誤解を解くこともできる。「オンラインレビューは固定されたものではなく、レビューする人の新しい意見により変わるものだ」と記事では記している。

ポジティブなレビューを強調する

Yelpの場合、投稿されたレビューは合法性をチェックするフィルタにかけられ、引っかかったものは「Filtered」としてまとめられ、そこをクリックしなければ表示されない。先のブライダル事業者はここに隠れていた5つ星のレビュー17件を、自社Webサイトにて紹介したという。あわせて、顧客によいレビューを書いてもらうよう奨励することも始めた。

「脅し対策」も用意する

単に悪いレビューを掲載されただけでなく、悪いレビューを書くと脅してサービスを要求されたのが先の塗装サービス業者だ。訴訟も考えたが、コストや時間などを考えて、結局は不本意ながらも従うことにしたという。このようなことが起こったらどうするか、対応策を考えておいても悪くなさそうだ。

筆者は、「ユーザーは、サービスや商品が自分の期待を満たしていたか、いなかったかを基準にレビューしており、あなたの会社がきちんとやっていたとしても悪いレビューがきてしまうのがオンラインレビューだ」とし、クチコミ文化の特徴を知っておく必要があるとする。そのうえで、例えば、仕事が完了(製品やサービスの納品など)後にフォローの電話をして、不満はなかったどうかを直接聞いてみてはどうだろう。ユーザーのネガティブな気持ちがオンラインに浮上する前に、汲み取ることができそうだ。