ビッグデータやリスクを機会に変えるBig Analytics - SAS Forum

SAS Institute Japanは5月24日、「Big Analytics - スピードがもたらすイノベーション」をテーマに、ユーザー企業向け年次イベント「SAS Forum Japan 2012」を開催した。同イベントで紹介された、ビッグデータが企業にもたらすメリット、それを享受するための方法などをお伝えしよう。

企業を「Game Changer」にする「Big Analytics」

SAS Institute Japan 代表取締役社長兼北アジア地域統括責任者吉田仁志氏

オープニングノートの講演者として登場したのは、SAS Institute Japan 代表取締役社長兼北アジア地域統括責任者の吉田仁志氏だ。同氏は、「Game Changer(市場の流れを変える)」という視点から、ビッグデータについて語った。

吉田氏は初めに、「今回、Game Changerについて語る理由は2つある。1つはビッグデータだ。ご存じのとおり、企業で抱えるデータは増える一方だが、データが知っている事実と企業が知っている事実には差がある。そのため、企業にとってデータが持つ事実を知ることが戦略になる。もう1つは『Hyper-connected World』だ。現在、人・組織・マシン・経済・政治など、すべてが密接につながった世界になりつつある。そうしたなか、ヨーロッパの経済危機は日本にも影響を及ぼし、企業にとってはリスクが増え、それらに対応しなければならなくなっている。こういう状況こそ、『Game Change』すべきなのだ」と説明した。

ビッグデータを企業変革の力に変えるカギこそが、データを情報に変え、リアルタイムにつなげて、イノベーションに繋げることができる「Big Analytics」と続けた。「Big Analyticsによって、企業は戦略をイベントの発生に応じてその場で戦略を変更し、対策を打つことが可能になる」と吉田氏。

そして、企業が「Game Changer」になりうる製品をSASこそが提供しているとアピールした。

ビッグデータへの対応には「人」が重要

SAS Institute Inc. SASフェローのアラン・ラッセル氏

続いて、SAS Institute Inc. SASフェローのアラン・ラッセル氏が、Big Analyticsを実現するプラットフォームとして、「SAS High-Performance Analytics」を紹介した。

同社はBig Analytics戦略において、ビッグデータの処理のプラットフォーム「High-Performance Analytics」、ビッグデータ処理のオンデマンド・プラットフォーム「Cloud」、ビッグデータの可視化「Business Visualization」、ビッグデータのための情報・意思決定の管理「Information Management」を4つの柱としている。「4つの柱を組み合わせることで、分析の成果を向上させることができる」とラッセル氏。

SASのBig Analytics戦略における4つの柱

加えて、ラッセル氏は「これまで、企業において分析は特定の人が行ってきたが、分析にはさまざまな目的があり、企業全体で取り組むフレームワークを構築する必要がある」と述べた。「適切な目的に対し、複数の技術を組み合わせて実行するには、人という要素が重要になる。SASは組織つくりに関するアセスメントサービスも提供している」と、同社が幅広い観点から分析に関する製品・サービスを提供していると強調した。