先月末、コードネーム「Ivy Bridge」こと第3世代Core iプロセッサの販売が開始され、既に入手された方も多いだろう。そこで、今回はIvy Bridgeでの空冷オーバークロック(OC)を試してみようと思う。

※ご注意 : オーバークロックはCPU、マザーボードおよびその他パーツに重大な影響を与える可能性があります。オーバークロックに関して編集部および筆者は責任を負いません。くれぐれも自己責任でお試しください。なお結果は今回のテスト環境下でのものであり、そのクロッククロックでの確実な動作や、実際の製品で同じベンチマークスコアが得られることを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。

今回試したIvy Bridgeは、「Core i7-3770K」だ。Ivy Bridgeラインアップのなかでは最上位モデルとなることに加え、型番末尾に「K」が付くように、ベースクロックに対するクロック倍率にロックがかけられていないモデルとなる。このあたり、第3世代Core iプロセッサの命名ルールは、Sandy Bridgeこと第2世代Core iプロセッサと同じだ。

「Intel Core i7-3770K」をゲット。S-Specは「SR0PL」のマレーシア産

Core i7-3770Kは、クアッドコアでHyper-Threadingに対応し、4コア/8スレッドとなる。動作クロックでは、定格クロックが3.50GHz、Turbo Boost時の最大クロックが3.90GHzに設定されている。また、統合GPUはIntel HD 4000となり、16基のEUを搭載し、GPUクロックは650MHz~1.15GHzとなる。TDPは77Wとされているが、これに関しては注意が必要で、CPUクーラーなど冷却に関してはTDP 95Wモデルと同等の性能が必要とされている。なお、ソケットに関しては引き続きLGA1155となるため、CPUクーラーは基本的にSandy Bridgeと同じものが利用できる。

さて、プロセッサと同時にチップセットも新世代の製品群としてLGA1155のIntel 7シリーズが投入されている。Intel Z77、Z75、H77、B75があるが、CPUの倍率変更OCができるのは、Z77とZ75のみである。一方、GPUのOCに関しては他のチップセットでもサポートされている。

……ということで、Ivy BridgeのOCを試すため、今回はIntel Z77チップセット搭載マザーボードが候補となる。また、OCで重要なのはマザーボード上の電源回路の安定性である。程よい数のフェーズ数を持ち、かつ電力管理が安定している必要がある。そこで、GIGABYTEのIntel Z77マザーボードのなかでも、OC向けの「GA-Z77X-UD5H」を用意した。なお、同じフェーズ数で「G1. Sniper 3」もあるが、こちらは主なターゲットがゲーマーということもあり、同社としてはOC用途ならGA-Z77X-UD5Hの方がベターと説明している。