トレンドマイクロは4月18日、世界規模でのセキュリティ動向を四半期で分析した「セキュリティラウンドアップ」レポートを公開した。それによると、2012年1月から3月までの3カ月の間に、Android OSを標的にした約5000種類の新しい不正アプリが発見されたという。

本レポートは、全世界で組織されたトレンドマイクロの調査・研究チームが、世界規模でのセキュリティ動向、傾向を四半期ごとに分析した報告書。モバイルの分野では、Android端末向けの不正アプリが約5000種類も発見され、実在のゲームやスマートフォン最適化アプリの偽物として配布される例や、不正アプリが多数のアプリに組み込まれて配布される例が確認されたという。

インドや日本の企業・組織を狙い、継続的に攻撃を仕掛け不正活動を実行する「持続的標的型攻撃(APT)」に関しては2011年6月以降、継続的に90以上の攻撃が実行されているが、これらが各々一回限りの攻撃ではなく、「作戦活動(キャンペーン)」であることが明らかになったという。また、NBA選手のジェレミー・リン氏を解説する記事を装った文書ファイルによる標的型攻撃が東欧・中央アジアを中心に報告されたほか、ドイツ首相のチベットに関する声明を装った標的型のメールも確認されたとしている。

SNSの分野でも、詐欺やマルウエア(不正なファイル)の配布などが相次いでいる。Facebookではホイットニー・ヒューストン氏の動画へのリンクを装ったもの、新しいiPadを無料でプレゼントするサイトの宣伝メッセージを装ったものなどが広がり、Twitterでもマクドナルドの無料ギフトカードの入手を促すような詐欺メッセージが拡散。また、写真や動画を共有するサービス「Pinterest」においても、スターバックスのギフトカードのプレゼントを装った詐欺が確認された。

サイバー犯罪としては、パソコン内のデータを暗号化し、ユーザに読み取れない状態にした上で金銭を要求するランサムウェアの被害が拡散しており、米国だけでなく、ロシアからヨーロッパ諸国にまで影響が及んでいるという。また、スパムメールの送信国はインド(20%)、インドネシア(13%)、韓国(12%)、ロシア(10%)の順に多いとしている。

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