孫正義社長

ソフトバンクモバイルは29日、2012年夏商戦向けの新製品を発表した。今回発表されたスマートフォンやフィーチャーフォンは、すべて今年7月25日から開始する900MHz帯の新周波数帯に対応したモデルとなる。ソフトバンクの孫正義社長は、「スマートフォンブームで重要視されているつながりやすさと通信速度、この2点に特に注力した」とアピールする。

プラチナバンドでさらなるつながりやすさを

孫社長はまず、「アップルとの提携が大きな第一歩になり、スマートフォンの先駆者は我々」とコメント。その中で、自社の課題として「ネットワークのつながりやすさ」を挙げた。これまで、基地局を2年間で3倍に増やしたり、家庭用のフェムトを無償配布するなどの施策をとってきた同社だが、新たに許認可を受けた900MHz帯の周波数帯を使うことで、さらにつながりやすさの向上を目指すとしている。

ネットワークの満足度はつながりやすさと速さ、と孫社長

従来の施策

携帯キャリア上位3社のうち、NTTドコモとKDDIが800MHz帯の周波数帯を使って事業を展開しているのに対して、ソフトバンクはこの近辺の周波数帯を利用できず、これまでも繰り返し「悔しい思いをしていた」(孫社長)。もともとソフトバンクが買収したボーダフォンジャパンが、この周波数帯の許認可を総務省から受けていなかったのが理由だ。

900MHz帯の許認可を受けたソフトバンクでは、7月25日から同周波数帯を使ってサービスを提供。孫社長は常々この周波数帯を「プラチナバンド」と呼称している。

7月25日から、900MHz帯の周波数帯を使ってサービスを提供する

これは、ソフトバンクがこれまで利用している2.1GHz帯に対して「カバーエリアが3倍になり、障害物を回り込む」という特性があると孫社長は強調。1つの基地局で遠くまでカバーできるため、周囲に高層建築がないような場所でのエリア拡大に有利であり、障害物を回り込むため、ビル影や地下鉄の入り口でも入りやすいと説明する。

プラチナバンドのメリット

孫社長は、つながりにくいなどの評価に対して、「技術力が劣っていた、(つながりやすさ向上の)努力をしたいという気持ちが劣っていたのではなく、(プラチナバンドの)電波を持っていないということがハンディキャップになっていた」と話し、「これ(プラチナバンド)を得たので、言い訳はできない。確実に電波を、より届かせるようにしてみせる」と意気込みを語る。

7月25日以降は、徐々に基地局を開設していき、ほかの周波数帯のネットワークとの調整をしながら、エリアを順次拡大していく。「(今年)12月には数千のかなり上の方、(来年)3月には万のオーダーの基地局を立ち上げる」考えで、これは、一般的な基地局展開の4倍ぐらいのペースと孫社長は語る。急速なエリア拡大により、つながらない、つながりにくいという評価を払拭したい考えだ。

プラチナバンドのアピールには、CMでおなじみの「お父さん」と「お兄ちゃん」(ダンテ・カーヴァーさん)、お笑い芸人のスギちゃんが登場

プラチナバンドのアピールには、CMでおなじみの「お父さん」と「お兄ちゃん」(ダンテ・カーヴァーさん)、お笑い芸人のスギちゃんが登場

プラチナバンドによって電波のつながりやすさを向上させることに加え、公衆無線LANスポット、下り最大42Mbpsの「ULTRA SPEED」、TD-LTEサービスの「SoftBank 4G」によって通信速度を高速化する。

ULTRA SPEEDは、3Gの高速化規格「DC-HSDPA」を採用したことで、下り速度は理論値で42Mbpsとなる。孫社長は、NTTドコモのLTEサービス「Xi」が下り最大75Mbpsになるスポットが関東で6カ所しかなく、それ以外は同37.5Mbpsであり、エリアも限られていることをあげ、「はるかに広い地域で、より高速のULTRA SPEEDでカバーしている」と強調する。

高速化への取り組み

規格が違うため単純に比較できないが、Xiよりも広いエリアで高速だとアピールする

TD-LTEのSoftBank 4Gでは、下り最大110Mbpsの高速通信が可能で、Xiと同様に低遅延・大容量といった特徴がある。2012年度末には全国政令指定都市の100%をカバーエリアにすることで、「発表と同時にエリアも一気に広げる」と孫社長。この辺りは、後発であるため早期のサービス立ち上げが必要であるという事情もあり、展開スピードを強調することで、先進性をアピールしたい考えだろう。

他社の高速通信よりも高速な規格であることをアピール

12年度末には全国の政令指定都市へ展開する

これらの施策で、つながりやすさ、接続速度を向上させ、「どこでもつながるソフトバンク」を目指すと孫社長は語る。

どこでもつながる、ネットワークNo.1を目指す

(記事提供: AndroWire編集部)