足裏全体の圧力を測定するセンサーを搭載
ここからは、「夏のさまざまなレジャーに対応したアプリ」ということで3本のアプリが紹介された。といっても、1本はアプリが主役というよりもアプリを含めたソリューションの紹介だ。
最初のアプリは、「TourWrist」というパノラマ写真を共有するアプリ。世界中のさまざまなスポットのパノラマ写真が投稿されており、閲覧時にはデバイスを上方や下方、左右に向けることで、まるでその場所にいるかのようにパノラマの表示も移動する。パノラマの投稿もこのアプリから行え、作成は画面上に表示されるガイドに沿って撮影するだけと簡単だ。すでに英語版はユニバーサルアプリとして配信されているが、1カ月以内の日本語対応を予定しているという。
|
|
|
「TourWrist」には世界中のスポット――観光名所からなんということはない個人宅まで――のパノラマ写真が投稿されている。見ているデバイスを上に向ければ、画面内のパノラマも上方が表示される。投稿も簡単だ |
|
食事の情報を共有することでコミュニケートする「miil」 |
次に紹介されたのが「miil」。食事の情報を共有することによりコミュニケーションを促進するサービスだが、自分の料理の写真を美味しそうに加工して共有したり、飲食店の情報を投稿したり検索したりといったように、自分が作った料理と飲食店で供された料理をともに扱えるところに特徴があるようだ。日本国内だけでなく海外でも利用できるので、旅行・出張などで世界中を飛び回るような人にはぴったりだろう。なお、この「miil」を運営するFrogAppsは、この5月に総額約2億4,000万円の第三者割当増資を行い、その資金をもとにサービスの拡充・ユーザビリティの改善などを図っていくという。将来に期待だ。
「『miil』の唯一の欠点は食べ過ぎてしまうことですが、それを補うもの」といいながら紹介したのが、最後の「Nike + Training」。これはシューズに組み込んだセンサーの情報をiOSデバイス上のアプリで読み取ってエクササイズを行うというもので、既に広く利用されている「Nike + iPod」の発展版といえるものだ。
シューズに組み込まれるのは、「Bluetooth Low Energy」といわれる低消費電力版のBluetoothで接続され、足裏全体の圧力を検知できるセンサー。iPhone 4Sおよび新しいiPadはこのBluetooth Low Energyに対応しており、アクセサリメーカーとの間でこの機能を利用する製品の開発をすすめてきたが、そのひとつがこの「Nike + Training」として製品化に至ったというわけだ。
|
|
このセンサーをインソールの下にセットしてトレーニングを行うのが「Nike + Training」 |
このように、足裏全体の圧力のかかりかたが検知される |
アプリにはさまざまなエクササイズを組み合わせた「ドリルパック」というコースが用意されており、それに従ってさまざまなトレーニングを行うことができる。アプリの配信は6月下旬～7月上旬を予定しているとのこと。シューズはバスケットシューズタイプとランニングシューズタイプがあり、アプリにもバスケット版のものが用意されるという。
|
|
アプリに用意されているドリルパックは、目指すアスリートごとに複数用意される。これは元NBAマイアミ・ヒート所属のレブロン・ジェームズ |
シューズはバスケットシューズタイプとランニングシューズタイプ |
多様なアプリ・アクセサリでiOSデバイスはカスタム機器となる
冒頭に紹介したとおり、App Storeは登場して4年で大成功を収めた。アプリだけでなくアクセサリについても、さまざまなメーカーから幅広い製品が提供されている。
こういった多様なアプリ・アクセサリが用意されていることで、iOSデバイスはユーザー一人一人にカスタマイズされたデバイスとして利用されることになる。各社からさまざまなデバイスがリリースされて選択肢が多いAndroidプラットフォームに対し、iOSデバイスは選択肢が限られるように受け止められるが、アプリやアクセサリの選択でいかようにもカスタマイズできるのだから無限の選択肢があるのと同じだ――というのが、「ユーザーにとっての選択肢」という点についてのAppleの考えなのだと思われる。
